小笠原諸島・母島ジャイアン ブログ  -GIAN'S HAPPY BLOG-小笠原諸島・母島で自然農&便利屋

小笠原諸島・母島で持続可能な暮らしを目指しています。

その中や暮らしで学んだことを紹介したいと思います♪

東京島嶼間 交換留学ってどお?

2019年12月08日 | 東京宝島
■先日の宝島会議の2次会で、
「子供が大きくなったら母島に留学させてほしい」と伊豆諸島のある島の方に相談されました。
それはお互いにとってとても面白そう!と思い、ぜひ!とお返事しました。

この時はまだ、個人対個人の他離島体験みたいな感覚でした。
しかし、母島に帰って来て、山で仕事していたら突如思いついてしまいました!!

【東京島嶼間 交換留学】というアクションプランはどうだろうか?と。


■数年前、八丈島から来た父島の高校の校長先生と話す機会がありました。
そこで、子どもが島を巣立ってから戻って来ずに、
どんどん過疎化が進む現状。
それを打破すべく、
島に在学する中学や高校のうちに、
一時的に島の外の生活を経験し、
客観的に自分の島を見つめ直すことで、郷土愛に気付き、
“いつかは大好きな島に戻ってくるために内地に勉強しに行きたい”と島に在籍しているうちに考えるきっかけを与えるというものでした。

そう、今までは島を巣立ってから、
どっぷりと内地の社会に飛び込み、揉まれ、流されていくケースが多かった所に着目し、
島に在学中に外から自分の住む島を、外に出ることで客観的に見る機会を得て、
自分の島がこんなにも素晴らしいと自覚し、
意識的に島に戻る目線で内地などの社会に飛び込むというものです。

色んな形の交換留学をやってみたようです。
過疎化や人口流出に苦しむ島のリアルな現状です。

それを始めてから数年。
徐々に島の若者が自意識的に島に戻ってくるようになってきたというのです!


■そう、島で生活をしていると、当たり前の事過ぎて気付かない事が沢山あります。
・夕日が綺麗なこと
・海が綺麗なこと
・クジラやイルカ、魚がいること
・みんなが優しいこと
・治安が良いということ
・車が少ないこと
・子供が大事にされるということ
・コンビニがないということ
・カヌーを漕げるということ
・多年齢で遊べるということ
・周りの大人が信用できるということ
…etc
それらすべてが、島にいる子供にとっては当たり前の日常なのです。

でも、少し外で生活してみると、
その当たり前の日常の有難みに気付くことがあるのです。

現在、カナダで高校留学しているしている長女ですが、
小5に信州・高遠に山村留学
中1にニュージーランドにホームステイ
中2にバリ島のグリーンスクール主催のキャンプに参加、内地の高校見学
中3にカナダの内陸と島訪問、内地の高校見学、ガラパゴスの学生との交流ニューヨークの学生をホームステイで受け入れる
高1にSHIPに参加しハワイ島で高校生と交流
と、意識的に外の経験をさせてきました。(おかげで家計はスッカラカンw)

勉強よりも何よりも生きる力を身に付けて欲しいと願ったからです。
長女は人とのコミュニケーションに長けていて、何よりも思いやりと優しさを持っている。
でもそれは日本の消費社会と学歴社会では評価されない部分だと思ったからです。

運もよく、沢山の素晴らしい出逢いがあり、
本人の努力もあって
長女は中学生のうちに英語はとても達者になることができました。
本当に感謝です。

お蔭さまで今はカナダの島で楽しく過ごす事ができているようです。

ハワイに行って、色々経験し、
長女は最近恥ずかしいと思っていた島の南洋踊りに誇りを持てたそうです。

まだ長女も高1なので、これから社会に生きる身です。
今後の心配は沢山ありますが(笑)、
やはり、島に在籍している中高生の時期に、
外の世界に触れて、過ごすという意味合いは大きいと思うのです。

これはもう確信しています。


■今回の東京宝島SHIP、様々な活動のお蔭で、
伊豆諸島と小笠原が少しずつつながってきています。

観光関係や議員・行政の視察ではなく、
島民同士が島の地域の未来を見据えての交流が始まってきているのです。
参加したメンバーが「これは今までになかった事だ!」と口々に言っていました。

そこに子供の島間の交換留学。
どんなにワクワクすることか!

Facebookで呼びかけてみたら、賛同してくれる東京の島々の仲間が沢山いました♡
まずは無理のない個人同士のレベルでいいから、
少しずつ、島の子ども達の為に実行していければと思うのです。

知り合いが知り合いと紹介で繋がっていく無理のない島嶼交換留学。

今、思っているのは
小学校高学年から高校生までが対象で、
短期~長期で子供たちが自分の島から少しだけ出て生活してみて、
自分の島を子供目線で客観的に見つめ直すというものです。

どうでしょう?
面白くないですか?

子ども達が大海原を羽ばたいて行くイメージです!!

子どもの少ない島から子供を出すのも交換なら、
きっと得られるメリットも大きいはず!(年齢は違ってもいいでしょう!)

もちろん、費用はお互い実費負担が良いと思います。
行政や教育委員会の理解と協力は必要ですが、
なるべく、島のヒト自身が動いてやっていくのがミソな気がするのです。


■子供たちにとっての母島の日常って、他からすれば新鮮過ぎると思うのです。
それは母島の子ども達にとっても、他の島が新鮮であるように。

父島の見送り風景、母島の素朴なものよりダイナミックでとても有名です。
どっちも良さがありますね。
島に留学して、最後にこうして見送られる。
どんな気持ちになるでしょうか?

