felice-sakura の日々戯言

パチンコが大好きな理系人間。鉄道写真とプラレールの収集が趣味。あと、萌えも少々… そんなオタクな人間の日々の戯言。

『はやぶさ』の帰還とその陰で

2010-06-14 19:55:12 | 戯言
テレビ等での報道で既にご存知だとは思うが、惑星探査機『はやぶさ』が昨晩地球へ帰還した。
帰還したとは言え、『はやぶさ』本体は、大気圏突入と同時に焼けて消滅。
その寸前に最後の任務として惑星「イトカワ」で採取した試料が入っている可能性のあるカプセルを放出した。
オーストラリア南部のウーメラ砂漠に落下したそのカプセルは、日本時間の今日夕方に無事回収されたのだが、果たして何かが入っているのだろうか。

この『はやぶさ』。7年前の2003年5月に打ち上げられ、本来の予定では4年で帰還するはずだった。
しかし、燃料漏れやエンジン故障、通信不能に行方不明。
数々のトラブルに見舞われながら、予定していた距離の10倍に当るおよそ60億キロを飛び続け、3年遅れながら何とか帰還し任務を果たす事ができた。

今回のプロジェクトには、130億円以上の予算が掛けられたという。
カプセルの中身については今現在何とも言えないが、『はやぶさ』が無事に地球へ帰って来ただけでも大成功で、それだけの価値は十分にあったと言えよう。
しかし、もし行方不明になったまま見つからずに終わってしまっていたならどうだろう。
どこかの仕分け人に「130億円掛けてこの結果ですか。惑星の石なんて拾って来て何になるんですか。どうしても日本がしなくちゃいけない事なんですか。」等と言われたりはしないだろうか。

こういった科学分野の研究や実験というものは、おいそれとは結果がついて来ないものである。
またそれなりの結果が出たとしても、それが評価されるには数十年掛かったりする事も珍しくはない。
仮に今回のカプセルに何も入っていなかったとしても、後々この『はやぶさ』プロジェクトは、日本が成し遂げた偉業として必ずや評価される事になると私は考える。

無駄な物を削る事業仕分けも結構。
しかし、仕分け人の方達には、一つの成功の陰で実らなかった実験や研究も数多くあり、それらに掛かる費用は決して無駄な物ではないって事も十分理解して頂きたいものだ。



さて、『はやぶさ』の帰還から一日遅れて今夜はサッカーのカメルーン戦。
日本チームは、探査機『はやぶさ』に負けないだけの根性を我々に見せてくれるのだろうか。

(画像は共に今日の朝日新聞)