ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

雇用崩壊:障害者に迫る不況 下請け施設、受注激減 自立経営組、アップも /岩手

2009年02月10日 00時43分30秒 | 障害者の自立
 ◇工賃減、月額元の1~3割に
 景気悪化の波が障害者施設にも迫っている。県内各施設が障害者の工賃倍増計画に取り組む中、工場からの下請け作業を主とする施設は受注が減少し、そうでない施設との間で明暗の差が浮き彫りになってきた。専門家は物品販売やサービスの提供など、自立した経営への転換を指摘する。

 盛岡市の「盛岡アビリティーセンター」には身体障害者など約25人が通う。施設全体の売上高の7~8割を占めるのが、自動車関連部品や家電関連部品のプラスチック射出成型だ。昨年4月の月間売上高は25万9000円だったが、10月以降は激減。12月は9万9000円にまで落ち込んだ。

 「昨年12月に突然発注をキャンセルされ、発注元から借りていた成型用の機械も引き揚げられた。ここまで影響するとは予測していなかった」。工藤雅夫所長は困惑顔だ。通所者に払う工賃月額は、昨年4月が約1万円だったが、12月には約1000~3000円に。緊急措置として今月、計10万円を通所者に分配する方針だ。

 「企業が外部発注してきた作業を自社で賄い始めた影響だろう」。こう話すのは岩手町の「働く我らの家」の上澤忠晴授産部長。知的障害者らが通所して自動車やテレビの精密部品の検査などを請け負うが、受注量は昨年11月を境に10分の1に激減。昨年度の工賃月額は県平均の2倍以上の3万円超だったが、上澤部長は「今年度以降、さらに厳しさが増すだろう」と心配する。

 一方で、知的障害者らが通う一関市の「室蓬館」では、今年度の売上高を3800万円(前年度比600万円増)と見込む。主流はパンや自家焙煎(ばいせん)コーヒーなどの製造販売。07年度に県派遣の経営コンサルタントから助言を受け、販路開拓や商品開発に取り組んだ。

 その結果、小麦やバターなど主原料の価格高騰に売り上げを圧迫されながらも、年度末の工賃月額は年度当初より1040円アップの2万240円を実現した。

 県立大学社会福祉学部の宮城好郎准教授(経営学)は「下請けをメーンでやっている限り、自立的な経営は難しい」と指摘する。「自立度の高さなどを考慮すると一概に言えないが、工賃引き上げを実現するなら消費者ニーズに応えるサービスでなければ厳しい。景気悪化を転換期ととらえ、事業を抜本的に変えていくことも必要ではないか」と話している。

    ◇

 県によると、作業所などで働いた障害者が得る平均工賃月額は平均1万3848円(06年度)。県は「県障害者工賃倍増5カ年計画」で11年度までに2万7700円に引き上げる方針を示し、事業所への経営コンサルタント派遣などに取り組むが、07年度実績は1万4881円で、目標の1万5700円には達していない。


絵筆に託す意志の強さ 世界障害者絵画展

2009年02月10日 00時42分19秒 | 障害者の自立
 事故や病気で両腕が不自由になった障害者が口や足で描いた作品を集めた「世界障害者絵画展」(三菱電機ビルテクノサービス主催)が、奈良市の県文化会館で8日まで開かれている。入場無料。

 障害者らでつくる「口と足で描く芸術家協会」会員で、日本や中国、イギリス、アルゼンチンなど17か国43人の油絵やアクリル画など50点を展示。色鮮やかなニシキゴイを描いた「鯉」や、かやぶき屋根のカヤの一本ずつまで緻密(ちみつ)に表現した「秋の民家」など多彩な作品が並び、口に絵筆をくわえて描く様子の写真やプロフィルも添えられている。

 奈良市東九条町、主婦吉永幸子さん(60)は「繊細なタッチの作品が多く、作者が自分を表現しようとする意志の強さも伝わってきました」と話していた。


一般事務職に人気集中

2009年02月10日 00時30分57秒 | 障害者の自立
 県や愛知労働局などが主催する障害者就職面接会が9日、ホテルアソシア豊橋であり、就職を希望する障害者が企業の人事担当者らの話を聞いた。

 参加した企業は、東三河地区に本社や採用窓口がある7社を含めた58社で、求人数は168人。対する求職者は、県内各地から215人が訪れた。

 募集職種は、技能職や製造などが全体の3分の1ほどを占め、次いで事務、専門職・技術職などの求人が目立った。

 主催者の話では、求職者の多くは、一般事務職を希望していて「人気が集中している」。求職者の希望する職と企業が求める人材像にも差があるという。

 県労働局は、障害者雇用の増加のため、企業に、現在の仕事の中で、障害者ができる仕事を作るなどの配慮を求めている。現在県内では、求職希望障害者が約9000人いる。

 企業側が障害者雇用に理解を示しても、社屋が自社ビルでないため、トイレなどの改修ができず、雇用が難しいケースもあるという。今回の募集の平均賃金は出していないが「月額20万円以上の仕事は少ない」。