島で暖かい人と触れ合って、
内地に戻る人にはこれほど感動するフィナーレはないでしょう♪

多くの観光客が感動する見送りですが、
どっぷりその地域に関わって離島する時の見送りは、
全然感動のレベルが違います。

こちらは母島の見送り風景。

クジラののぼりが手で持たれ、
ノリさんによるウォーターアート、
素朴なみんなの見送りです。

父島のそれとは違い、
見送り側と見送られ側が近いのが母島らしさ。

母島の見送り船は年度末の卒業シーズンなど、特別な時にだけ見られます。


ははじま丸の周囲を飛ぶカツオドリだって、
なかなかこの距離では他では見れませんよ?


母島にコンビニおにぎりなんて売ってない。
内地に行くときに妻は美味しいローゼルおにぎりを握ってくれました。


次女も精一杯、お見送りの一品で送ってくれました。(この時は3日後にはトンボ帰りで戻ってくる内地行きだけどw)


お金では買えない、経験というものを島の子ども達にはどんどんさせてあげたいです♪

僕が高校を卒業して、小笠原へ旅に出ようとしていた時、
高校の恩師が
「その土地を離れるとき、自然と涙が溢れるような出逢いをいっぱいしてこいよ!」
と言われました。

今ではその意味がよく分かります。
お金では買えない出逢いという財産です。


■ハワイに島の子どもを連れて行くプログラム「SHIP」でもそうですが、
島の子どもは海で隔絶された「島」という地域性を自然と理解しています。
これは内地の子では身に付けるのが難しい感覚だと思うのです。

大人も子供も生き物も、一つの島で暮らしているという感覚。
それは見えるコンパクトさとも言えるかも知れません。

自分がこれから生きていく上で、
どう島に関わっていくかを学ぶきっかけとして島嶼交換留学があると思うのです。

僕は別に子供が自分の島に戻って来なくていいと思います。
でも島で培った感覚、感性は絶対に生きるのに必要なものだと思うのです。

そして島の子ども達が自然と理解している、
人間らしい暮らしの本質というものを、
ぜひ未来に生きる力にしてほしいのです。

東京の島のみなさん、
ぜひぜひ声を上げて関わってほしいです!

どんどん夢は膨らんでいきます♪
東京の島の子ども達、そんな母島にまずは来てみませんか?

島と島が「つながる」感動。(東京宝島 全体会議)

2019年12月01日 | 東京宝島
■先日、内地に船内2泊、内地1泊の強行でとんぼ返りしてきました。

島を渡るカツオドリの如く、(小笠原諸島のカツオドリはパプアニューギニアで見つかったことがありますw)
内地という大海原で貴重な経験をしてきました。

目的は東京宝島の全体会議(伊豆諸島と小笠原諸島のメンバーが一同に集う会議!!)に出席する為でした。

今回は各島のブランドコンセプトの中間発表と島同士の交流がメインでした。

母島の人口並の人数の前で話す機会というのはありません(笑)。
母島の地域コーディネーターとして発表してきました。
本当に貴重な機会を頂けて、有難い限りです♪

しかも一番遠い母島はプレゼンの順番が最後ということで、
ドキドキしながら臨みました(#^.^#)。

結果的に各島のみんなのヴィジョンも考えもとても面白い、最高の時間でした♪
内容的にはまだ中間発表なので、ここで伝えることは控えますが、
新しいガイドツアーや集える場所づくり、新商品に、新顧客アピールなど
どの島もよく練られた素晴らしいものでした。

そしてそれ以上に、
東京の島々の人間がこうして繋がれたことが本当に嬉しくて、楽しかったです♪




■内地で数百人を前にプレゼンするというのはなかなか無い機会でしたが、
結構反響も良くて、楽しかったです(*^_^*)
※持ち時間10分なのに5分押してごめんなさい!

母島からも島の紹介と、
課題出し、そして来年に行うアクションプランの現時点での中間報告でした。

参加者にとって、あまりにとてもとても遠い小笠原。
航空路がなく、週に1度のアクセスのみなので、来たことがある人はごく少数です。

そんな、なかなか来れない母島を紹介するには、
うってつけの映像があるのです。

それは2016年KWNパナソニックビデオコンテストで最優秀賞を受賞した、
母島の小学生が作った映像です。

「つながる」(英語字幕版)
小学生が脚本、撮影、編集を行ったこの作品、
会場の多くの人が感動してくれました。

大人が作るアカデミックでも、オシャレでもない、
素朴な子供目線の映像は、観る人の心を捉えていました。

「あの映像は泣ける」
「すごく感動した!」
とコメントを頂きました。

あの映像作品を作るにあたって、
色んな方の協力があり、
見事に花が咲いた場面でした♡


■そんな島の紹介をした後に、
「ガジュ下」(ガジュマルの木陰の下)を象徴とした島の魅力を伝えました。

現時点での母島のキャッチコピーです。(まだまだ変わる可能性があります)

【みんなが「らしく」暮らせる、母なる島。】

港の近くの憩いの場「ガジュ下」に行けば、この島のいつもの光景が待っています。
そこにあるガジュマルの木陰には、名もない今日という日を慈しみ、共に過ごす喜びを分かち合う島びとが居ます。
海と空の青さに、遠く目をやる大人たちの傍らで、子どもたちは遊び、
大人たちの言葉の端々にある島への愛を、音楽のように心に刻んでいます。
家族のように支え合い、お互いをねぎらう暮らし。美しい自然の恵みを感じ、食卓に並べるしあわせ。
ここにしかない大自然を、生きとし生けるもの全てが「らしく」を生きるこの島は、
人と人の絆を生み育む、母なる島。そして、人間が「にんげんらしく」暮らし続ける島。
都心から南へ1050キロ。東京から一番遠い島、母島。
大事なことは実はとてもシンプル。私たちの心のふるさとが、ここにあります。


これは住んでいて、母島での生活が当たり前の日常になっている島民にも向けています。
こんなにも素晴らしい所に住んでいるのだから。

その後に島の課題を伝えました。
とてもシビアですが、向き合わなければいけない課題です。

色んな分野で問われていますが、
母島での今の暮らし目線での課題はズバリ、
・地域力が低下してきている
・次世代の人材に不安(数年後の高齢化の気配がある)
・住居不足(住みたいのに家がなくて住めない)
・自立した産業、暮らし
・島っ子が帰ってこれるように(仕事がない)
・島で生まれ、島で死にたい(医療面の課題)
が挙げられると思います。

