中世美術の最高傑作と称されるタピスリー、「貴婦人と一角獣」に秘められた物語を綴ったマハさんの異色アート小説。
新書版の大きさながら、極彩色のタピスリー6点全部(の写真)を掲載した豪華装丁も、物語を読み進む内に、むべなるかなと納得させられる。
19世紀の女流作家「ジョルジュ・サンド」を登場させ、また、件のタピスリーを語った彼女の短文も合わせ収容するという思い切った構成になっている。
いずれにせよ、アートをめぐるマハさんの博識ぶりと歯切れのよい文章に、納得の後読感であった。(お勧め度:★★)
蛇足:ユニコーンは「一角獣」のことで、何でも処女性の象徴とか。