昨夜、IWJで孫崎享氏のインタビューを聴いた。
今般防衛大臣に就任した小野寺氏が、ミサイル防衛に関し安保法の発動を匂わせたり、また、右翼雑誌の対談で「敵基地先制攻撃」などに言及していることが気になったからである。
孫崎享氏は元外務省国際情報局長で、従来、これらを「机上の空論」と批判して来たが、このインタビューでも、歯に衣着せず(このまやかし論を)強く批判した。
要点としては、今般、北朝鮮の(グァムへ向かう)ミサイルへの対応として広島や四国に配備された自衛隊のPAC3なる迎撃ミサイルなどはまったくの役立たずで、政権の「印象操作」以外の何物でもない。
つまり、PAC3はロシアが米国のミサイル基地を攻撃することを想定して開発されたもので、予め、どの方角からどういう軌道で飛んでくるかがわかっているミサイルでないと邀撃できないという。
加えて、射程距離も15kmと短く、例え邀撃できるとしても、せいぜい、半径2kmくらいの範囲しか防御できない。
また、発射準備に時間がかかる(米国向けの)ICBMなら(先制攻撃の)対象ともなりうるが、法的に問題がある。
一方、こうした対応を行った場合、北朝鮮との間で戦争状態となるから、その場合、彼らが保有し且つ、実戦配備している2~300発の「ノドン」が飛んでくることになる。
これらは移動式だから、発射される場所を特定できず、PAC3など無意味だと言う。
いずれにせよ、北朝鮮のミサイル対策は、外交上の話し合い解決以外、道がないことをしっかり認識すべきだと思った。