昨夜NHK総合で放映された「731部隊の真実~エリート医学者と人体実験」を見た。
前日放映された「本土空襲・全記録」は、米軍による本土空襲によって50万人近い人々が殺されたというすさまじい内容であったが、今回は、毒ガスや細菌による人体実験やそれに関わるエリート医学者群像という別の意味で、「戦争の狂気」を再認識させるものであった。
特に、今回の番組は、ロシアで発見された「ハバロフスク裁判」の記録(音声テープ)を元に、その実相に迫った点が評価される。そこには、実際に手を染め、また、身近に見聞きした人体実験の詳細が語られていた。
例えば、冬季の夜間、手足をむき出しにした囚人(実験台)を屋外に放置して凍傷を発症させ、その経過を観察するなどしたという。また、生体解剖や細菌による罹病実験なども行われた由。
一方、終戦時、これら731部隊の幹部や医師らは、特別列車で早々に現場を立ち去り帰国し、戦犯として訴追されることもなく学長や教授に昇任したりした。
これに対し、旧満州の荒野に取り残された一般人の逃避行の困難さを知るにつけ、こうした特権層の扱いは、安倍政権による身びいき政策とオーバーラップするように思えた。写真は、ネットから拝借しました。