アーバンライフの愉しみ

北海道札幌近郊の暮らしの様子をお伝えしています。

映画「恍惚の人」

2015年10月21日 | ギャラリー

映画「恍惚の人」を見た。
有吉佐和子のベストセラー(149万部)小説を松山善三の脚本、豊田四朗のメガフォンで1973年に公開された話題作。

物語~84歳の茂造は、老妻が亡くなって以来ボケがひどくなり、他家に嫁いだ娘を忘れてしまうばかりか、同居する息子を暴漢と錯覚して騒ぎ出す始末。徘徊がはじまり、湯船で溺れたり汚物を家中に塗りたくったりして介護する嫁の昭子を困らす・・・。

ボケ老人を演ずる森繁久弥の迫真の演技とその介護に悩む主婦を演じた高峰秀子らの苦闘は賞賛に値する。役者の真骨頂というのはこういうものかと納得させられる。

当時はまだ経済成長が続いていて、「老い」が広く社会問題にはなっておらず、また、介護技術や体制が確立していない中で、この小説と映画の国民に与えたショックは計り知れないものがあったに相違ない

描かれた高齢者の実態とその介護に奮闘する家族の姿は、現代にも十分通じるものであり、明日は我が身と深く考えさせられた。(写真は、Amazonから借用しました)

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