人口約450人の小さな島だからこその課題だと思います。
幸いにも島の雰囲気が明るく、若い世代の住民が多いこと、子どもが多いことが小笠原の強みです。
戦争で歴史も文化も分断された過去を持つ小笠原だからこそ、
田舎なのに排他的でない、変化を柔軟に受け入れるしなやかさを持っているとも言えます。

そう、小笠原はまさに今、文化を作っている最中だと思うのです。



■先ほどの課題を打破するために、
母島のメンバーで話した現時点でのアクションプランが「みんなが集って話す場を定期的に作る」でした。
これは島の外向けではなく、島外も島内も含めた目線です。

最近は各分野が分かれて話し合う場面が多いと感じるのですが、
みんなが一同に集まって、島の未来について語る場が必要になってきたのです。

【いどばた雑談会の開催】
・テーマ「母島の現在、未来を知り、考え、動く」
・立場や職場、年齢を超えた人が集まり、母島の良さや課題を見つめ直し、語り合う「場」。
・外からの目線や意見、技術で当たり前の良さに気付く事がある。
・目的はあくまでみんなが楽しく語り合う場を作ること。
・他人事から自分事へシフト。

きっかけやアピール、再確認の手段として、
その時の大事なキーワードを羅列したTシャツやエコバックを作るのもいいし、
冊子やSNSなどを利用して、人と人をつなげる。

人の根源に問うような母島にしか出せない宝島発信を島内外にしたいということになりました。

あくまで話し合うことが目標です。
そこが重要なポイントなのだと思います。


最後に母島のまとめとして、

「母島」というカヌーをみんなで漕ぐということ。

色んな人がいて、色んな考えがある。
でも、目的はみんな同じ。
幸せに暮らせるということ。

そのためにできる事を模索していきたい。

島の外と関わる事で気付く母島の魅力がある。
変化を恐れず、自然と人、歴史にリスペクトの気持ちを忘れずに動いていきたいとまとめました。



そして今回の東京宝島全体のトリということで、
全体のまとめもしちゃいました。


【テーマは“つながる”】

東京には宝島が11島もあります。
どれもが個性的です。

自分たちの魅力を可能性を再発見し、これからもっと幸せな未来へつなげる。

今回の東京宝島事業で“つながる”東京の島の人々たち。

これこそが本当の宝物だと思うのです。
このご縁を大切に確かな未来へ進んでいきたい♪

とまとめました。


■その後は一番の醍醐味、懇親会です。
時間が1時間と限られているのが悔しいほど、とても意味のある楽しいひと時でした♪

まず発表の場で最初に目に飛び込んできたのが、
カヌーのお師匠デュークさんから頂いた「TUNAGU Tシャツ」を来ている新島メンバーでした!!

僕のこの宝島におけるテーマが「つまがる」事だったので、
凄く嬉しい瞬間でした♪
早速休憩と懇親会でその方ともお話が出来て、似た志があると分かり最高でした(*^_^*)

1か月前に初めて訪れた式根島。
そこで暖かく受け入れてくれた式根島のメンバーの皆さんとも再会できました。

話に夢中で料理の写真を撮ってないのが悔やまれますが、
島の材料をふんだんに使用した素敵なケータリングの数々。

島酒も存分に用意されておりました。

そんな中、各島の人が絶妙な配置でばらけて交流することができました。
その後も2次会、3次会4次会まで(笑)夜が更けるまで、
島人同志で島の未来について熱く語り合いました。

この島嶼間の交流こそが、宝島事業での一番の醍醐味な気がします。
ここまでのジャンルを問わない交流は久しくなかったと思うのです。

素晴らしい発見と気付きがあって、とても楽しい意味のある時間でした♡
そのうちのひとつについては近いうちにブログに書きますね。


■24時間の船旅で15時に竹芝に到着し、16時に会場入りして(開始が15:30)、
そして夜遅くまで飲んで、翌朝の11時にはまた船に乗って24時間。
移動距離は2100㎞を超えます。

まさに強行スケジュール(笑)。

しかし、そんな中でも感動の場面はあります。

船上での朝6時。
多くの人が朝日を観にデッキに上がって来ます。

内地の忙しい生活に追われている時、
こんな気持ちで朝日を見ることはあるのでしょうか?

小笠原の旅が移動中の船の中から始まっている意味がここにある気がするのです。

ほんと色んな意味で強行でしたがとても実りある弾丸ツアーでした☆
関係者の皆さん、ありがとうございました!!


さあ、みんなで島という大きなカヌーをどう漕いで行くのか?
色んな気持ちはありますが、まずはみんなで漕ぎ出さなければいけません。

今回の宝島のお蔭でまずは漕ぎ出すことを始めれた気がするのです。
目標は決まっています。

今まさにその目標に向けて、どう舵を切るのか、問われているのです☆

初めての式根島 後編(東京宝島スタディツアー③)

2019年11月23日 | 東京宝島
前編より

■式根島の魅力的なスーパー「みやとら」。

訪れた時にまず、お弁当とお惣菜の豊富さに驚きました。

母島ではお目にかかれません。

この商店の活き活きとした感じは新鮮でした。
相当、意欲的に頑張っているのだと思います。

まず気になったお勧めの逸品はみやとらオリジナルの「たたき丸」です。

ご飯をポール状にして揚げてあるのですが、
楽しいのはその中身。

今回は「くさや」「ハムチーズ」「明日葉佃煮」がラインナップ。

これは島のり弁当。

式根島を離れる際にお昼に頂きました。
超おいしかった♪

少しお店の厨房ものぞかせてもらったのですが、
5人くらいの島のメンバーが一生懸命に惣菜やお弁当を作っていました。
ああ、なんて活気がある空間なのだろうと嬉しくなりました(*^_^*)


