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昨日の夜、札幌エルプラザ3階ホールで河合弘之制作・監督による映画が上映されることを、ミニコミ紙「まんまる新聞」で知り、家人と観て参りました。主催は北海道ブックシェアリングほかとのことです。
脱原発の先頭に立つ弁護士・河合弘之氏が裁判闘争の限界を打破するために制作したドキュメンタリー「日本と原発 私たちは原発でしあわせですか?」のその後を描いたのが、この「「日本と原発 4年後」とのことです。私は前作は観ていなかったのですが・・・・・。
138分、二時間余りの上映でしたが、何かに引き寄せられるように、最後まで画面から目が離せませんでした。
「まんまる新聞」で紹介されていたように、有識者へのインタビュー取材や、情報収集・報道資料などをもとに、事故に巻き込まれたひとたちの苦しみ、原発事故が引き起こされた背景、改善されていない規制基準などがドキュメンタリータッチで描かれていました。浪江町の町長さん、避難生活を強いられている方々、原子力コンサルタントの佐藤暁氏、医学博士の崎山比早子氏、元内閣総理大臣の小泉純一郎氏と細川護熙氏など、よくこれだけの人数のお話を聴くことができたものだと感心するほどでした。
初めて目にし、耳にする情報が多く、理解できることは限られるのですが、観て良かったと思いました。今更ながら、福島について、知らないことが多すぎたことに気付いたところです。
印象に残っているのは最初と最後の場面に登場した地元の女性です。方言がこれほど生の声をストレートに伝えてくれるものかと思うほどに、彼女の口から語られる言葉は被災された皆さんの気持ちを代弁し尽くしているかのようでした。素朴な疑問の数々は、学者・科学者・政治家・コメンテーター・インテリゲンチャ―・ 等々(カテゴリーがカオス状態ですが)が束になっても答えを出せない、本質をついたものに思えました。
原発が当初から抱えていた問題は何も解決されないまま、今や底なし沼のように手に負えない状態になっていることだけが、確かなことなのかと恐ろしくなりました。


《会場となったエルプラザ》
