これはPTA万年青編集部が企画して、各保護者や教員、その他ご縁のある人に原稿を依頼して、
年3回発行の活動をしています。
僕は色んな保護者の普段見れない目線や優しさ、
その家庭でしか分からないドラマを知ることが出来るこの万年青が大好きなのです。
7年ほど前だっただろうか、
その時も万年青編集部になったばかりだった僕は、
時々真っ白な空ページがあることに気付いて、
巻末に特設ページを作ることを提案しました。
題して「先輩からの手紙」。
その時の第1号が、当時初めて小笠原高校から次世代リーダーシッププログラムに参加となり、
オーストラリアに留学している高校生にEメールで原稿依頼をして、
素晴らしい原稿を仕上げてもらった記憶があるのです。
■今回、なんと編集部でそんな話をしていたら、「じゃあジャイアンの長女がカナダ留学してるんだからピッタリじゃん!」と
逆に言われ、親としては全くの想定外でした(笑)。
例によって締め切りを守るのがあまり得意でないことは分かっていたので、
実際の締め切りより3週間早めに設定し、ようやく仕上げてきた長女の文をここに紹介します。
【“Kwa'layu” コワラユ】
母島のオハナは元気にしているだろうかと、ふと思うときがある。
私はカナダに来てもう三年が経ち、つい二週間前に高校を卒業したばかりだ。
帰ったら話したい楽しい思い出は旧ヘリで望める星の数ほどできたし、辛い思いをすることも勿論あった。
それでもこうして今の私がいるのは、大切な家族はもちろん、ふるさとの島のみなさんのおかげに他ならない。
こんなに遠く離れていても、いつも気にかけてくれている人たちがいると思うと、それだけで胸がいっぱいになる。
私の住んでいる小さな港町は、主にKwakiutl(クワギワ)という先住民族の伝統的な領土だ。
彼らの使う言葉はKwak’wala(クワクワラ)と呼ばれ、今では流暢に話せる人はおよそ200人ほどしかいない、いわば絶滅危惧言語。
先住民族の言葉は英語とは異なり、少し複雑でとても興味深い。
私が学んだKwak’walaの中でもひとつ、この言葉を。Kwa'layu(コワラユ)。
その意味は”You are the reason for every breath that I take”、 訳すると、
あなたは私のつく呼吸ひとつひとつの理由、つまりあなたは私の生きる原動力となる。
これは自分にとって大切な大切な人たちを指すパワフルな言葉で、ネイティブにとっても簡単に口にするような言葉ではない。
でも、私にとってのKwa'layuとは、他の誰でもなく、太平洋の端の小さな島で今これを読んでくれているオハナたちなのだ。
あなたは私の生きる原動力。いつもありがとう、love youずっと!
※オハナ=ハワイ語で血縁を超えた家族を含む、大いなる家族のこと
カナダ、バンクーバー島ポートハーディーにて
■長女の文章となると、親としてはこっ恥ずかしいのですが、
自分が大好きで触れたかったネイティヴの世界にどっぷり浸かれてると思うととても羨ましいです。
バンクバー島のポートハーディーという人口2000人の小さな村に彼女は住んでいます。
人口の60%以上がネイティヴという環境の中で、
先住民の長い歴史は素晴らしい哲学や美しいだけでなく、
アイデンティティを奪われた葛藤や苦悩が今も続いていると
長女から少しだけ聞いていましたし、
それ以上の現実があるのだろうと思います。
そんな最中で3年も過させてもらった長女の紡ぎ出した言葉は、
色んな意味でリアリティを伝えてくれました。
なんという思慮深い目線かと思います。
直接会っていない僕には、なかなか使わっていないであろうニュアンスを
長女は3年という月日で獲得している、そんな気にさせられました。
卒業の年に、
海岸インディアンの象徴ともいえる、
トーテムポールの建設に関わらせてもらったのは、
本当に貴重な経験だったと思います。
そんなPTA広報誌の万年青は島の皆さんの愛の詰まった素晴らしい文集です。
第1号からロース記念館や船客待合所に大切に保管されていますので、
もし興味のある方はぜひ手に取ってご覧になってみてください(^^♪
■コロナに感染して、
10日間の自宅療養を経て、
久しぶりに海に入りました。
「精神と時の部屋」から出てくると、世界はまるで別世界(#^.^#)
まだ全快とは言い難い体調ですが、
それでも海に入っていると、
身体が少しずつ元の調子に戻ってきたのが分かります。
北港では、凄く久しぶりに島に帰って来た顔も見れて、
なんだか時の流れってすごく早いなと思わされました。
あんなに小さかった子供が、もうすっかり立派な大人になっているんだもの!!
そして、夕方には久しぶりの夕陽を見にサンセットシアターへ行きました。
約2週間振りに見る夕陽は、
心の底から「ありがとう!」と思えるような夕陽でした。
当たり前の景色と思っていたけれど、
やっぱりそれは当たり前なんかではなく、
有難いものであるということを再確認しました。
故郷の仙台はきっと今頃七夕で賑わっている事だろうな。
コロナ禍の前みたくはいかないだろうけど。
毎日少しずつ母島でも感染が拡がる新型コロナ。
ワクチンを打たない僕のコロナ感染は、
インフルよりは軽かったけれど、
社会的にはとても影響が大きく、
沢山の分野にご迷惑をおかけしました。
今度はその恩返しをする番です。
できる限りのフォローをしていきます!
感染した時に言われた一言、
「困った時はお互い様ですよ!」
ほんと嬉しかったその一言を、
今度は行動でお返ししていきます!