■今回、僕は今母島の青年会の会長をやらせてもらっているという目線でお話がしたくて、
島の想島会という青年団を立ち上げたJさんとアポを取らせて頂きました。

Jさんは僕が式根島に着いた日は丁度内地に行っており、
翌日に大型船で帰って来ると聞いていたので、お迎えにいきました♪

先々代のおがさわら丸を彷彿とさせる「さるびあ丸」。

週に1度の船が来る小笠原と違い、毎日物資が届く島の暮らし。
全然、違いますね。
面白いです♪

本当にお忙しい中、沢山のお話をさせて頂きました。

なかでも嬉しかったのが式根島で5年目を迎えるという「想島会」のお話でした。

島の歴史の展示がなかったので、試しに集めて場を借りて催してみたり、
島のゴレンジャーのような活動で子ども達と関わり盛り上げていたり、
海岸清掃を自主的になったりと、とても活発でした。

特に重要だなと思ったのが、
『できること(やりたいこと)を、できるときに、できるひとで!』という信念です。

無理なく活動を続けれる秘訣だと思いました。

あとは色んな場面で聞かされていた、歴史ある田舎あるあるですが、
若い人が新しい事を始めようとするときに必ず、先人のプレッシャーや止めが入る排他的な感覚。

これは歴史のある伊豆諸島や沖縄ではよく聞かれる話です。
戦争で歴史が分断されている小笠原ではあまりない部分です。
これは小笠原のある意味大きな武器となっています。

失った文化と歴史の代償として、大きなものだと思います。

式根島もそれに関してはないわけはないのですが、
今は一つ上の式根島出身の世代の人が全面的に信頼してくれ、
応援してくれるという話を聞いて、
僕は感動して涙が出そうでした。



■他にも少しだけ畑作業をお手伝いさせてもらう事が出来ました。
式根島の見た畑は夏野菜は終わっていて、サツマイモと大根ばかり見かけました。

その中で、焼酎の原料となる白いサツマイモ「アメリカ芋」を掘るというので、
少しだけですがお手伝いさせて頂きました。

式根島の土はとても扱いやすい砂に近い地質でした。

これはサツマイモや玉ねぎ、長ネギなどに特に向いている気がしました。

掘った芋やお弁当、休憩のお菓子など、
カラスに狙われるという母島ではあり得ない目線での作業はとても面白かったです。

やはり土地が違えば勝手が違う。
とても面白いものです♪

畑の持ち主のOさんのお店です。

色んな話を聞かせてもらいながら、
あのアメリカ芋で作られた焼酎を拝見しました。

芋を八丈に送って、そちらでお酒を作ってもらっているそうです。

もう一つの島の人気のスーパー池村商店。

島嶼の子どもサッカー大会「愛らんどリーグ」で次女が交流したらしく、挨拶に伺いました。


そこの名物「揚げパン」と「たたきバーガー」。
これは自転車のかごに乗せたまま畑作業をしていて、
見事にカラスに盗られました!!

食べれず悲しんでいたら、
お見送りで頂き、美味しく味わえました♡
ありがとうございましたヽ(^o^)丿


■今回は電動アシスト自転車をレンタルして、
超限られた時間でしたが、島を1週しました。

こちらは妻がお勧めしてくれた神引展望台。
いや~壮大で美しかったです♪

遠くに人が住んでいる島が複数見えるというのは、
こんなにも違う感覚なのですね。


木陰の多い、とても気持ちのいい道です。

所々でシルバー人材での草刈りや道路清掃があり、
挨拶をしたりして島を散策しました。

これは道端に突然現れる「湯加減の穴」

手を入れると暖かい空気があり、島の湯加減を堪能できます♡

僕が行った2019年10月末はその前の台風15号の被害が甚大で、
島の露店の温泉3か所がどれも使えない状況でした。

唯一は入れたのが、室内ですがこちら。

素晴らしい湯加減でした☆

湯船でご一緒した観光できている看護師の方と、
仕事のストレスと現代医療の弊害、
人生の楽しみ方などを話し盛り上がりました(笑)。

また会いたいですね~


また事前の調べて特に気になっていた「まいまいず井戸」です。

こちらは昔、式根島に飲み水が不足していて作られた大事な井戸です。
らせん状に降りて行く道があり、その奥に井戸があるそうですが、
台風15号の倒木で塞がったままでした。

現在は新島から海底パイプラインで水道を式根島に引いているので、
あまり利用はないそうですが、
島にとって、いざというときにとても重要な場所でもあると思いました。


■式根島には小学校と中学校がありました。

こちらが小学校。


こちらが中学校。

母島と2人しかかわらない、子どもの数でした。(小中合わせて40人)

高校生はなんと朝と晩の連絡船「にしき」でお隣の新島に通っていました!!

ちなみに今回はスケジュールの都合で調布から飛行機で新島に着いて、
すぐに連絡船に乗り替えて式根島に渡りました。

20人くらいの小さなおもちゃのような飛行機(笑)に初めて乗りました。

わずか40分で新島に着いてしまう感覚はやはり急ぎ過ぎている感が否めません。
普段から24時間船に乗る感覚が基本にあるので、
これは物足りなかったですね(笑)。

時間をかけて旅をする意味を再確認しました。


謎の火山岩を利用して作られたモアイ像がならぶ場所を抜けて行きました。

新島空港からは40分くらい歩いて、港に向かったのですが、乗り場が超分かりづらかったです(笑)。

ただのプレハブなんですもん(笑)。

島の人に聞くと普通はみんなタクシーやバスを利用するそうですが、
もう時間的にバスはなかったし、
「歩けない事もない」と言われたので、せっかくだし新島の雰囲気も味わいながら歩きました。




■たった1泊でしたがとても濃厚で素晴らしい滞在となりました。
それも前もって人に声をかけてくれたSさん、Yさんのお蔭です。
そして、集まってくれて、沢山の式根島のお話を聞かせてくれた皆さん、本当に有難うございました♪

帰りのジェット船で港に向かうと、皆さんが見送りに来てくれました♡
ありがとうございます☆

お土産に式根島の焼酎を頂き、式根島を後にしました。

温泉があり、食事が美味しく、美しい景色があり、
小規模でアットホームな式根島。

小笠原とは違い、アクセスも容易ですし、長年暮らしが続いてきた歴史もあります。

本当にまた来たい!と思える島でした♪

どうもありがとうございました!



