直木賞作家の朝井まかてさんの最新作は、江戸庶民の暮らしに密着した短編集「福袋」。
2013〜16年「小説現代」に掲載された短編6編を収める。310頁。
物語「福袋」〜乾物商の「佐平」は、出戻ってきた姉「お壱与」が大飯食いであることに目をつけ、江戸のそちこちで行われる大食い競争で賞金稼ぎをさせる。高慢ちきな妻の「お初」を離縁するには持参金の50両を返す必要があり、これを貯めたかったからだ・・・。
江戸庶民の日々の暮らしを活写しているのだが、藤沢周平氏のそれのように暗さがないのが良い。まかてさん独特の語り口で、何事もボジティヴに語る作風に共感する。ご一読をお勧めします(お勧め度:★★)