世界の食料価格が1%上昇するごとに、1千万人が「極度の貧困」に陥るとされていることを知った。
極度の貧困とは1日1.9㌦(約250円)未満で暮らす場合を指しているらしく、報道された世界銀行の試算では極度の貧困層は7億人弱とされている。現在の世界人口は約80億人であることから、ほぼ1%が極度の貧困層に当ることになる。250円を日本で考えれば、コンビニのおにぎり2個に相当するので生命を維持するのも困難なように思えるが、貨幣価値の異なる国にあっては少し状況が違うのかもしれない。
賃金と食費の関係を端的に示す場合、世界展開するマクドナルド価格を指標として利用する場合があるのでネットで調べてみると、1位スイス(804円)、33位日本(390円)、57位ロシア(201円)となっていた。このことから見ると、全世界一律に1.9㌦をボーダーとするのは無理があると思うので、もう少し調べてみた。
前述の世界銀行の統計は、1990年に非政府研究グループと世界銀行が、世界各国の物価データを基に割り出した「購買力平価(PPP)」により設定するもので、1990年の設定時には1日1ドとされていたが、2005年に1日1.25㌦に、2015年からは1日1.90㌦にそれぞれ変更されている。
また、国連開発計画(UNDP)も貧困を示す指標を持っており、こちらは「保健、教育、所得(生活水準)」という人間開発指数(HDI)の3つの要素を加味したもので「多次元貧困指数(MPI)」と呼ばれており、世界銀行の指数よりも、世帯レベルで複数の形態の貧困がどの程度重なり合っているかをより鮮明に表すとものされている。この多次元貧困指数で貧困とされているのは「MPI貧困層」と呼ばれ、現在では13億人で、ほぼ半数(6億6,300万人)は子供で、さらに4億2,800万人が10歳未満となっていた。
日本でよく使用されるのは、国連開発計画の多次元貧困指数に近い「相対的貧困率で、総務省「全国消費実態調査」と厚生労働省「国民生活基礎調査」で示されているが、算出方法は難解でとても理解できるものでは無いと匙を投げた。大まかには、所得150万円未満の世帯割合は、国民生活基礎調査では12.8%、全国消費実態調査では7.2%という数字を見つけて納得することとした。
日本政府は年収150万円未満を貧困のボーダーーとしているように思えるので、自分は何とか貧困層にはカウントされていないのかと安堵したが、よくよく考えてみると、税や各種保険の減免等を考えると、実質的には自分も貧困層と同程度の遣り繰り家計位置に立っていることに気付いた。
「こりゃぁ、スロットやお絵描きなどにうつつを抜かしている場合ではないぞ」と愕然!。