ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

ジーマーミ

2011年03月28日 | 飲食:食べ物(材料)

  新ビールのつまみ

 10月のある日、近所の、地産地消のコーナーがあるスーパーへ買い物へいったら、その地産地消のコーナーに生ジーマーミ(地豆=落花生)があった。莢付だった。子供の頃の微かな記憶だが、祖父が家の庭にジーマーミを植えてあって、その収穫を手伝った覚えがある。生ジーマーミを見るのはその時以来。さっそく購入する。
 購入はしたが、さて、それをどう調理すれば良いかが分らない。参考文献には調理法まで載っていない。で、ネットで検索する。
 産地では莢ごと茹でて食しているとある。そういえば2、3年前(写真があった、2006年の9月) に、伊江島産莢付ジーマーミを同じスーパーで購入している。その袋には茹でジーマーミと書かれてあり、確かに茹でられてあった。
 ということで、私も茹でて食すことにする。ネットには「40分間茹でる」とあったので、その通りにする。「40分は長い、ガス代が勿体無い。」と思いつつ、茹で上げる。ネットにはまた、「莢ごと食べられる」とあったので、その通り、莢ごと齧る。しかし、莢は筋が多く、たいして美味くも無く、食って食えないことは無いかもしれないが、私は食えなかった。すぐに吐き出した。莢を剥いて食べる。
 伊江島産莢付茹でジーマーミを食った時は、茹でられたジーマーミは、予想したとおり水分を多く含んでおり、特に美味とは感じなかった。「炒った方がカリカリして美味しいのでは。」と思った。がしかし、茹でたて莢剥きジーマーミは美味だった。「エダマメ、ソラマメに匹敵する美味いビールのつまみ新発見!」という感想を持った。
 
 ジーマーミ、予想以上に美味かったので、近所の、地産地消のコーナーがあるスーパーへ再び生ジーマーミ(糸満産)を買いに行く。が、もう、無かった。旬が終わったみたいである。ところが、その2週間後、10月末、脱サラ農夫Tの店を訪れる と、莢の剥かれた生ジーマーミがあった。面倒な莢剥きが省ける。1袋購入する。
 Tによれば、ジーマーミの収穫は8月から9月とのことで、今売っているものはその時に収穫して、莢を剥いたものとのことであった。『沖縄園芸百科』を見ると、2月下旬から3月に植え付け、7月頃収穫とある。Tの情報とは少し違う。まあ、4月に植えれば8月、5月に植えれば9月の収穫ということなんだろう。
 
 Tから購入した莢剥き生ジーマーミ、蒸した方が美味いのではないかと予想し、蒸してみた。茹で時 間は40分だったが、蒸時間は12分とした。食に対する私の感性は正しかった。莢剥き蒸ジーマーミは美味かった。

 ラッカセイ(落花生):豆類
 マメ科の一年草 南アメリカ原産 方言名:ジーマーミ
 開花、受精した後、地面に潜って莢を発達させることからラッカセイ(落花生)という名前。方言名のジーマーミは地豆という意味、地面の豆ということ。
 世界中で広く栽培され、豆類の中では大豆に次ぐ生産量とのこと。日本では関東地区の千葉県、茨城県が有名で、沖縄では宮古島や伊江島などが特産地となっている。
 
 
 
 →植物としてのラッカセイ

 記:ガジ丸 2008.12.15 →沖縄の飲食目次


パパイア

2011年03月28日 | 飲食:果物・菓子

 フルーツパパイア

 パパイアの果実は、若いうちは野菜として利用される。このHPでも既にパパヤイリチーを紹介している。沖縄の家庭料理としてはごくポピュラーなものだ。
 野菜で使われるパパイアも完熟すれば果肉は柔らかくなり、多少甘味も出る。そして、それは生食できる。少々甘いので、生で食う場合は果物扱いとなる。しかし、子供の頃食べたことがあるが、あまり美味いものではなかったと記憶している。

