アーバンライフの愉しみ

北海道札幌近郊の暮らしの様子をお伝えしています。

傾いている!

2015年11月12日 | ギャラリー

本物を目の前にして、「やはり傾いているな~」と感嘆しきりであった。

ピサの斜塔。
11世紀から13世紀にかけて東方との貿易で栄えたピサだが、艦隊がイスラム勢力に勝利したのを祈念してドゥオモの建設に着手。

1173年からは鐘楼を建て始めたのだが、4階までできた段階で傾き始め、仕方ないので、それ以上の階をまっすぐ建てていったがそれでも傾きが続いたので、最上階は地表に対してまっすぐに建てたという。完成は1372年。高さは55.9mある。中心線から南に向って4m 、約4度傾いている。

そのため、現在真横から見ると、単に傾いているだけでなく、全体がバナナのような奇妙な格好をしている。

ところで、傾斜しているのは鐘楼だけのように思っていたが、ガイドさんの説明によると、この敷地にあるすべての建物は、大なり小なり傾いているという。つまり、地盤が弱いのだ。

しかも、傾いている方向はまちまちで、例えば、ドゥオモは(鐘楼に対して)反対側に数度傾いている。洗礼堂、墓所(カンポサント)や付属美術館もしかりである。(写真中央は、ドームの形状が美しい「洗礼堂」)

従って、写真を撮るのがとても難しく、何を基準に水平・垂直を出すか苦労する。小生は、周囲の城壁を水平と仮定して作図した。

このピサの寺院は、単に鐘楼の傾きだけがクローズアップされているが、装飾に施された彫刻や色彩の面でも、非常に優れたものを持っていると思った。

また、この傾きを利用してガリレオ・ガリレイが、落下物の重量差による落下速度には差が生じないことを証明したとの話など聞くにつけ、偉大な傾きでもあると大いに感心した

コメント