アメリカで新政党「前進党」の旗揚げ集会が報じられた。
アメリカには共和党・民主党以外にも50近い小政党が存在しているが、上下院の議席を見ても上院に2名の無所属議員がいる以外は、全て民主・共和党とされているので、小政党は議席を持っていないようである。
アメリカの政党は他国の政党と比較して非常に緩やかで、民主・共和党にも党首はおろか綱領も存在しないと理解している。そのため、日本のような議員に対する党議拘束なども存在せず、議員は個人の信条に従って活動するために多数党の提出した法案が否決されるというようなケースも茶飯事である。
今回の前進党の旗揚げに注目したのは、同党のスローガンが「左でも右でもない。前へ」であると報じられたからである。事実、旗揚げ集会には民主・共和党の重鎮も名を連らねており、2大政党の確執にうんざりした無党派層にとっては「干天の慈雨」的出現かとも考えられる。
Wikipediaによるアメリカ有権者の政党別登録者数は、7200万人が民主党、5500万人が共和党、4200万人が無所属もしくは小政党とされているが、今回旗揚げした前進党は他の小政党より抜きんでた存在となるのか興味が持たれる。
自分もこれまでは2大政党が時宜に応じて政権を握ることが民主主義国家にとって望ましいと考えてきたが、その前提は2大政党が国益に沿って行動する・国民に奉仕することでは一致しており、若干の振り幅はあるにせよ外交と国防については、いずれの政党が政権についてもそれが損なわれないことが重要と考えてきた。近年のアメリカを眺めると、カマラ・ハリス副大統領や、ナンシー・ペロシ下院議長に代表される急進左派とトランプ右派の確執は抜き差しならぬ局面に及んだように思える。さらに、ほぼ対極に位置する両陣営の泥仕合は必然的に国民の分断・衝突をますます尖鋭化させているように思える。しかしながら、アメリカの救いは大東亜戦争や9.11テロの例が示すように、アメリカが攻撃された場合には、確執を捨ててアメリカの旗の下に強固に団結するという歴史を持っていることである。
前進党が掲げた「左でも右でもない。前へ」は、アメリカ社会の回復・改善に説得力を持つものであろうが、このスローガンをアメリカ以上に必要としているのは日本ではないだろうか。
インド・太平洋戦略で世界的潮流を創出した指導力に対する国葬を、経費・統一教会・モリカケ桜の小市民的次元で矮小化して政局に利用する、小姑的な嫉みと後ろ向きは、世論を「左に」「後に」誘導する試み以外の何もでもないように思える。
以上のことから、アメリカでの前進党の旗揚げと日本における維新の台頭・急進は同根であるようにも思える。
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