初めての式根島 前編(東京宝島スタディツアー③)

2019年11月22日 | 東京宝島
■あっという間に月日が過ぎ、初めて訪れた式根島に行ったのがもう先月末の話になってしまいました。
現在、僕は38歳ですが、年々月日が経つ速度が速くなっています。

子どもの頃の夏休みが永遠に思えるほど長かったのに、
今はその1月が一瞬で過ぎ去っていく不思議な感覚。

毎日毎日を大切に生きて行きたいですね(笑)。

さてさて、今回東京宝島のスタディーツアーとして、
横浜の「金沢文庫芸術祭」と大森の「場活堂」を訪れ、感激した後にどうしても島で学びたいと思って、今回は式根島を訪問しました。
夕方に着いて、翌日の昼過ぎには出発するという、超短い1泊の強行ツアーでしたが、
行ってみて本当に良かったです♪


ここは式根島の代表的な泊海水浴場。

僕が行ったときはとても泳ぐ気にはなれない寒い日だったけど、凄い綺麗でした☆

ここにGWに新島からデュークさん達のカヌーが入って来たそうです。
妻がそれを迎えて、一緒に乗せてもらったとのこと。

そんな場所に半年後に僕が来た不思議なご縁を感じます。


■式根島は人口約550人。
行政的にはお隣の新島(人口約2000人)と同じ新島村に属しています。

母島も人口約450人、行政的に隣の父島(人口約2000人)と同じ小笠原村に属しています。

おやおや?
こんな似た境遇の島(1行政2島)は東京の中では式根島と母島だけです。

ここに今回式根島を訪れた理由があります。

行政や議会のメインではなくサブとなる島の立ち位置から見えてくる目線と課題。
ここにこれからの母島の大きなヒントがある気がしたのです。

調布から飛行機で新島に渡り、小さな連絡船で式根島の港に入港した時、
ああ大好きな離島に来れたんだなという感覚を思い出しました。

20代の頃、小笠原や沖縄の八重山、家族で奄美や屋久島などを訪れた時の感覚です。

直感的に気に入れる島でした♡


■宿泊は式根島のSさんお勧めの「漁師宿かねやま」。

漁師宿で、旦那さんが漁師さん。
娘さん家族もおり、3世代が住む素敵な宿でした。


綺麗で過ごしやすく、
もう悶絶するほど、料理が美味しかったです♪

・天ぷらの盛り合わせ
・イサキのアクアパッツァ
・キハダマグロのなめろう
・紅イカの丸煮
・カツオのお刺身
・芋団子汁
なんでしょう?この素晴らしすぎる料理のクオリティ。

赤イカの丸煮、ヤバかったです。


カツオの刺身は超久しぶりでした♪

かねやまでは今回事前にお話を聞きたいとアポを取らせてもらっていたSさんと夕食しながらお話しました。
とても多忙で、活発に地域の活動も仕事もされている方です。

もちろん東京宝島も僕と同じく地域コーディネーターとして動いているので、
沢山の参考になるお話が聞けました。

やはり、サブとなる島における葛藤や、
今回宝島で式根島と一緒ではなく、敢えて別に扱ってもらえる意味などが
境遇の似た母島と共通しており、面白かったです。


宿の食堂には沢山の芸能人の色紙が。

TVのない人生を送ってきている僕には、そのほとんどが知らない人ばかり(笑)。

二人だけ知っている人がいました!

観月ありさとにしきのあきら位でした(笑)。

また、式根島出身の若いアーティストとして、人気の「みやかわくん」のポスターやCDが飾ってありました。

武道館公演とは凄いですね!!


朝食も美味しかったです!
ウメイロの塩焼き最高!
やはり和食は落ち着きますね~

宿泊した翌朝の釜の下海岸での朝日は最高でした♡



夜はSさんと丁度式根島に取材に来ていたリトケイのライターさん、式根島の皆さんと懇談会。

島出身、学校の先生、船長、和尚さん、元父島で働いていた方など、
ものすごく多様な方が集まってくれて、沢山の話を聞く事が出来ました。

やっぱり島が好きで大事に思っていて、
これからの島の未来を考えている人の話はとても熱意があり、
似たような気持ちを持っていることが分かったのがとても嬉しかったです♪


■式根島の社協さんにもお話を伺いに行かせて頂きました。

役場に併設された福祉センターがありました。

やはり離島の介護も問題は切実ですね。
小笠原と違い、過疎化が深刻な式根島では、老人ホームが式根島にはなく、
新島にある施設にいかなければいけないとのことでした。

自分が住んだ島で最期を迎えれない現実。
これも母島と同じです。

また、その新島の施設ではスタッフの数も足りておらず、
島外や外国の人材に頼るしかない現実であることも知りました。

どう生まれ、どう死んでいくのかが離島でも重要なテーマだと思うので、
これからも自分たちの住む島でのあり方をみんなで考えて行かなければいけないと思いました。

母島と同じく、お医者さんはひとり。(奥さんが僕と同世代で母島出身w)。

歯医者さんは定期的に内地から来てくれるそうで、
常駐している小笠原の有難みを再確認できました。

式根島も新しく福祉施設が建設される予定があるそうで、
人材確保が課題とされているようです。

うまく進んで行く事を祈るばかりです。


長くなってきたので、続きは後編へ(笑)。
後編は地域の青年団、少しの観光を織り交ぜていますヽ(^o^)丿

後編に続く

場活堂のススメ(東京宝島スタディツアー②)

