◆今年の秋~冬に母島で不時着したミズナギドリのまとめを報告したいと思います。
2013年はかつてないほどの数のミズナギドリが人の暮らしの明かりに寄せられ不時着しました。(11月21日~12月9日の期間でした)
その数はなんと208羽!
オナガミズナギドリが184羽。
オオミズナギドリが23羽。
シロハラミズナギドリが1羽という結果となりました。
写真で1回り大きい頭の白い個体がオオミズナギドリです。
保護した中で残念なことに命を落としてしまったオナガミズナギドリが11羽、保護して飼養の後無事に飛べたオオミズナギドリが2羽となっています。
光に飛び込む習性があり、特に巣立ち時には、街灯りに迷い、不時着します。
そうすると普段ずっと海の上にいる彼らはすぐに飛び立てない場合も多く、
ネコに喰われてしまったり、車に轢かれたりしまったする危険があります。
鳥獣保護員として、人の暮らしの影響で命を落とす野生の生物の被害を最小限にしようと夜間の回収を実施しました。
沢山の島のみなさんもライトダウンや回収、発見の連絡と協力をして頂きました。
昼間はフィールドや畑で集落に不在の僕に変わって母島観光協会が受け付けて下さいました。
連絡が入るとダンボールを持って直接回収に行ってくれたりしているのです。
お陰さまで未曾有の不時着の数でしたが、大きな被害とならず、数多くのミズナギドリを無事に放鳥することができました。
本当にありがとうございました!
◆母島列島の、オナガミズナギドリは鰹鳥島などの属島や母島本島では南崎等で繁殖・子育てをします。
有人島で現時点で繁殖が確認されているのはとても希なケースのようです。
夏に産卵し、冬にヒナ鳥が巣立ちます。
産卵前には1ヶ月間オスメスが並んで巣穴でぼ~っとする謎の「ハネムーン期」なんてのもあります♪
10m以上も潜って魚やイカを捕食するダイバーのような海鳥です☆
巣立ち直後なので、こんなアフロくんの様に産毛が残っている可愛い個体も数多くいます♪
アフロの他には胸毛くん、モヒカンくん、ヒゲヒゲや股間だけ毛深いマッスル派と随分と楽しませてくれます。
ちなみにこのアフロくんは随分と気性が荒かったので「具志堅用高」と名前が付きました(笑)。
鳴き声は様々ですがこんな鳴き声を記録できました。
まるで子供の玩具のラッパみたいです(笑)。
◆一方、小笠原では年に1羽ほどしか不時着しなかったオオミズナギドリも23羽と多数、不時着しました。
オオミズナギドリは北海道から八重山諸島で繁殖してる大きめなミズナギドリです。
小笠原ではとても珍しく、今年は色んな珍事件を発生させました。
なんと地中のパイプの下にハマっているのを発見なんてのもありました。
伊豆諸島の御蔵島では山中に繁殖し、島の食文化の中にも取り入れられています。
今回は貴重なオオミズナギドリの鳴き声の撮影にも成功しました♪
なんとも変な楽器のような鳴き声です。
今回は様々な事情で2羽ほどすぐに飛べないオオミズナギドリがいて、鳥獣保護員として少しの期間飼養しました。
中でも4日ほど羽の油が少なくて水に浮けなかった個体を放鳥したときは何とも言えない感動がありました。
その子とは放鳥のときには僕の股の下に来るほどの関係になりました(笑)。
そんな可愛いオオミズナギドリも野生化に戻らなければいけません。(実際、海鳥の餌やりはかなり大変です)
放鳥は基本的に砂浜にそっと置いてやり、自分で飛ぶ心の準備が出来てから自ら飛び出します。
多くの日は上に放り投げて舞い上げて飛ばすのをイメージしますが、あの方法は羽の筋肉を痛めてしまったり、うまく飛ばずに地面に激突して怪我してしまったりするので、最後の手段以外はやらないほうがいいようです。
待っていると、気の長い子でも30分位で飛び立ちます。
これはオオミズナギドリの放鳥シーンです。
お散歩中の島民のすぐ横を飛んで沖へと飛んで行きました。
本来は地面からは直接飛び上がれないなどと言われていましたが、200羽近く放鳥してみるとそうでもないように思えます。
うまく軽く飛び上がっていけるようです。
軽い向かい風があるのがベストのようです。
※様々な事故や怪我の可能性もありますので、もしご覧の皆さんが不時着した鳥を保護した場合はその地域の自治体の鳥獣担当者にご連絡下さい。
小笠原の場合は父島はNPO法人小笠原自然文化研究所(通称・アイボ)、母島は母島観光協会か僕まで連絡を下さい。
状態の確認、計測、記録をしてから飛翔可能な個体は放鳥します。
◆島に暮らす人たちにとっても、海鳥が落ちてくるこの時期は季節的なイベントになりつつあります。
特に子供たちの発見力と好奇心はとても素晴らしいです♪
我が家の子供たちも数多くの放鳥を手伝ってくれました。
夜間に回収したミズナギドリはダンボールで朝まで保護します。
数が多い日は15箱以上も並べて放鳥します。
我が家の4歳の次女は初めのうちは調教しそうなほどでした(笑)。
しかし、時々噛み付いてくる気性の激しい個体を見るうちに怖くなって来たらしく、逃げるようになってきました。
これは怖くなって姉の背中に逃げるようになった次女です(笑)。
それでもやはり鳥は大好きらしく、盛んに付いて来ます。
飛んでも海面に降りた個体を心配そうに駆け寄っていったりします。
個体によっては海面上で羽繕いをし直して、ゆっくりして飛ぶ心と体の準備をする子もいます。
最後は自力で飛んでいくのです。
朝の放鳥は子供にとっても楽しいイベントのようです♪
島の子供たちも回収、放鳥と多く関わってくれました。
それぞれ、自分で保護した個体を箱から出して放鳥します。
噛まれるととても痛いので手袋は必須です!
