好奇心旺盛なおばさんのワクワク日記

勉学優先のセン業主婦!
遠くに見える富士山を眺めつつ、ワクワクしながら学習などにいそしむ日々を書き綴っています

『和名類聚抄』(光緒丙午楊守敬刊)(1)

2013-06-27 23:23:19 | 学習
古語の連濁を調べようと『諸本集成 倭名類聚抄』を見ていました。
すると、避諱字のあることに気付きました。「弦月」の「弦」の字が欠画になっています。
同様に「玄」も欠画になっています。

なぜ日本の辞書である『倭名類聚抄』に避諱字が?と思い、巻頭を見てみると、 そこには、「光緒丙午中国楊守敬刊 和名類聚抄」と書かれていました。
中国で刊行された版本だったのです。この「諸本集成 倭名類聚抄」を買ったのは、恐らく10年以上前のことだと思うのですが、すっかり忘れていました。 

「光緒丙午」が光緒三十二年であり、西暦1906年であることはメモ書きしてあったので、その時は中国で刊行されたことは分っていたのだと思うのですが・・・
ただ、買った当時は中国に避諱という習慣があることは知らなかったと思います。

今の今まで忘れていたなんて、あまりにも・・・ 
「索引篇」を見ると、読んでいなかったようですが、「解題」がありました。。
「天文本」と呼ばれる転写本が伝わっており、中国において刊行せられたものがあると書かれています。
この「光緒丙午中国楊守敬刊本」はかの有名な、新村出博士舊蔵、現在大阪市立大学新村文庫蔵によって複製したものだそうです。

この「楊守敬刊本」をながめていて、万葉仮名で書かれている和名で珍しい表記があることに気づきました。
「陽烏」の和名表記に、「夜多賀良春(やたがらす)」と「春」が「す」を表す万葉仮名として使用されているのです。「春」はあまり見かけなかったように思い、『記』『紀』『万葉』を調べてみました。

『記』『紀』には使用例が無いようで、『万葉集』に2例ありました。いずれも左注の固有名詞にのみ使われています。
巻四 570 麻田連陽春(あさだのむらじやす)
巻五 884 麻田連陽春(あさだのむらじやす)

手元の資料からは「春」の用例は、残念ながらここまでしか調べられません。
こうなると、『時代別国語大辞典 上代編』が欲しくなる! この巻末には、どの万葉仮名がどの文献に使用されているか記されているはず・・・

『諸本集成 倭名類聚抄』に、「箋注倭名類聚抄 校譌並異体字辨」なるものがあります。ここに「春」について書かれていますので、次回記したいと思います。


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