2019年11月02日 | 東京宝島
■今回の東京宝島事業スタディツアーで、
特に震えるほど面白いと感じたのが「場活堂」でした。
ここまで一つのイベントに参加して感動した記憶は久しくない気がします。

そこで学んだことはとても言葉にしづらいのですが、とても面白く、
島で実施してもかなり面白い成果が生まれると確信できたので、
ここで少し紹介してみたいと思います。


場活堂の代表、泉さんはその類希なるセンスで
各地域や企業などの人のあり方を根底から変えてしまい、
そこの場の人々がそれぞれ自分のセンスを発揮して活躍するきっかけやテクニックを伝えている、最高に面白い方でした♪

泉さんが日本の各地域や企業に出向いてやっていることは、
「イベントを企画する」ことではなく、「人を掘り下げてつなげる」ことだそうです。

島に限らず、多くの人が集まり活動する組織や団体、チームがありますよね。
その図式というのがあって、2種類あるといいます。

ひとつは
「主従の関係」
これは誰かがトップに立ちリーダーシップを発揮する構成です。
今の世の中に溢れている図式ですね。
力関係はまさにピラミッド型と言えます。

それに対してもうひとつは
「共同体の関係」
こちらはその構成するメンバーが対等で、お互いの力関係で成り立つのではなく、
協力関係で成り立つ図式です。
形で言うなら誰もが同じ距離の丸が適当でしょうか。

それらを紐解いていきます。
【主従の関係】は言わばMUST命令の関係性です。
トップとその下には大きなギャップがあります。
しかし、強力なリーダーシップを発揮する人がみんなを引っ張り、
結果を出していきます。
しかし、これはある特定の人に負担が大きくなり、強制力が働いています。
長期的に見ると持続可能でない図式です。
誰かが無理をする構図とも言えます。

それに対して【共同体の関係】はどうでしょう?
こちらは言わばWANT求める関係です。
お互いが自発的に求めて、共感し共鳴し、結果が生まれていきます。
これはやりたい人が勝手にやりたいことを自由に進めていく構図なので、
疲弊する構図ではない事がポイントです。

場活師はこの世の中に溢れる「MUSTの関係」を「WANTの関係」に変えることで、
その場が活き活きとし、勝手に楽しく動いていくと言います。
ここまで聞いて、僕はワクワクが止まりませんでした(笑)♪
そして、それらを変えていくのはある技術があるというのです。


■ここで例え話があります。
①小魚食べないと大きくなれないよ。
②小魚を食べると大きくなれるよ。


どうでしょうか?
この二つは結果として同じことを言っています。
小魚を食べることが成長に繋がると言っているのですが、このふたつの印象はかなり違います。
① は言わばネガティヴ・ワードです。
強制力があり、不安を煽っています。
② は逆にポジティブ・ワードです。
自主性があり、可能性の動きです。
同じことを言うのに、言い方一つでこうも印象が違います。
話し合いの場でみんなが楽しくなる、活き活きするのはどちらでしょうか?

こうした事を意識化して繰り返すことがポイントなのだそうです。
何度も何度も反芻して繰り返すことで、
それはその人の技術になると言います。
それが場活の根底にあるようです。


■人類が今悩まされている昨今。
多くの子供や大人、企業で鬱病が問題となっています。
しかし、これらは太古の昔からあったものではなく、言わば現代病と呼ばれます。

では、それがいつ頃から人類で発生したのか?
それは不安が原因と言われています。
そして、それは何かができてから、それは始まったと場活師は語ります。

わかりますか?
僕は分かりませんでしたが、参加したメンバーが一言「情報?」と呟きました。
そこでピンと来ました。

そう、この世の中に「新聞」という外の情報との関わりが生まれてから、鬱病などの現代病が始まったそうです。
外の情報が沢山はいることになってから、自分たちの暮らしを比較できるようになり、
深刻な不安というものが生まれ、鬱病などが併発するようになったというのです。

今はまさにインターネットやSNSで無限の情報が飛び交う世の中です。
自分が家でTVを持たないことを選んでもう17年になりますが、
それを考えた原因も、よけいな情報に家庭の雰囲気を壊されたくないことから始まったことを思い出しました。

そう、沢山の情報そのものに原因があったというのです。


■場活師は語ります。
世の中は95%の常人と5%の変人で構成されていると(笑)。
その変人が場を活性化するセンスを持ち合わせているというのです。

しかし、その変人は変人が故に周囲から浮いていて、
話を聞いてもらえなかったり、
話をする意欲を無くしていたり。

心当たりがある人は、ビンゴですね(笑)。
すごい可能性を秘めた人です☆

例えば、
一つの難しい事があったとします。
95%の常人はそれに対して「大変」「苦しい」「失敗するかも」など不安をイメージします。
しかし、5%の変人は、「やりがいがある」「達成感を得られる」「成長できる」と考えるのだそうです。
あなたはどちらになりたいですか?

