小笠原諸島・母島ジャイアン ブログ  -GIAN'S HAPPY BLOG-小笠原諸島・母島で自然農&便利屋

小笠原諸島・母島で持続可能な暮らしを目指しています。

その中や暮らしで学んだことを紹介したいと思います♪

「タネが消えれば、あなたも消える。」種子法廃止 ~西川芳昭さんを迎えて

2019年02月28日 | 自家採種
■母島は今、カンヒザクラが満開です♪

メジロちゃんが沢山桜の蜜を吸いに集まって来ています(*^_^*)

そんな最中、とても興味深い講演会がありました♪
2018年の4月に廃止された「種子法」についての西川芳昭さんによる講演会でした。

※これはイソフジの種です(父島)。

僕自身、色んな野菜の自家採取をしています。
巷では種子法の廃止に伴い、自家採取ができなくなると警告を発していましたが、
僕自身、その法律を覗いても、それに繋がる理解が全然進みませんでした。

今回、その話が聞けるという事でとても楽しみに会場に向かいました♡


※これはルビーローゼルの種です♪

■結論から言うと、種子法の廃止に伴い、自家採取が禁止されるということはないことが分かりました♪
とりあえず、その部分ですごくホッとしました。

種子法というものは、
米、麦、大豆の安定供給を都道府県に義務付けていた法律だそうです。

だから自家採種に対して、影響のある法律廃止でないことが分かりました。

しかし、まだ安心は禁物です。

「種子法」ではなく「種苗法」にはその自家採取に関わる部分があるらしく、
例えば、野心のある政治家が暴走して種苗法をいじった場合、自家採取が禁止される可能性はあるとのことでした。

※これはローゼルの種

■西川さんの話は様々な外国も渡り歩き、
旅人の目線で農を語れるところに面白さが詰まっていました♡

ここで文字にはできない色んな裏話の宝庫(笑)♪


講演後の懇親会、翌日は畑にも来てもらって、色んなお話を聞かせてもらいました。

農林水産省、国際協力機構、名古屋大学助教授、京都大学の農学部を経て、
龍谷大学経済学部教授でもある彼の話はあまりに面白かったのです。

恐らく、農業系での講演会では過去最高に面白かったです♪

様々な国、文化、フィールドに触れて多様化する目線が、そう思わせてくれたのかも知れません。
無類のネコ好きということもほっこりさせられました(*^_^*)

畑に来て、当たり前にローゼルを知っていて、嬉しかったです♪


■さて、問題の種子法の廃止についてですが、
賛否両論あります。

東北等、米・麦・大豆の生産地では各都道府県でそれを維持する条例が制定されている県もあるようです。
しかし、種子法の廃止によって、全国一律にリザーブしていた大事な穀物の維持管理は、
各地の状況によって分かれてしまっている現状を生んでいるようです。

西川さんのおもいとしては、
「政府が大事な国民の穀物の維持に関するものを放棄した」
が一番の大きな視点だった気がします。

「種子が消えれば、食べ物も消える。そして君も」という言葉があります。
それは国際的ジーンバンク(遺伝資源銀行)の創設に生涯を捧げたベント・スコウマンの言葉です。

確かにそうです。
種子が無ければ人は生きていけません。

除草剤ラウンドアップのモンサント社が種子を牛耳る意味が分かってきます。
種子を制圧すれば、その国の生活を制圧したに等しいのです。

これはモロヘイヤの種です。

1952年に出来た種子法。
国民を飢えさせないという目的で米、麦、大豆の良質な種を安心してすべての農家が使える環境作りを都道府県に担わせていた法律でした。

この法を無くし。公で維持するのではなく、民間に任せる流れはある意味、自由度は増すのですが、
不作の年など何か大きなダメージを伴う年があった時などは脆くなるのが容易に想像できます。

また、そういった農家の次世代の担い手の少なさもかなり問題です。

消費者はただ購入するではなく、
この生産者の切実な状況を知り、それに対してアクションを起こすタイミングに来ていると思います。

日本の自給率は40%を切り、切実な状況なのです。



■種子法に直接は関わらないのですが、色々と問題視される遺伝子組み換えの作物。
これはもう実はかなりの部分に入って来ています。

それは原材料とかではなく、表示されない加工品の原料や家畜の飼料に入ってきているそうです。

モンサント社の遺伝子組み換えの作物を例にとると、
まず、除草剤ラウンドアップに耐性を持った大豆を遺伝子組み換えによって作り出します。

そして、その遺伝子組み換えの大豆を生産者に購入させます。
そこにラウンドアップを撒くと、遺伝子組み換えの大豆以外は枯れてしまいます。
これは大幅に除草の作業を短縮できることを意味しています。

生産者はモンサントから種さえ買えば、除草の手間のいらない楽な大豆作りができるというからくりです。

しかし、自家採取していた以前とは違い、
毎年大量の遺伝子組み換えの種子、除草剤を購入しなければならず、連作障害や地力減退で年々収穫量が減るのは避けられません。

すると種子購入の現金調達に困ります。
するとモンサントは他の農家に切り替えます。
残されたのは作物が出来なくなった広大な圃場と借金が残るだけ。

これが現代の遺伝子組み換え作物が生み出す負の連鎖だと思います。


■西川さんの話を聞いていると、農家の使命の大きさに気付かされます。

当たり前に種を自家採取して維持してく時代から、
種は買う時代になって来ています。

しかし、沖縄では種取祭(タナドゥイ)という名前の祭が残っています。
種を取るという事だけでも祭に成るほど、大事なものであるという意識があったのです。


僕は母島で持続可能な農を目指す身として、
この島の気候や大地に合った種を大事に保存して、生産していこうと強く心に思いました。


モロヘイヤの種取り

2016年11月02日 | 自家採種
■ここのところ天気が続き、新月なので、
ローゼルとモロヘイヤの種取りを行っています。
※新月は種に来るエネルギーが一番ある時期と言われています。

例年まではモロヘイヤは枯れるまで待って、
その後、茎ごと一輪車(ネコ)の台にぶつけて種を取っていました。

しかし、昨年からネズミたちが木が枯れる前に茎を切り、
種を食べる様になってしまいました。
(毒性は大丈夫なのだろうか?)

