今夜から明日にかけて列島が冷蔵庫化するようですので、皆さんお気を付け下さい。10年に1度と言われる寒波ですが、僕が昔住んでいた所の予想気温はマイナス7度。10年少し前に僕はそこでマイナス9度を経験しました。洋式トイレの水が全て凍って、朝おしっこに行くと跳ね返って来るわ、流れないわで大変でした。明日の通勤途中は足元にご注意下さい。
コロナ禍によって映画館に足を運ぶ機会が減りましたが、ビデオの普及、レンタルビデオ~レンタルDVD~配信によって、映画関係の雑誌も激減しました。僕が学生の頃毎月買っていたのが「ロードショー」。
1972年の創刊以来37年間、多くの映画ファンから支持されていた集英社の映画雑誌「ROADSHOW」は、2008年11月21日(金)発売の1月号をもって、その歴史に幕を下ろしました。
僕は創刊から80年代前半まで愛読しました。似顔絵コーナーに投稿して採用され、最優秀賞を受賞したこともあれば、映画についてのコラムが採用されたこともあります。編集部からスターの住所を教えてもらい、英語でファンレターを書いてポートレートをもらったこともあります。大好きな西部劇やジョン・ウェインの扱いは、ライバルの「スクリーン」の方が上でしたが、毎月愛読しました。これは初めて手に入れた海外からのポートレートです。
最高発行部数は35万5000部。これは1982年12月に発売された1983年2月号で「E.T.」特集が掲載されていました。一番多くの表紙を飾った男性は「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズの人気俳優ジョニー・デップ(19回)、女性は意外にも「初体験/リッジモント・ハイ」「グレムリン」で一世風靡した元アイドル女優のフィービー・ケイツ(20回)。
休刊の理由については、映画と映画ファンを取り巻く環境の変化、さらに成長を遂げる映画情報のインターネットとモバイルでの比重が高まって、映画雑誌としての売上部数・広告売上が減少傾向にあったことが説明されていました。
毎月、「あなたが選ぶ・今月のスター・ベスト10」というファン投票があり、トップの常連は男優がアラン・ドロン、ブルース・リー、ジュリアーノ・ジェンマ、スティーブ・マックイーンで、女優がノラ・ミャオ、ジャクリーン・ビセット、テイタム・オニール、トレイシー・ハイド・・・亡くなってしまっている俳優であろうが、1本しか出演していない俳優であろうが、上位に顔を出し、長期政権をひいてしまう俳優が多かったこのランキング。本気で編集部のヤラセではないかと思いました。トレイシー・ハイドがいつまでもジェームス・ディーンのように、ベスト3に何年間も入り続けました。全く新作映画が無いにも関わらず。(笑)また人気があれば、ベイシティローラーズであろうがKISSであろうが、カラーグラビアを組んでいました。
ライバル誌は、46年創刊の「SCREEN」(近代映画社発行)でしたが、ROADSHOWは中高生から20代の女性洋画ファンがターゲット。SCREENはオールド・スターの特集を組むなど、年齢層の棲み分けがされていました。
映画は映画会社が全面的に権利を持っていて、映画誌がネットで収益を上げる具体的な方法はこれといって無く、廃刊に追い込まれるのが早かった。また、洋画自体も変わり、スター不足が痛かった。ハリウッドがスターに頼った映画作りをやめ、かつて人気だったスターも引退。洋画スターの写真掲載料の高騰も痛かった。このため、同誌は最後は編集方針を変え、邦画を手厚く紹介していました。当時は邦画ブーム。邦画なら取材も手厚くでき、いい写真も手に入る。そもそも、若い世代は洋画、邦画の区分をしていませんでした。
廃刊直前のロードショーを見ましたが、往年の面白さが無く、よくここまでもったな・・というのが正直な感想。今も70~80年代の数冊を残していますが、懐かしい。映画にウキウキ、ドキドキした頃を思い出します。