そして、これは意識化して繰り返し、技術となれば身につくというのです。

ここで面白い例え話があります。

あの有名なユニクロの話です。
ある日、ユニクロに問屋から「話があるから来てほしい」と連絡が入ります。
社員は心配し、社長が問屋に出向きます。
そこで問屋はこの価格での取引の限界を伝えます。
他社と比較してもユニクロは安く、継続が難しいと。

会社に帰った社長は社員に伝えます。そして、どう思うか訪ねます。
社員は言いました。
「それは酷い!うちらも頑張ってるのに!頭に来ます!」と。

そこで社長は語ります。
「うん、俺もそう思う。ちょうどいいからこの際、問屋を通さないで自分たちで流通させようと思うんだがどうだろうか?」

社員はみんな賛成だったようです。

大変な改革の後、ユニクロはまたひとつ問題が発生します。
薄利多売になった結果、商品の質が低下し、店舗がユニクロのタグを外して売るようになってしまったそうです。
社員はその現場を目撃し、社長に伝えます。
すると社長はこう言います。
「そりゃ丁度いい!この際、クレーム・キャンペーンを行おう!!
 その中で一番すごいクレームに賞金50万円だ!!」
そこで前人未踏のクレームキャンペーンが始まります。
ユニクロの本社には気が遠くなるほどの無数の手紙の山が積まれます。
社員が言います。
「社長、これだけの手紙にすべて目を通すのですか?気が遠くなります。」
そこで社長は言いました。
「このクレームの手紙の中にかならず何かいい提案があるはずだ。
 それこそが我が社を救うアイディアだと思う。それを見つけよう。」
そしてその提案から生まれたのが、ユニクロの革命的商品「ヒートテック」なのだそうです。


どうでしょうか?
ピンチをチャンスと捉える、まさに5%変人が成せる偉業ですね(笑)。

他にも売り上げが低迷していたコクヨーでの起死回生の話も、
すごく為になりました!!



■これを技術として身に付ける為に、
簡単なワークショップを場活堂で行いました。
これがまたすごく楽しかった(*^_^*)

まず大事なのは、そこの場の人同士がよそよそしい間柄ではうまくいきません。
アウェイの人間関係をホームに変える必要があるというのです。

人は相手が何者か分からないとき、身構え、不安を感じます。
場活堂では、そんなときのテクニックとして、いくつかのオリエンテーションを実施しているようです。
そこで関係が気心の知れたホームになると、その後の対話がだんだんと主従の関係が共同体の関係に変わっていくというのです。

今回はふたつの試みがありました。
①共通項探し
まずは二人一組になります。
そしてお互いの共通項を2つだけ探します。どんな内容でも構いません。
2つ見つかったらメンバーを交代しながら続けます。
僕の場合は「子供の数」「海が好き」「ゲームが好き」「音楽が好き」などでした。

終わってみるとあら不思議。
さっきまで少し緊張していた場の空気が和んでいます。
アイスブレークの効果があったようです。

さらに2つ目の試みです。
②斬新会社員ゲーム
まずは3人ひとチームになります。
Aさんは社長役、BさんCさんは社員役です。
これはチームの誰でも構いません。
これでどんどん交代していきます。

まず何でもいいので会社を決めます。
そして、社員のひとりが社長に向かって言います。
「大変です社長!○○な問題が発生しました!」
○○はアドリブです。
会社にとってのピンチが発生します。
そこで社長は「それ丁度いい!!」と必ず言います。
そして社長はアドリブでその会社のピンチを乗り切る提案をアドリブでします。
その提案に対して、社員は二人とも「さすが社長!!」と言って褒めます。
これの繰り返しです。

※このゲームにはルールがあって、ピンチ発生に関して、
人が死んでしまっただけはどうやっても「それは丁度いい!」にならないので使ってはいけないワードです。


僕はたまたま最初、社長になり考えた会社はサーカスでした(笑)。
社員が言います。
「大変です社長!ライオンが逃げ出しました!」
おお!そう来るか!と思いました。
とっさに「それは丁度いい!」そして考えます。
「最近お客が離れていたから、なんとかライオンを見つけだして、その場で調教師のすごさを見せつけて話題を集めよう!」
社員は言います。
「さすが社長!!」
これは結構気分がいいもんです(笑)。
なにを言っても否定されない安心感。ピンチを楽しめる前提です。
大事なのは内容よりも、肯定する、アイディアを自らひねり出すことであると体感できるのです。

このゲームをすることで、参加者は一気に親近感が湧き、その後の会議や対話でこれまで緊張して生まれなかったアイディアや発言が連発するというものでした♪

これは体験的にすごく面白かったです!
色んなメンバーの面白さを感じれて、
どんどん色んな前向きなものが溢れ出てくるのを感じました☆

アウェイをホームに変えるテクニックはこれか!!と感動すら覚えました。

時間の都合でわずか30分程度しかできなかった、場活体験ワークショップ。
びっくりするほどその場にいたみんながアウェイからホームに変わりました。
もうこれは奇跡の魔法としか思えないほどすごいです。


■この場活師のワークショップは本来もっと時間をかけてやるものなのだそうです。
今回は時間の都合もあり、講義も含めわずか2時間で終わってしまったのですが、
これを島でやってみたらどうかと思うとワクワクします♪
全然通用すると感じてしまったのです!

色んなしがらみや緊張、人間関係で話せなかった人が、
島の未来に向けて話す場でフランクに楽しく話せるとしたら?

もの凄い可能性を感じました♪
一度だまされたと思って体験して欲しいものです。
そしたらどんなものが生まれるのか?
考えただけでワクワクしてきます!

僕はその後飛行機で新島、式根島に渡る予定があったので、
場活師の泉さんに母島に来てくれる約束だけ取り付けて、
もっと話したい、体験したい気持ちをこらえて、その場を後にしました。

こんな楽しい貴重な出会いと体験をさせてもらえて、本当にありがたいです。
宝島のスタディツアーは島の地域力を上げたいというヴィジョンに対して、
見事な提案がされたと思っています。

年々下がっていると感じている島の地域力。
これを根底から覆し、今いる素敵なみんながより島で活き活きと活動できる様に、
押しつけや責任感でなく、それぞれがワクワクして楽しく生きれるようにしていくエッセンスが満載でした♪

そのエリアの変人たち(笑)をより生かし、
目覚めで勝手に動き出してどんどん場が活性化するというやり方。

色んな困難が迫ったとき、
「それは丁度いい!!」と言えること、
なんてカッコいいのだと思います。
発想と気持ちの転換で楽しく乗り切る様はまさに僕が目指す「Master of Life」。

母島みたいな僻地でも全然できると確信を持つほど、
挑戦してみたい場活堂のノウハウ。

どんどん楽しくなる予感にワクワクしてきています☆

前日の金沢文庫の弾さんと繋がって、
より具体的にヴィジョンが鮮明になってきました。

今年の春にハワイに行ってから、
どんどん島の未来へのインスピレーションが沸いて止まりません♪
どもありがとうございました☆

金沢文庫芸術祭との出逢い(東京宝島スタディツアー①)

2019年11月01日 | 東京宝島
■今年度、僕が東京宝島事業の母島の地域コーディネーターに推薦されて、引き受けることになりました。
※東京宝島については後日、まとめをアップします!

