もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

塩釜市職員の懲戒免職に思う

2021年09月27日 | 社会・政治問題

 宮城県塩釜市が、382日間にわたって無断欠勤した20代の女性主事を懲戒免職処分にしたことが報じられた。

 報道によると、免職された主事は2019年12月から昨年8月末まで病気による休暇や休職を取得していたものの、9月以降は診断書が提出されなかったために、市は再三にわたり受診を勧めたり診断書の提出を求めたりしてきたが、応じなかったとされている。
 報道からは、主事が何らかの病気であったことや、周囲も何とかして主事を復職させる等の保護に努めたことは窺い知れるが、無断欠勤が1年以上にも及ぶのは些か異常に思える。
 市長は「公務員の信頼を損ねる行為で、市民の皆様に深くおわびします」とコメントするとともに、この間に支払われた給与の返還を求めるとしているが、問題は金銭ではなく市の人事管理の問題であるように思える。
 調べた限り地方公務員の階級は、学歴等によって異なるが、主事(18~30歳?)→主任→主査→副主幹/係長・・・が一般的なようであるので、20代主事といえば就職して間もない存在かと思えるが、組織のルールを守れない人は、早期に離職させてもっと穏やかなルールで生きていける別の道を選択させる方が本人のためでもあるのではないだろうか。
 現在の対応は知らないが20年以上前の自分の経験から海上自衛官の無断欠勤を考えれば、所在が明らかなまま無断欠勤する隊員はいなかったように思う。対人関係や艦内生活に馴染めずに、なおかつ退職の意思表示ができない隊員もいるが、彼等は概ね上陸して帰艦せずに所在不明となるケースが殆どである。上司は親元等に連絡して所在の確認に努めるが所在を親に連絡しているケースは希で、上司も知らない入隊前の友人・知己を頼っている場合が多い。艦では、概ね1週間程度は親からの連絡や本人の自主的帰艦を待ち、その間に帰艦した場合は罪一等を減じて依願退職することとなるが、帰艦しない場合には人事を陸上の担任部隊に移管する。その後の処遇については経験していないが、事由発生から30日程度経過した時点で懲戒免職とされたようである。

 近年、疾病それも心因性疾患に伴う無断欠勤者の存在が報じられることが多く、それ等を一様に懲戒免職と即断することは弱者抑圧とも捉えられかねないので、解決に長期間を要することになるのだろうが、本人や人事管理者の心労・労苦を考えれば早期に決断・処理することも必要であるように思う。
 塩釜市にも職員の分限規定はあると思うが、局外者の目で言わせてもらえれば、相応の酌量を越えた時点での厳格な分限適用が組織として必要であったのではないだろうか。


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2 コメント

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無断欠勤 (onecat01)
2021-09-27 22:50:07
 管理人殿

 無断欠勤382日間といえば、一年以上です。私のこれまでの経験からは、考えられないようなことが、最近の組織では生じています。

 こういう人はやはり、最近流行りの病気なのでしょうか。私も長く会社勤めをしてきましたが、一日、二日でも、無断欠勤する社員はいませんでした。

 こんなに長く無断欠勤をそのままにしているというのは、役所の組織にも、何か問題があるような気がします。

 不思議でなりません。もしかすると、自分の方が時代遅れの人間になっているのだろうかと、そんな気にもさせられる事件です。ただ驚いています。
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遅くなりました (管理人)
2021-09-28 07:53:41
onecat01様
自分も時代遅れかとも思いますが。
弱者保護は必要と思いますが、組織の目標・目的まで蔑ろにするものであってはならないと思います。
相応の猶予・酌量をしても改善されない職員に対しては、厳格に対処する必要があったように思います。
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