  友人の娘Mが、自身のブログで「パパイアがとても美味しくて、一人で全部食べてしまった。」と、写真入りで紹介していた。写真に写っていたのは果肉の赤いパパイア。野菜で使われるパパイアの果肉は白い。Mのパパイアは、それとは品種が違うのである。
 果実を完熟させて、果物として食される品種のパパイアのことを通称フルーツパパイアと呼んでいる。スーパーなどでもそう名付けられている。

 じつは、偶然ながら、Mのブログのパパイアの頁を読む前日、フルーツパパイアを私は食べてい た。そのパパイアは近所の、地産地消のコーナーがあるスーパーで売られていたもので、ちゃんとフルーツパパイアという名前が付いていた。買ったのは1週間ほど前、追熟させて、完熟させて食べた。「パパイアがとても美味しくて」とMは書いていたが、私が食べたものは、さほど美味いものでは無かった。

 そしてまた、偶然が重なる、Mのブログのパパイアの頁を読んだ日、友人Tがやっている吉の浦ガーデンへ寄った。そこで、Tにフルーツパパイアの話をすると、「あるよ」と言って、完熟したフルー ツパパイアをくれた。それは美味しかった。
 フルーツパパイアにもいろいろ品種があるのだろう。スーパーで買ったものは水分も甘味も少なかったが、Tから貰ったものはどちらも十分。食べた感触は煮物にしたカボチャとそっくり、甘味もカボチャに近い。ただ、匂いが違う。
 フルーツパパイアの匂い、良い香りと言う人も多いが、私にはちょっと気になる匂い。なので、フルーツパパイア、味は申し分無いのだが、私の大好物にはなっていない。

 パパイアは妊婦や、乳飲み子を持つお母さんに適した食べ物と言われている。パパイアを食べると乳の出が良くなるそうだ。Mも今、乳飲み子を持つお母さん、パパイアを食べて、乳をたくさん出して、子供はすくすくと育っている。
      
      
      
 →植物としてのパパイア

 記:ガジ丸 2008.11.16 →沖縄の飲食目次


ユーカリフトモモ

2011年03月28日 | 飲食:果物・菓子

 公園の食えるもの

 サブプライムローン問題からアメリカの大手の証券会社が破綻した。アメリカ経済はガタガタになりそうな気配である。アメリカ経済がガタガタになると日本の経済もガタガタになり、世界の経済も危うくなる。大不況がやってくるかもしれない。

 大不況になるとルンペンが増える。職場が零細企業であり、金に余裕の無い私はルンペンの仲間になる可能性が高い。私の職場は建設関連である。建設関連は数年前から不況となっている。そんな中でもごく小さな会社に勤めている私は、常にリストラされる危険がある。なので、大不況でなくてもルンペンになる可能性はある。と、私は数年前から予想していた。よって私は、野原の食える木の実や草の葉に興味を持っている。

  数年間の勉強で、食える木の実や草の葉の知識はある程度身に付けたが、それらが本当に食えるのかどうかについては、まだ実験回数は少ない。公園などに行けば見つかる自然に生っているものに関して言えば、これまでに、モモタマナの実、パキラの実、ココヤシの実、ピタンガの実、パンノキの実くらいしか無い。
 公園にはその他、クワの実、バンジロウ実、ヤマモモの実などがあり、それらは子供の頃から口にしているので、食用になることは十分承知している。
 野原にはノイチゴがあったりする。パパイヤなども野原に自然に生えていたりする。ザクロもたまに見かける。学校の敷地内にはアセローラがあったりする。美味いものでは無いが、公園や学校にふんだんにあるヒカンザクラの実も食える。

  先日、末吉公園を散歩していて、もう一つ食える果実を発見した。その果実の生っている木は高さ5mほどあり、たくさんの枝を横に張り、枝のあちこちからまるでブドウのような房となって、果実が垂れ下がっていた。その木の名前を私は知っていた。その一ヶ月ほど前にも末吉公園を散歩していて、その時、その木に花が咲いていたので、写真を撮って、調べていた。ユーカリフトモモであった。文献に「実は食用となる」とあった。
 黒く熟したユーカリフトモモの実を4個ばかり持ち帰る。早速食べてみる。

