もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

空自音楽会の中止に思う

2025年01月30日 | 防衛
 那覇市内の小学校で予定されていたPTA主催の空自音楽隊の演奏会が県教組織支部の抗議によって中止されたと報じられた。
 抗議は「教育の中立性を損なう」や「軍事組織に対して否定的な感情を抱く家庭が少なくない」等を挙げているが、教組自体の左傾や諸々の家庭の総和であるPTAが計画した音楽会であることを思えば、論拠を欠くものに思われる。
 沖縄県の市長からオール沖縄系が全滅したことによる焦燥感によるものであるかもしれないが、徐々に攻撃対象を増やす遣り方は中国共産党や韓国左派の常套であり、共産党の統一戦術であるのかもと邪推している。閑話休題
 地上戦を経験している沖縄県を除いて、反戦・反軍は如何にして伝播したのかを考えるが、あくまでまで自分の限られた経験と独善である。
 自分が高校生であった昭和30年代、すなわち戦争(戦闘)経験者が社会の中核を占めていた頃は、伴淳三郎主演の映画「二等兵物語シリーズ」がヒットしていた。観客には従軍経験者層も多かったが、映画を楽しんでそこには軍への拒否反応などは感じ取れなかった。今にして思えば、国家に青春を奉げた当時を懐かしむクラス会的雰囲気ではなかったであろうか。
 1959(昭和34)年、松竹映画「人間の条件」6部作が順次公開されて以降、徐々に戦争・軍人=悪の図式が出来上がって、娯楽映画でも主人公(国民)=被害者的な作品しか作られなくなったように思っている。
 このことは、戦争経験者の減少と戦後教育で戦争を単なる知識と観念的にしか捉えられない世代の発言力が増していくことと反比例的相関にあるように思える。
 終戦以降80年、反軍・反戦・反日本帝国を標榜する左派が有権者の選択で政権の座にあったのは、片山(10か月)、細川・羽田・村山(2年9か月)、鳩山・菅・野田(3年1ヶ月)で、合計しても6年半にしかならない。加えて、それらの何れもが何らかの混乱や国益損傷を引き起こしてさえいるのに拘わらず、マス・メディアはおろかエンタメでさえ反戦・反軍が日本の国是であると喧伝するかの論調・作品は敵基地攻撃能力整備を許容する世間(有権者の投票行動)とは聊かに乖離しているようにさえ感じる。
(参考) 人間の条件(原作:五味川純平、監督:小林正樹、脚本:松山善三・小林正樹、出演:仲代達矢・新珠三千代・佐田啓二)。ネットでは松竹映画とされているが、自分はこれまで新興の新東宝が社運を賭けて制作したものと思っていた。

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