アーバンライフの愉しみ

北海道札幌近郊の暮らしの様子をお伝えしています。

新刊書を貸し出すな?

2015年10月31日 | 読書三昧

29日の新聞(朝日)に面白い記事が出た。

今月15・16日、東京で開催された「全国図書館大会」で出版社側が、「本が売れないのは図書館が新刊書の貸し出しをするからだ」として、「新刊書の1年間の貸出し猶予」を提起したという。

例えば、大手出版社の文芸作品は、初版本の9割が売れてようやく採算がとれるのだが、現行、初版で2~3万部程度の作品では利益が出ず経営を圧迫しており、図書館での新刊書の貸し出しがその一因だという。

一方、全国の図書館の数は、ここ10年で400館ほど増え3,246館となり、貸出数も漸増している。(図ご参照)

たしかに、出版社の経営が今よりも苦しくなれば、良い作品も日の目を見ず読者も困るが、果たして、図書館の(新刊書)の貸し出しが昨今の本の売り上げ減少の主たる要因か、よく分析してみる必要がある。

むしろ、図書館を通して本の愛好家をつなぎ留めていなかったら、昨今の販売部数すら確保出来ていないのではないか。

新刊書の貸し出し猶予によって本離れがさらに進んだら、出版社の死活問題はおろか、日本文化の衰退や社会の活力低下という問題にまで発展するのではないか。日頃、図書館に頼っている小生としては気になる動きである。(記事は、こちらにあります)

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