 食感はアセローラに似ていて、柔らかくジューシーである。味は甘酸っぱいと言っていい。が、甘さも酸っぱさもアセローラには遠く及ばない。パンチが無いといえばそうなるのだが、酸味がアセローラほどきつくないので、たくさん食える。美味しくは無いが、十分、食用となる。食いながら、「良い物見っけ。」と、私はほくそ笑んだ。
      
      
 記:ガジ丸 2008.9.27 →沖縄の飲食目次


パンノキ

2011年03月28日 | 飲食:果物・菓子

 これ1本で生きていける

 アルバイトのKさんは好奇心旺盛な人である。8月、職場に生っているココヤシの実を収穫して、「食べましょう」と言い、果汁を飲み、胚乳を食べていた。その一ヶ月前にはパンノキの実を収穫して、「食べてみましょう」と言い、その一つを持ち帰った。
 野原や道端に生えている木の実、木の葉、草の実、草の葉については、私も興味を持っている。なので、Kさんが収穫したココナッツを1個、パンノキの実も1個、私も持ち帰って食べてみた。ココナッツについては先日紹介した。今回はパンノキの実。
 
 アルバイトのKさんは好奇心旺盛な人である。一人でアフリカ大陸を旅したとのこと。その時はアフリカのことしか聞かなかったが、おそらく、その他の地域も旅したに違いない。好奇心旺盛な埼玉人は、世界中を旅して今、沖縄に流れ着いている。
 アフリカについては、以前から疑問に思っていることがあった。飢えた人々が多いということをテレビの情報から知っているが、あの広大な大地に作物ができないんだろうか、ということである。で、Kさんに、「アフリカの土壌は畑に不向きなの?」と訊いた。
  「おそらく、飢えは土壌の問題では無く、戦争のせいです。」とのこと。
 「なるほど」と納得する。生命の危険に脅かされている状況下では、畑を耕す余裕も無いわけだ。平和であれば、飢餓という悲惨もほぼ無くなるわけである。

 自然は気まぐれである。たとえ平和になったとしても旱魃や豪雨、暴風などによって飢饉が訪れることもある。昔の沖縄も旱魃や台風によって飢饉という状況になったことがたびたびあったようだ。それを芋(一般的にはサツマイモと言う、オキナワではンム)が救ってくれた。イモは台風に強く、葉も食用になる。
  アフリカの飢餓に苦しむ人々も、耕作する余裕があればイモを植えると良いのだ。イモよりもさらに良い食い物がある。イモは耕したり、植え付けしたり、水遣りしたりなどの手間がかかるが、こちらはさほどの手間は要らない。パンノキの果実。

 『沖縄園芸植物大図鑑』にパンノキの果実について詳しい記述がある。その写真で見るパンノキの実は大きい。子供の顔より大きい。実は直火で焼いて、皮を剥いて、ついて、こねて、パン餅にしている。ココナッツミルクをかけて食べている。
 「パン餅は、とてもおいしく、・・・南海の島々では 最高の味覚だと信じている。」と著者の白井さんは述べている。「実をうすく切ってフライにすると・・・ビールのつまみとしてもじゅうぶんいけます。」ともある。そして、これが最も重要なことだが、「パンノキが1本あれば、1人の1年分の食料はじゅうぶん。」とあった。パンノキがあれば、やれ和牛だ、トロだ、フォアグラだ、キャビアだ、フカヒレだ、などと打ち騒いでいる日本の食卓から見るとずいぶん貧相ではあるが、生きていけるのだ。私は老後は畑を耕しながら生きていこうと思っているが、私の畑にはぜひ、パンノキ1本を植えたい。
 なお、パンノキは品種によって形や色が異なり、種子のあるものとないものがあるとのこと。『沖縄の都市緑化植物図鑑』に、「有核のものは食用にならない」とあった。
      
