物心ついた頃の子供時代の記憶は沢山あるのですが、今も当時の面影を残す風景は、一体世の中にどれだけ残っているのでしょう?例えば都会の線路や国道はまず変わりませんが、その周辺の風景は再開発という名前の下、大きく変わってしまっています。学び舎さえ建替えではなく、移転という形で失います。変わるのは時代や景色だけに留まらず、生活習慣、文化、人の心に至るまで・・。
ここは兵庫県・川西市の川西能勢口駅の周辺商店街である「能勢口本通商店街」、昭和40年(1965年)の風景です。
この風景をご存知の方で、今も近辺にお住まいの方や縁のある方は、現在の光景を知っている方もいるでしょうし、久しぶりに見て驚く方もいるでしょう。逆に今の景色しか知らない人が、タイムマシンでこの地に降り立てば、一体ここがどこなのか分からない・・そんな感じでしょうか。
今はこの踏切は高架になっていますし、商店街も消えて・・・
こういう景色になってしまいました。本当に大きく様変わりしました。
そもそも阪急電車は、そこにあった人々の生活の街中を貫き、由緒ある前方後円墳などの古墳も壊し、岡町・原田神社や服部天神の境内に線路を通したのです。服部天神駅など、駅のホームに神社の御神木が残っている有様です。交通を整備し町を発展させましたが、ある意味人の生活を大きく変えました。これは高速道路建設や再開発など、そこに住む人の立ち退きを迫るような工事には必ず付きものです。
ただ、人と人とが触れ合う機会や場所は、確実に激減したと思います。