たまたま図書館で手にして借りた本ですが、やはり新潮社クレストブックスシリーズは質が高い。装丁もかわいいなあ、と思っていたのですが、読み終わってよくよく見ると青い空に浮んでいるのは戦闘機。そうかー、なるほど。
イギリスの中級階級の家庭を三世代に渡って描いた女性たちの物語。と書くとなにやら大河ドラマのようなのですが、あおったようなドラマではなく淡々と描かれる庶民の暮らしなのです。語り手は主人公ルビー。だけど、物語は母親の胎内で受胎したときから語られます。現実社会で生きているルビーの目を通して描かれるというよりも「神の目」的な(ルビーが見ていないところもあるので)語り手なのです。時間軸はルビーの成長に即した部分と過去が行きつ戻りつして母親、そして祖母の物語も動いていきます。ルビーの視点はクールで客観的。それがどこかユーモラスな語り口となります。
この物語、本当に面白い。構成もさることながら、ルビーと姉妹、その母親との40年に渡る関係など読み応えがあります。生活雑貨や食べ物、小説など固有名詞がでてきて(当時の)イギリスの生活を伝えてくれるので、その雰囲気も好きです。それぞれ描かれていたエピソードは繋がり今を生きるルビーに託されます。
原書は1995年に上梓。訳書は昨年出版。こんなに面白いのに日本語での出版が遅れたのはなんででしょうねえ。
イギリスの中級階級の家庭を三世代に渡って描いた女性たちの物語。と書くとなにやら大河ドラマのようなのですが、あおったようなドラマではなく淡々と描かれる庶民の暮らしなのです。語り手は主人公ルビー。だけど、物語は母親の胎内で受胎したときから語られます。現実社会で生きているルビーの目を通して描かれるというよりも「神の目」的な(ルビーが見ていないところもあるので)語り手なのです。時間軸はルビーの成長に即した部分と過去が行きつ戻りつして母親、そして祖母の物語も動いていきます。ルビーの視点はクールで客観的。それがどこかユーモラスな語り口となります。
この物語、本当に面白い。構成もさることながら、ルビーと姉妹、その母親との40年に渡る関係など読み応えがあります。生活雑貨や食べ物、小説など固有名詞がでてきて(当時の)イギリスの生活を伝えてくれるので、その雰囲気も好きです。それぞれ描かれていたエピソードは繋がり今を生きるルビーに託されます。
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原書は1995年に上梓。訳書は昨年出版。こんなに面白いのに日本語での出版が遅れたのはなんででしょうねえ。