お蔭で昨年はモロヘイヤの自家採種量がとても少なくなってしまいました。

そこで今年は早い時期からネズミ取りで周囲のネズミを捕獲し(殺鼠剤はまかないので)、
茶色くなった種鞘をハサミで取り、集めることにしました。

さすがジュートとなる繊維作物。
繊維がとてもしっかりしているので、ハサミじゃないと取れません。


鞘を開けると綺麗に種が並んでいます♪
とても美しい自然美なのでうっとりしてしまいます♡


で、ひとまとめにボウルに入れて、


手で握り潰し、鞘と種を分離させます。
袋に入れて足で踏んでも同様の効果が得られます。
僕は乾いたさやが砕けて沢山の種がこぼれる手の感触が好きなので、
直接手で行っています♪


しっかりと底に種が溜まっています。

それを鞘をある程度、手でどかし、
最後に息を吹き付けるか風を利用して、不純物を吹き飛ばします。

すると、

綺麗に種が残ります♪
こうして来年用に種を取る事が出来ました(#^.^#)

生態系が特殊な小笠原に限らず、
どこの地域でも毎年自然環境は同じとは言えないと思います。

その中で作物を作るということは、
毎回、毎年同じでは同じ結果が得られないことが往々にして発生します。
色んな事象に柔軟に対応していかなければならないと感じました!

■大豆も少し取れたので、鞘取り☆


少量ですが、自家製納豆にする予定です♪


そんな事とは関係なく、
次女は背中にぬいぐるみを負ぶって、
大人の自転車を押してスタスタと歩いていく姿を見て、
親は勝手に感心しています(笑)。

作物からも自然からも、
もちろん子供からも教えられてばかりの日々です(笑)☆

それを存分に味わえる感性を育んでいきたいと思う次第であります♪

冬野菜の種蒔きとローゼルの種取り

2015年11月21日 | 自家採種
■自分が色んな場面で色んな想いを馳せている時、
自然は着々と時が流れ、季節が巡っていきます。

畑は冬野菜の作付けで忙しい中、
秋の収穫で頑張ってくれたローゼルの種取りを行いました。

ガクが取れて、乾くとこうして種が覗けます。

島の11月~12月は雨が多く、カビやすいので種取りは気候との勝負。
なんとか晴れ間の3日間を見付けて自家採種します。

いきなりハサミで採ると、反動で種が地面に落ちてしまうので、
僕の場合は器を持って来て、上からトントン叩くと結構受け止めれます。


自家採種のお陰で年々、母島の風土に作物が合ってきていると感じます。

「種は買うもの」から「種はうまれるもの」へのシフト。
自家採種は地域の持続可能な暮らしへの大事な一歩です♪
種取りがうまくいくと心がとても安心するのが解ります。


最近は茎と種をネズミにかじられ始めたので、
ネズミ捕りを再開させました(殺鼠剤は使っていません!)。


■こちらは黒田五寸人参の種です。

この夏、初めて自家採種することができました。

こちらが市販の種。


種の周りの毛が取られています。

調べてみるとニンジンの種の周りの毛は諸説があって、
・発芽抑制物質があり、除去した方が良い
・布袋に入れてもむと取れる
・毛がない方が蒔種しやすい

・この毛で水分を吸収するので、毛は大事
・毛は水を吸ってから取れるので問題なし
・自家採種のは毛があるので発芽率も保存も良い
と両方のコメントがありました(笑)。

なので、両方を試してみることにしました。

大事なのは「まずはやってみること」。
以前、父島の年配の方に言われた言葉を思い出します。


種蒔きした後は足で踏圧をかけた場所と、
籾殻で覆った2種類を試しています。

ニンジンは発芽が特に大事で難しく、
発芽に水分と光が必要なので色んな工夫があります。



こちらは自家採取の島大根の種。
春先にこれもカワラヒワが来てよく食べる種です。
今年も蒔きました♪

こちらは人参と正反対で種は光が来ない程度がいいらしく、ニンジンよりは少し深めに蒔きました。

■こちらはゴボウです。

大浦太ゴボウという短くて太い品種です。
母島は粘土質でゴボウを掘るのも結構大変です!!


そしてゴボウの葉っぱが何者かにやられだしました!!!
ネズミか!?
マイマイか!?
さあどうする!!??

■前シーズンにトマトと混植したバジル。

春先は貴重種のオガサワラカワラヒワが沢山来て、種を食べていました。

花も可憐ですね~

今回は次の作付けの為にみんな収穫してしまいます☆


3歳になるローザビアンカという美しい米ナスです。
連続の台風にも負けずに実ってくれています。


なんと4ヶ月以上も収穫が続いている島オクラ。
これも自家採種の賜物なのかもしれません♪
ぼちぼちこちらも種取りの時期です☆


島にんにくはとても順調です(*^。^*)


■最近、子供達と朝の時間を楽しんでいます。
長女とは一緒にランニング。
次女とはサイクリングとお散歩。

そんな中の景色は格別です♪

やっぱ早起きは三文の得ですね☆