もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

ヨルダンに駐在武官

2015年02月03日 | 社会・政治問題

 ヨルダンに防衛駐在官(駐在武官)の配備が計画されている。

 軍事情報については、情報の入手・弁別について専門家が必要で、駐在官の配備は望ましいことである。在外公館の内部事情には疎いため憶測の域を出ないが、収集した情報の本国送付について大公使が介在することは無いのであろうか。電報による報告ついては、発信に大公使の決裁が必要なことは当然であろうし、その際、防衛駐在官の判断より大公使(外務官僚)の判断が優先されるならば、情報自体の価値が損なわれてしまうおそれがある。また、大公使の資質についても疑問がある。1993年にカンボディアPKOに参加した際、補給拠点であるシンガポールに寄港し在大使に表敬訪問した指揮官に対し、大使が『これから、どちらに向かわれますか?』と質問したとのことである。国論を二分するほどの情勢下の国策に従って任地に赴こうとする部隊に対するには、あまりに無礼な発言で、外務官僚の尊大さを見せつけるパフォーマンスに呆れたものである。防衛駐在官の身分は「外務省に出向した自衛官」であるため、当然ながら人事監督権は外務省が保有しており、在ソ連防衛駐在官のスパイ疑惑時の外務省の「対応のまずさ」の再来も予想される。

 大公使も、情報に価値を与えるのは出先ではなく最終的な集約段階で評価するとの認識を持って、外務省も自己の評価を加えることなく、防衛駐在官の収集した情報が生のままま行かされることを祈るものである。


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