中国コロナに因る死者が37,965人(累計、2022.07.24現在)と統計されている。
数字に疎い自分は、約4万人という死者がどのようなものか実感できないので、過去の厄災の記録を調べてみた。
近代日本初の外征である日清戦争では、軍人・軍属の戦死1,132、戦傷死285、病死11,894、戦傷病3,758、合計13,488人(参謀本部「日清戦史」)となっており、既にコロナ死者は)日清戦争の被害を超えている。
市民・非戦闘員の多くが犠牲となった大東亜戦争の無差別空襲被害では562,708人が犠牲となり大規模な東京大空襲(116,959人)、原爆被害者(広島262,425人、長崎75,380人)を除いても全国で10,7944人が亡くなっているが、中国コロナの県別死者数は既に12府県で空襲被害を超え、コロナ禍がこのままで推移するならば、都道府県の半数近くが大東亜戦争の空襲被害を超える事態も考えられるように思える。
某議員の表現を借りるならば、コロナ禍に依る犠牲者の多くが生産性のない高齢者であるので国家的損失は少ないようにも思えるが、3年間弱で4万人という犠牲者は今更ながらに未曽有の災害であるように思う。
政府は、感染者の「全数把握」に関して、全国一律ではなく都道府県の判断で高齢者等に限定できる制度に改めることや、中国コロナをインフルエンザと同様の5類に格下げすることを検討中とされる。
既に「全数把握」を止めた先進国も多いとされ、医学関係者からも全数把握が労多くして得るものは少ないとする声が高いようであるが、市の公報で感染状態を眺めて行動自粛の指標としている身としては残念な思いがする。5類への格下げに関しても、ワクチン接種が有料となって貧者の身には痛打となること必至に思える。
コロナ第6波が小康状態となった頃、識者は第7波の到来を予想していたにも拘わらず、世論から行動制限の撤廃等を求める声が高くなって「国民のコロナ疲れに依る厭戦気分」が問題視されたが、今回の政府検討の様相を眺めると、政府も厭戦に靡くとともに財政的にも負担に耐えられねくなったのではと懸念している。