全国に広がる障害者差別禁止条例の動き――いくつかの資料や機関誌類から読み取れること――

2009年02月10日 00時29分33秒 | 障害者の自立
 2006年10月11日に千葉県で障害者の差別禁止条例(正式名称は「障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例」)が成立したことを受けて(野沢和弘著『条例のある街』参照)、各地で条例作りが広がった。ちょうど同じ年に、国連の2006年12月に開かれた総会で「障害者権利条例」が採択された(参照。障害児を普通学校へ全国連絡会訳『障害者権利条約』)ことと共に、権利確立を目標とする日本の障害者運動に画期的な刺激を与えたと見ることもできる。

■ 第14回障害者政策研究全国集会での各地からの報告
 2008年12月に東京で開かれた「第14回障害者政策研究全国集会」は、メインスローガンを“障害者権利条約で変えよう社会を!法律を!”と題していた。その中の「権利擁護分科会」では自治体の条例をめぐる取り組み」として、千葉県の他、岩手県、愛知県、三重県から、それぞれの条例作りへの報告が行なわれたという(2008年12月「第14回障害者政策研究全国集会」資料)。

 資料によると、千葉県では条例施行後の相談活動の実施状況が報告された。相談を受け付ける人を千葉県では「地域相談員」と呼んでいる。その仕事に携わる人の人数が条例施行時には527名であったものが、2007年度末(2008年03月末日)では609名に増えているという。あくまでも第三者が介入した双方の合意形成が目的と千葉県の条例では明確であるが、事業者の配慮なども引き出すことができるなど、条例が有効であると報告者もいう。今後とも地域の中で良好な関係を維持したいという気持ちにそった改善を作り出すことに成功している。相談者も介護施設を継続して利用したいとの調整を基本とするNPO法人「介護保険市民オンブズマン」活動などにも共通する。

 しかも、実際に相談を受けてみると、訴えを発した人はいわゆる「発達障害」や「高次脳機能障害」など各種の障害種別に及んでいる。障害の概念も広げることにつながっている。主たる内容も「福祉サービス」や「雇用」「建物・交通機関」だけではなく、件数はわずかではあるが「不動産の取引」にまで、生活全般にわたっている。自治体がさまざまな相談を受ける意義が明確になっている。

 人々からの相談に応じて初めて、その人が生活で困っている内容を把握できる。不満や訴えという明確な形で、問題の所在が分かるようになっている。しかも、多くは複合的な要因であり、千葉県の資料によっても相談終結にいたる平均活動日数は48日(平均活動回数は9.5回)という。何回も行動を繰り返すことによって、人々の相談に対して丁寧に対応することが、行政の基本ということが明確になった。短期決戦を旨とする効率主義の問題点も明確になった。

■ 各地に広がる条例作りへの取り組み
 2008年12月に開催された「第14回障害者政策研究全国集会」には、すでに条例を制定している千葉県の他、岩手県、愛知県、三重県からも権利条例制定の運動が報告された。なお、資料によると岩手県では2008年07月07日に条例が本会議で採択されたという。

 各地の報告によると、障害者団体の地域でのネットワークをつくり相互に連携をとることを基本に考えている。千葉県の条例がモデルとなり、その勉強会から活動が始まっていることも共通していると思う。障害者以外の多くの人たちに条例作りを納得できるように、各地でさまざまな工夫が行なわれている。

 第14回障害者政策研究全国集会での報告は4県に留まるが、私の手元に送られてきた資料からは、香川県(「福祉オンブズ」第20号、2009年01月25日)や沖縄県(NPO法人DPI「われら自身の声」2009年02月号)でも同様な取り組みが行われている。地域でさまざまな名称が考えられている。それ自身が地方分権を意味する。さらには北海道などでも取り組まれているようだ。府県単位にはなっていないとしても、私が参加した兵庫県や大阪府など市町村単位の集まりでも、かなり具体的に条例作りの話が行なわれている。

 かつて、各地で1990年代に行なわれた「福祉の町づくり条例」制定の運動よりも、広がりがあると思われる。各地でいろいろな動きがあると思うので、教えて欲しい。権利法に消極的な中央政府のもとで、差別禁止条例が各地でできることは望ましいと思う。自分たちの権利を実現するために地方分権を手がかりに、地域で伸び伸びと暮らしていくための条例作りに努力して欲しい。

 なかなか変わりにくい性格をもっている地域であるが、人々に直接に訴えかけることができるのも地域である。とくに、教育や雇用、商売、福祉・保健や公共交通機関など、21世紀では地域が重要になっている。