そして年間プランの中で、スタディーツアーというものがありました。
母島のアクションプランにとって必要なスタディーをするために、
今回10月28日から10月31日の短い滞在で内地にやってきました。

東京宝島事務局のスタッフが試行錯誤の上に提案してきてくれたスタディーツアーはふたつ。
「金沢文庫芸術祭」と「場活堂」でした。

これがどちらも素晴らしかったのです♪

今日は母島に無事に5日ぶりにスタディツアーを終えて島に帰って来ることができました♪

1夜明けて、あまりに美しい朝日に迎えられ、

島の海の青さと暖かい潮風を感じた時に、

すごく嬉しくて、数日振りの島の心地よさに感動しました☆

内地では
僕だけ半袖、ぎょさん、タイパンツ(周りはジャンパー、コート、パーカーが普通、ダウンまで着ている人がいた!!)のナリですべての工程を済ませました(笑)。

10月末の内地ですら、
肌寒いながらも、大嫌いで窮屈なな靴も靴下も、
暖かくなって間隔が鈍くなる上着も着ることなく過ごせたのは、いい収穫でした(笑)。←完全に浮いていましたがw

博報堂の会議もそのままの成りで、
セキュリティに引っかかった時は笑いましたが、必要なのは情熱だと思う事で乗り切れましたヽ(^o^)丿

内地やおが丸船内でお世話になった皆様、どうもありがとうございました!!
明日は子どもの学芸会!!PTAもやりますよ~~~



■さてさて、話は出発時に戻ります。
おが丸で24時間かけて東京に着いてすぐに横浜の金沢文庫にみんなで向かいました。
金沢文庫芸術祭は3万人の来客数を誇る20年の歴史を持つイベントです。

元々は「アートを通じて、創造の芽を育て、次世代に何かを伝えたい」」という願いを元にスタートしたそうです。
近年は「子どもの未来は地球の未来」をスローガンに実施しているそうです。
それを主催しているダンデザインの弾さんの元でスタディーツアーとなりました。

のっけからキャンディーさんの先住民の言葉から始まり(個人的に大好き)、
沢山の大きな学びがありました。

20年続く子供から市民、プロまでが集う金沢文庫芸術祭。
とても印象深かったのは、
弾さんが何よりも大事にしていることが「バランス」だったということ。
日本語で言う「調和」でしょうか。

父島からの参加者が言った言葉「デザインはバランス」というのが忘れられません。
芸術なんで“偏ってなんぼ”と思っていたので、とても意外だったのです。

島に暮らしていて、
幾度となく色んな場面でバランスを欠いたことで失ったものを感じていたので、
とても胸に響きました。


■他にも沢山の学びがありました。
・人が一人でも感動したら、それは芸術である
・頼まれたことは断らない。大変だけど、それらはすべて学びとなる
・チャレンジし続けることの大切さ
・とにかく続けることで生まれるもの
.....etc

3万人を超えるお客さんを動員する金沢文庫芸術祭。
長年、試行錯誤を繰り返しながらも、自分の使命として活動している弾さんの言葉はとても深く、格好良かったです。

すごくハッキリと、丁寧に話すのは色んな人に伝える側として大事なポイントだと思います。
また会いに来たいし、
特にアート的な要素が大好きな長女にも来てほしいところだなと思いました☆




■まず芸術性の高い、丸みの帯びた建築物がありました。
それを見ただけでワクワクしてきます。

中にはいると子供たちのアート教室や演劇をする舞台があり、
奥には様々なオブジェが立ち並ぶ部屋がありました。

毎週色んな子供たちが通い、絵をはじめ、様々なアートを創作しているそうです。


■弾デザインの弾さんが案内してくれる中、弾さんの母親でもあり、金沢文庫芸術祭の創始者でもあるキャンディーさんが、
色んなネイティヴの話をしてくれました。

その中で、特に伝えたかったのは有名な「虹の戦士」の話。

【地球が病んで
 動物らが姿を
 消しはじめるとき
 まさにそのとき
 みんなを救うために
 虹の戦士たちが
 あらわれる】


ここのアトリエの奥には「虹の戦士」という門がありました。

そこの門をくぐったものは虹の戦士となり、
世界を救っていくというのです。

3.11や今回の台風被害、そして幾度となく繰り返される紛争。

それらを経て、私達は問題を乗り越えて、
世界を平和にしなければいけない使命があると感じました。



■アトリエには存分にアートな空間が広がっていました。

島にもこんな子供たちと芸術に没頭できる空間があるといいなとみんなで言っていました。

四角い無機質な会議室ではいいアイディアが生まれない。
こんないるだけでインスピレーションが湧く空間が島にあったら最高だと言っていました♪
そうだよなぁ、ほんとそう思います。

金沢文庫芸術祭の出店や出演者にはこのイベントの基本理念が伝えられます。
冒頭の「こどもの未来は地球の未来」のスローガンの他に、
交流、自然、発信、伝統、自己実現の基本理念を持っています。

ただ縁日の様に出店を出して儲けるとはわけが違い、
そこに関わる事で色んな大事なメッセージに気付くきっかけがある。
そんな大きな意思を持ったイベントだと思いました。

そしてそれを20年継続するという大きな意味。
「継続は力なり」をまさに表している気がします。

ほんと、素晴らしいみんなに出逢えて感動です♪

貴重な時間をありがとうございました☆