浪漫飛行への誘(いざな)い

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TBS世界遺産~ドナウデルタ

2022年07月04日 06時06分16秒 | 旅行

 

7月3日のTBS世界遺産は、「ドナウ川が生んだ!大デルタ地帯」というタイトルで、ドナウ川の河口に広がるヨーロッパ最大級の湿原、ドナウデルタを紹介していた。水没する森や葦の生い茂る浮島、不思議な2色の川…全長2800kmの大河が作った壮大な景観が見どころである。この番組は普通では行けないところに空中撮影が駆使されているので、綺麗な映像を楽しむことができる。

ドナウ川は、ドイツに端を発し、東欧各国を含む10ヵ国を経て、西から東へ流れ、黒海までそそぐ全長2800kmのヨーロッパで2番目に長い大河である。それが河口近くで形作った、巨大な三角州がドナウデルタである。砂地の森、葦原、大小の湖や沼など、さまざまな表情を持つヨーロッパ最大級の湿原で、ドナウが運ぶ土砂でその面積は広がり続けている。ここは、100万羽の渡り鳥が繁殖に訪れる野鳥の楽園となっており、アフリカからやって来るモモイロペリカンの、ヨーロッパ最大の繁殖地でもあるという。

35年ほど前、ドイツに住んでいた時、ドナウ川沿いの町をいろいろ旅する機会を得た。1988年8月にドイツの黒い森の中にあるドナウ川の源泉となっているドナウエッシンゲンを訪れたが、ここからドナウ川が始まっていると思うと感動的であった。旅したことがある流域の都市は、ドイツのウルム、レーゲンスブルク、パッサウ、オーストリアのウィーン、スロバキアのブラチスラヴァ、ハンガリーのブダペスト、セルビアのノヴィサド、ベオグラードで、各地でいろいろな姿のドナウ川の流れを見てきた。今回紹介のあったルーマニアのドナルデルタ地域には残念ながら足を運んだことはないが、美しい映像のおかげで、十分雰囲気を味わうことができた。

ドナウ川といえばすぐに思い出すのは、芥川賞作家、宮本輝さんの「ドナウの旅人」という長編小説である。旅は、フランクフルトから始まり、ドナウ川に沿って、ルーマニアまで旅するワクワクする旅行記のような作品である。ドイツに赴任する時、人に勧められて持参したのがこの本である。フランクフルト駐在中、縁あって、宮本輝さんとおつきあいをする機会があり、講演会をお願いすることもあった。小説に出てくるイタリアンレストランで食事を一緒にする機会もあった。彼の小説は、地名もレストラン名も実名で出てくるので、旅人にとっては親近感がある。ブダペストでも小説に出てくるレストランで家族で食事をしたこともあった。ヨハン・シュトラウス2世の「美しく青きドナウ」の調べもドナウの魅力を倍増させる。ドイツにおけるライン川、モーゼル川に負けないほど魅力ある国際河川であることは間違いない。

 

美しく青きドナウ: https://youtu.be/bRKzVmOqcaE

 

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