透明な気圏の中から

日々の生活の中で感じたこと、好きな作家についての思いなどを書いてみたいと思います。

「探検家の驚き」というコラム

2020-08-19 20:51:10 | 日記

曇りのち晴れ。最低気温20.5℃、最高気温29.6℃。

北海道新聞夕刊

 今日も習い事の帰りに野幌森林公園大沢口からふれあいコースを通ってきました。青空にトンボがたくさん飛び交っていて、暑さの中にあっても秋がすぐそばに佇んでいるのを感じないわけにはいきません。セイタカアワダチソウの向こうに見える木々も紅葉がまた少し進んでいました。

 さて、本日付けの夕刊に「探検家の驚き」というコラムがあり、なるほどと目が留まりました。

 探検家で作家の角幡唯介さんが驚いたのは、20代くらいの記者から受けた質問でした。「角幡さんの探検は社会の役に立ってないのでは」と。

 これまで、「社会の役に立つ・立たない」を超えて生きることの意味を求めてきた角幡さん。さぞかし、驚かれたことでしょう。

 若者の社会貢献志向は2000年頃から上昇傾向にあるそうです。政治学者の白井聡さんは1980年代から広がった新自由主義という考え方が浸透し、「人間の魂を変えてしまった」と著書の「武器としての『資本論』」に記しているとのこと。新自由主義では人間のベーシックな価値、すなわち必ずしもお金にならない価値をまったく認めないそう。

 コラムは「探検家を驚かせた質問の土壌は決して若者だけのものではないように思えてならない。」と結ばれていました。

 「社会の役に立つ・立たない」を目安にされると、息苦しくてしょうがないなと思えるわたくしです。角幡唯介さんにはこれからも、探検家や作家の目を通して、頑なさを和らげるような発信を続けてほしいなと思いました。

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