島に来た高校の修学旅行生にも放鳥を見学してもらったりしました。
そんなこんなで今年のミズナギドリも無事に巣立ち期を終えることができました。
こうして少しでも人の暮らしの影響で命を落とす野生動物を減らせたら嬉しいです。
本当にありがとうございました。
また春にはシロハラミズナギドリなど、小型の冬繁殖のミズナギドリが不時着します。
新種として報道された小型の「オガサワラヒメミズナギドリ」の繁殖も冬と言われています。
そんなとても珍しい個体との遭遇の可能性もあるわけです♪
母島で落ちて困っている鳥を見かけたらお気軽に母島観光協会や僕まで連絡を下さい。
よろしくお願いします。
◆ついこないだまでのそんなに遠くない昔、小笠原という海洋島は海鳥の宝庫でした。
そこでは海に流れた栄養は海鳥たちが地上へ戻す循環が形成されていました。
糞や骸へと形を変えて栄養が島の大地へと戻り、豊かな大地となるのです。
人の暮らしの影響で断ち消えたその循環は容易に取り戻せないでしょう。
新たにその循環の中に人の暮らしを経て、真の海洋島の循環が形成されることを願ってやみません。
今回の保護を通してそんな大きないのちの流れも感じさせてくれました。
私たちはその大きな自然の恵みの中で生きている、そんなことを感じさせてくれる島の秋冬の海鳥達の生命の躍動に触れた気がします。
2013年はかつてないほどの数のミズナギドリが人の暮らしの明かりに寄せられ不時着しました。(11月21日~12月9日の期間でした)
その数はなんと208羽!
オナガミズナギドリが184羽。
オオミズナギドリが23羽。
シロハラミズナギドリが1羽という結果となりました。
写真で1回り大きい頭の白い個体がオオミズナギドリです。
保護した中で残念なことに命を落としてしまったオナガミズナギドリが11羽、保護して飼養の後無事に飛べたオオミズナギドリが2羽となっています。
光に飛び込む習性があり、特に巣立ち時には、街灯りに迷い、不時着します。
そうすると普段ずっと海の上にいる彼らはすぐに飛び立てない場合も多く、
ネコに喰われてしまったり、車に轢かれたりしまったする危険があります。
鳥獣保護員として、人の暮らしの影響で命を落とす野生の生物の被害を最小限にしようと夜間の回収を実施しました。
沢山の島のみなさんもライトダウンや回収、発見の連絡と協力をして頂きました。
昼間はフィールドや畑で集落に不在の僕に変わって母島観光協会が受け付けて下さいました。
連絡が入るとダンボールを持って直接回収に行ってくれたりしているのです。
お陰さまで未曾有の不時着の数でしたが、大きな被害とならず、数多くのミズナギドリを無事に放鳥することができました。
本当にありがとうございました!
