今日は全国各地で今年最高の気温になるなど、こちら大阪でも温かい1日でした。梅もかなり楽しみましたし、明日からは3月「桃の節句」を目前にし、益々春近し。一方コロナ感染は止まるところを知らず、気分は浮かれることがありません。決算期、移動の時期を迎えますが、くれぐれも油断なくお身体ご自愛下さい。
「南街会館」と聞いて、すぐに話が通じる人が少なくなりました。今は「東宝南街ビル」と呼ばれて、「TOHOシネマズなんば」や「ユニクロ」等が入る複合ビルとして親しまれています。
南街会館はそのビルが出来るまで、そこにあった映画館です。南街劇場・なんば東宝・南街シネマ・南街スカラ座・南街文化劇場が入っていました。
写真は昭和40年の「なんば東宝」です。
昭和12年に東宝がミナミの興行拠点として南街映画劇場を建設、昭和13年1月オープンしたのを起源とする難波東宝。新興勢力で梅田を拠点とする東宝は、この大劇場でミナミの興行界に進出しました。南街劇場は宝塚歌劇の上演と洋画上映、なんば東宝は東宝封切館でした。
ちなみに南街劇場、梅田の北野劇場、道頓堀の大阪松竹座は、大阪・洋画の3大殿堂でした。
建物の老朽化が進んだため平成16年(2004年)、南街劇場で上映された「七人の侍」を最後に50年の歴史に幕を閉じています。
南街会館は歴史があり、それ以前にこの場所で明治30年にシネマトグラフが、入場料を取って上映されており、これを以って南街会館が、日本の映画興行発祥の地とされています。そのことに感銘をおぼえた阪急電車や東宝の創業者、小林一三は記念碑を残しており、TOHOシネマズとなった現在も、1階のTOHOシネマズ直通エレベーターの右側の壁にそれは埋め込まれています。