10月4日(日)、コロナ禍による厳しい情勢の中での東京つなぐ会、今月も何とか開催でき、参加者12名。久しぶりに会うお顔も多く、旧交を親しむ感の交流会となりました。
親もLGBTQ当事者も背景が様々な参加者によるフリートーク。
セクシュアルマイノリティの子どもを持つ親、とりわけ世間体に囚われがちな世代の親には、セクシュアリティで悩む子どもの思いはなかなか推し量ることができません。男女二元論社会で育ち、セクシュアリティについての教育も受けていない為、当然のことでしょう。ですからつなぐ会のような交流会で語られる他者の言葉は大切です。当事者ご本人が語られる、「社会との軋轢と葛藤という苦闘の体験と思い」、他の親御さんが語る「カミングアウト受容のプロセス」について聴くことで、自身の親子関係を振り返り、更に親自身直接には尋ねられない子どもの心情をうかがい知ることができたり・・・
親子では感情的になってなかなか冷静に語り合えない、そのちぐはぐな思いを修正できるのがこの場でしょう。
学童期の子どもを抱える親の苦悩には、先輩の親達のアドバイスがあります。今回の話題の中心はトイレ問題でしたが、更衣室や水泳授業、修学旅行等子どもたちを取り巻く問題は未だ山積み。それぞれの親子が個別に学校と交渉し、課題をクリアしていく状況は未だ続いています。LGBTQの子どもたちが現れて初めて「合理的配慮」に取り組むのではなく、彼らがいつ入学してきても困らないような教育環境の整備が急務なのに、と毎回嘆息。親も教師も困惑し対応に苦慮しますが、肝心なのは当事者の子どもの気持ちですね。セクシュアリティのカテゴリーも対応のマニュアルもあまり意味を持ちません。人の心は杓子定規に決めつけられないものですから。安心できる環境の中で、落ち着いた態度で子どもの胸の内を聞き出せたら良いのですが・・・。言葉にできない子どもの気持ちまで汲む周りの大人達の度量も必要でしょう。
他にも、孤独を抱え悩む若者には、コミュニティ以外の仲間が支えになるケースを教えてくれる参加者がいたりと、縦横無尽に繰り広げられる対話が暖かかったです。
始めての参加者もお馴染みさんも、会場に入ってきた時とは打って変わって和やかな表情で帰路につく。ここに仲間がいる、心の内を明かして軽くなった身体で明日に向かっていく。
今回もそんな交流会となりました。 M