◆母島列島の、オナガミズナギドリは鰹鳥島などの属島や母島本島では南崎等で繁殖・子育てをします。
有人島で現時点で繁殖が確認されているのはとても希なケースのようです。
夏に産卵し、冬にヒナ鳥が巣立ちます。
産卵前には1ヶ月間オスメスが並んで巣穴でぼ~っとする謎の「ハネムーン期」なんてのもあります♪
10m以上も潜って魚やイカを捕食するダイバーのような海鳥です☆
巣立ち直後なので、こんなアフロくんの様に産毛が残っている可愛い個体も数多くいます♪
アフロの他には胸毛くん、モヒカンくん、ヒゲヒゲや股間だけ毛深いマッスル派と随分と楽しませてくれます。
ちなみにこのアフロくんは随分と気性が荒かったので「具志堅用高」と名前が付きました(笑)。
鳴き声は様々ですがこんな鳴き声を記録できました。
まるで子供の玩具のラッパみたいです(笑)。
◆一方、小笠原では年に1羽ほどしか不時着しなかったオオミズナギドリも23羽と多数、不時着しました。
オオミズナギドリは北海道から八重山諸島で繁殖してる大きめなミズナギドリです。
小笠原ではとても珍しく、今年は色んな珍事件を発生させました。
なんと地中のパイプの下にハマっているのを発見なんてのもありました。
伊豆諸島の御蔵島では山中に繁殖し、島の食文化の中にも取り入れられています。
今回は貴重なオオミズナギドリの鳴き声の撮影にも成功しました♪
なんとも変な楽器のような鳴き声です。
今回は様々な事情で2羽ほどすぐに飛べないオオミズナギドリがいて、鳥獣保護員として少しの期間飼養しました。
中でも4日ほど羽の油が少なくて水に浮けなかった個体を放鳥したときは何とも言えない感動がありました。
その子とは放鳥のときには僕の股の下に来るほどの関係になりました(笑)。
そんな可愛いオオミズナギドリも野生化に戻らなければいけません。(実際、海鳥の餌やりはかなり大変です)
放鳥は基本的に砂浜にそっと置いてやり、自分で飛ぶ心の準備が出来てから自ら飛び出します。
多くの日は上に放り投げて舞い上げて飛ばすのをイメージしますが、あの方法は羽の筋肉を痛めてしまったり、うまく飛ばずに地面に激突して怪我してしまったりするので、最後の手段以外はやらないほうがいいようです。
待っていると、気の長い子でも30分位で飛び立ちます。
これはオオミズナギドリの放鳥シーンです。
お散歩中の島民のすぐ横を飛んで沖へと飛んで行きました。
本来は地面からは直接飛び上がれないなどと言われていましたが、200羽近く放鳥してみるとそうでもないように思えます。
うまく軽く飛び上がっていけるようです。
軽い向かい風があるのがベストのようです。
※様々な事故や怪我の可能性もありますので、もしご覧の皆さんが不時着した鳥を保護した場合はその地域の自治体の鳥獣担当者にご連絡下さい。
小笠原の場合は父島はNPO法人小笠原自然文化研究所(通称・アイボ)、母島は母島観光協会か僕まで連絡を下さい。
状態の確認、計測、記録をしてから飛翔可能な個体は放鳥します。
◆島に暮らす人たちにとっても、海鳥が落ちてくるこの時期は季節的なイベントになりつつあります。
特に子供たちの発見力と好奇心はとても素晴らしいです♪
我が家の子供たちも数多くの放鳥を手伝ってくれました。
夜間に回収したミズナギドリはダンボールで朝まで保護します。
数が多い日は15箱以上も並べて放鳥します。
我が家の4歳の次女は初めのうちは調教しそうなほどでした(笑)。
しかし、時々噛み付いてくる気性の激しい個体を見るうちに怖くなって来たらしく、逃げるようになってきました。
これは怖くなって姉の背中に逃げるようになった次女です(笑)。
それでもやはり鳥は大好きらしく、盛んに付いて来ます。
飛んでも海面に降りた個体を心配そうに駆け寄っていったりします。
個体によっては海面上で羽繕いをし直して、ゆっくりして飛ぶ心と体の準備をする子もいます。
最後は自力で飛んでいくのです。
朝の放鳥は子供にとっても楽しいイベントのようです♪
島の子供たちも回収、放鳥と多く関わってくれました。
それぞれ、自分で保護した個体を箱から出して放鳥します。
噛まれるととても痛いので手袋は必須です!
島に来た高校の修学旅行生にも放鳥を見学してもらったりしました。
そんなこんなで今年のミズナギドリも無事に巣立ち期を終えることができました。
こうして少しでも人の暮らしの影響で命を落とす野生動物を減らせたら嬉しいです。
本当にありがとうございました。
また春にはシロハラミズナギドリなど、小型の冬繁殖のミズナギドリが不時着します。
新種として報道された小型の「オガサワラヒメミズナギドリ」の繁殖も冬と言われています。
そんなとても珍しい個体との遭遇の可能性もあるわけです♪
母島で落ちて困っている鳥を見かけたらお気軽に母島観光協会や僕まで連絡を下さい。
よろしくお願いします。
◆ついこないだまでのそんなに遠くない昔、小笠原という海洋島は海鳥の宝庫でした。
そこでは海に流れた栄養は海鳥たちが地上へ戻す循環が形成されていました。
糞や骸へと形を変えて栄養が島の大地へと戻り、豊かな大地となるのです。
人の暮らしの影響で断ち消えたその循環は容易に取り戻せないでしょう。
新たにその循環の中に人の暮らしを経て、真の海洋島の循環が形成されることを願ってやみません。
今回の保護を通してそんな大きないのちの流れも感じさせてくれました。
私たちはその大きな自然の恵みの中で生きている、そんなことを感じさせてくれる島の秋冬の海鳥達の生命の躍動に触れた気がします。