白鷗大学のWEBフォーラムは、きたやまおさむ(学長、精神科医で元フォーククルセダーズ)さんが企画されているので、同年代の者としては関心が高く、毎回拝聴している。9月25日は、「いまを生きるための「深層心理学」~この分断の時代に~というタイトルで、ゲストにジャーナリストの後藤謙次(白鷗大学名誉教授)さんを迎え、前回出演した坂崎幸之助(歌手、ALFEEメンバー)さんときたやまおさむさんとの対談もまじえ、話が進められた。
きたやまさんは、昨年、「ハブられても生き残るための深層心理学」という本を出版し、その内容も一部紹介された。「ハブられる」という言葉の意味をよく理解していなかったが、「ハブられる」とは、若者言葉で「ハブる」の受身形で、「仲間はずれにされる」「村八分にされる」という意味であるという。イジメに結びつく言葉であるといえる。
ある解説書によると、本書の要点は、
1 集団から排除される「ハブられる」という現象は、自分の知らないうち、裏で隠れて進行することが多い。
2 集団は自分たちと似た者を取り入れ、異なる者を吐き出すという基本傾向を持つ。これは無自覚に繰り返されやすい。
3 人生は劇に似ている。劇場には舞台のほか、役を降りてほっと一息つける「楽屋」もある。「人生の台本」の存在を知り、よりよいものに紡ぎ直していくことが大切だ。
とある。
また、「きたやま」さんによると、
人にはみな「表」と「裏」があり、建前と本音を使い分けて生きている。表である現実を考慮しながら裏の欲望を調整する。表と裏の橋渡しをしているのが自我、つまり「私」である。人生という劇場にも表舞台と楽屋裏がある。最初、裸で舞台に出た私たちは、大恥をかいたり失敗したりしながら、衣装を着て、せりふを話し、役を演じるようになる。でも、良い子や優等生など、あらかじめ用意された、周囲の人に期待された役を演じさせられている場合が多い。人には、表舞台から降りて、観客の目にさらされずにひと息付ける「心の楽屋」が必要である。素顔に戻れる楽屋があるからこそ、舞台の上に出て演じることができる。人は「表」だけでは生き抜くことができない。「裏」が守られていることが重要である。
という。
人生という劇場に表舞台と楽屋裏があるというのは、とてもわかりやすく、同じ思いである。さすが、精神科医で作詞家である「きたやま」さんらしい視点である。大変勉強になるフォーラムであるが、限定された聴講者しか見られず、ユーチューブ等で公開されていないのが残念である。
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