もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

参院選公示迫る

2022年06月21日 | 社会・政治問題

 明22日に参院選が公示される。

 現在のところ、改選125名に対して540名弱の立候補が見込まれるが、無風選挙とは言えない様相を呈して、これまでの選挙戦術が通用しなくなる契機となる国政選挙になるのではと思っている。
 今回選挙の争点は、憲法改正、安全保障(対GDP2%防衛費)、物価対策であると思うが、それらに対する選挙戦術を考えてみた。
 従来の国政選挙では、主面切って憲法改正を主張するのは維新くらいで、憲法改正を主導すべき自民党にあっても党の公約に掲げた憲法改正を訴えるのは、当選が確実視される一部議員に限られ、革新色の強い選挙区で戦う自民党候補者は、選挙ポスターから憲法に拘わる記述を削除したり街頭演説でも憲法問題は封印する戦術を採るケースが多いと報じられていた。しかしながら、ウクライナ事変を契機とした世界情勢の激変に触発されて覚醒した有権者は、これまでのように憲法を直視しない鵺的候補者に対しては懐疑的な目を向けるように変化しているのではないだろうか。
 安全保障に関しては、ウクライナ事変によって専守防衛が本土決戦で、内実は劈頭における一般市民の少なからぬ犠牲を余儀なくされる戦略であることが示され、国民の意識も大きく変化したと思っている。反撃能力を持たない戦力は抑止力として働かない現実を目の当たりにした有権者は、徒な1%堅持論には共感しないように思える。
 景気対策のうち、一部政党が掲げる時限的な5%への消費減税にあっても、提唱者の立民泉代表すら認める(口ごもる)ように次世代への負担先送りに他ならないように思える。

 憲法論議の封印、従来の専守防衛戦略堅持、小手先の景気対策等の多くが、次世代への負担先送りに過ぎないことが理解されつつある現状では、これまでのように国民に負担を求めずに、あれもこれも差し上げますという選挙戦術では有権者の心を掴むに至らないように思える。
 かって、毛沢東率いる中国共産党は、「ズボンをはけなくても核兵器を」をスローガンに掲げ、紆余曲折はあったものの中華覇権を唱え得る中国建設の礎を築いた。
 諸事に停滞する日本にあっても、正面切って国民の負担増を求めるとともに、国民負担によって生まれる未来像を明示する選挙戦術に変化しなければならない時代になっているように思っているが、果たして各候補者の選挙運動や如何に。