      
      
 ついでに、職場にはバナナの原種らしきものもある、その写真。
      
      
 記:ガジ丸 2008.9.9 →沖縄の飲食目次


ココナッツ

2011年03月28日 | 飲食:果物・菓子

 名を知る椰子の実

 職場にココヤシの木があって、それに実が付いていた。東南アジアのどこかの国で、子供がココヤシに上って、その実を採って、割って、中の果汁を美味しそうに飲んでいる光景をテレビで何度か見たことがある。私も飲んでみたいと思った。そう思ったのは私だけでは無かった。8月のある日、同僚のSさんが、
 「ヤシの実、黄色くなっていますが、採っていいですか?」と訊く。ココヤシは職場にあり、それにできた果実も所有者は社長である。しかしながら、社長は自然に実ったあまり一般的でない果実を口にすることは苦手みたいである。ということで、職場 にできた果実は社員が勝手に採って、食べてもいいことに暗黙の了解ができている。
 「あー、採れるなら採ってくれ。無理はしないでね。」とSさんに答える。と、3時の休憩時間に、液体の入ったコップをSさんが私に持ってきてくれた。
 「これ、ヤシの果汁です。」と言う。コップには果樹だけで無く氷も入っていたが、その氷を除いたとして約30ミリリットルの量。
 「たったこれだけ?」と訊くと。
 「いえ、これの倍くらいです。皆で飲みました。」とのこと。色はほぼ無色、水と変わらない。飲んでみ る。甘味は少ないが、爽やかな味だ。どこか覚えのある味。
      
 その時、ヤシの実は2個収穫していて、その内の1個を私が持って帰る。3日後の日曜日にそれを処理する。ココナッツと呼ばれる有用な部分は種子である。愛用の鉈をキャンプ道具をしまってある箱から取り出す。もう何年もキャンプをやっていないので、錆が多くついている。洗って、錆を概ね落として、ココヤシの果実を削る。外皮と果肉(といっても繊維質、食い物にはならない)を少しずつ削っていく。削った破片が飛び散る。「後で掃除が大変 だなあ」と思いつつ、続けて、やっと種子らしきものに辿り着く。
 この種子がまた、とても硬い。包丁がまったく立たない。果汁が飛び散らないよう気をつけながら、先っちょの方に「エイッ!」と鉈を振り下ろす。うまい具合に少しだけ割れた。そこから果汁をコップに流し込んで、空になった種子を半分に割る。
 種子の内側についている白いものがココナッツミルクの元となるもの。これを包丁とスプーンを使って剥ぎ取る。簡単には剥がれない。少々時間がかかる。
 その後、飛び散ったヤシ殻を掃除して、ココヤシ の実の処理は終了。
      
      
      
      
      
 『沖縄園芸植物大図鑑』によると、「果実の外果皮はなめらかな革質、中果皮は荒い繊維質、内果皮は黒褐色の固い殻」とあり、それはその通りであった。
 また、「内果皮に包まれるようにして、白い脂肪層がある。それがコプラという有用成分。コプラはその約6割から7割が脂肪でできており、これから石鹸、マーガリン、ろうそくなどが作られる。」とのこと。ココヤシは、樹液からは糖分が採れ、葉はマット、屋根葺き、かご、果実からは繊維が採れ、固い殻は楽器や器に利用され、果汁は飲めて、脂肪分からは石鹸やろうそくなどが作られる。大変有用な植物である。
 果汁は30ミリリットルもあったかどうか、冷蔵庫で冷やして飲んだ。どこか覚えのある味が何だか判った。ポカリスエットなどのスポーツ飲料の味だ。少し甘くて、少ししょっぱい。コプラは、ココナッツミルクにして、タイ風カレーを作った。
      
      
      
      
 
 記:ガジ丸 2008.8.30 →沖縄の飲食目次