ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

障害者も裁判員に

2009年04月04日 00時27分02秒 | 障害者の自立
 5月から始まる裁判員裁判では原則、聴覚障害者や視覚障害者も裁判員になれる。だが、聴覚障害者の場合、裁判や法律の専門用語を理解するのは健聴者以上にハードルが高く、裁判官と裁判員が有罪・無罪を決める「評議」も、手話を介すなど障害者の負担は大きい。障害者が裁判員に選ばれても支障が生じないための対策が急務だ。

 「私に裁判員が務まるだろうか」――。2月22日、さいたま市内で開かれた聴覚障害者対象の裁判員制度の講習会。参加した戸田市の40歳代の女性は、不安を募らせた。

 聴覚障害があっても裁判員に選ばれると知り、初めて講習会に来た。もし選ばれれば、障害者の権利を守るためにも、できる範囲で参加したいと思った。しかし、講習会の説明資料には、見慣れない言葉が並んでいた。「専門用語を手話に変えて説明できるだろうか。専門用語を理解できないケースもあるのでは」と表情を曇らせる。

 裁判員法では、「心身の故障のため裁判員の職務の遂行に著しい支障がある者」は裁判員になれないとしているが、聴覚に障害があっても、音が重要な証拠になるような裁判でなければ参加は可能だ。

 県内の聴覚障害者は1万4443人(2007年度末)。今年の裁判員候補者規模(県内1万6560人)から試算すると、年間30人ほど選ばれる可能性がある。

     ◎

 手話を使う聴覚障害者にとって、裁判や法律の専門用語は健聴者以上に大きなネックとなりうる。

 聴覚障害のある東京弁護士会の田門浩弁護士(42)は、「テレビのニュースなどを通して裁判の情報を得られる健聴者と異なり、耳から入る情報がない聴覚障害者には裁判や法律の知識、概念が乏しい人が少なくない」と指摘する。

 例えば「正当防衛」という言葉も、「悪い行動を受ける」「対する攻撃」というように、多くの手話単語を使って説明しなければならない。「混乱を防ぐため、一つの裁判を同じ通訳者が担当することも大切」と田門さんは訴える。

 裁判官と裁判員が話し合う「評議」も不安要素の一つだ。健聴者とのグループ討議に参加した坂戸市の男性(37)は「いろんな人がランダムに話すので、手話を介して意見するタイミングが難しい。専門用語が分からない時、分かるまで説明してもらえるだろうか」と不安を打ち明ける。

     ◎

 全日本ろうあ連盟は08年10月、最高裁に対し、手話通訳や要約筆記を確保することなどを求める要望書を提出した。最高裁は「裁判所に送る質問票に要望を書いてもらうことで希望を把握し、各地裁で支障のないようできる限り配慮したい」としている。だが、手話通訳の費用や同じ通訳者が担当できるかどうかは、まだ検討中という。

 裁判員裁判は初公判から判決まで、連日開廷でおおむね3日間で終わる。審理が迅速化する中、聴覚障害者が内容を理解できないまま審理が進んだり、負担が増したりすることがないよう、障害者も公平に参加できる仕組み作りが必要だ。

 全日本ろうあ連盟は「今のままでは、制度が始まった時に裁判所も聴覚障害者も困る。聴覚障害者が制度に参加できるよう、手話通訳の参加方法や裁判の進め方など細かな運用指針を全国的に決めておくべきだ」と訴えている。

 

【写真や地図 口頭説明も】

さいたま地裁によると、視覚障害者の場合、物の見え方が重要な証拠となる裁判以外は裁判員になれるとされる。しかし、起訴状や冒頭陳述、文書化された証拠類は量が膨大なため、口頭で読み上げるだけで点字化する予定はないという。

 写真や地図などが証拠として出された場合、口頭での説明が必要となる。日本盲人会連合は「写真などをもれなく口頭で説明する訓練を受けたエキスパートを立ち会わせてもらいたい。説明の時間もとってほしい」と訴える。

 裁判所内のバリアフリー化も進む。同地裁に昨年3月、新しく建設された裁判員裁判用の建物は、段差がない設計で車いすでも移動できる。傍聴席を取り外し、車いすでも傍聴できるスペースが確保されている。


障害者自立支援法

2009年04月04日 00時26分15秒 | 障害者の自立
 障害者の自立を促すため、身体、知的、精神各障害共通の施策を定めるほか、福祉サービス利用者に原則1割の自己負担を求めることなどを規定した法律で、2006年4月に施行された。ただ、「応益負担」でサービスを利用するほど負担増となるため、低所得層や重度障害者に厳しいとの批判があった。
 このため、政府・与党は負担軽減措置を講じたほか、同法の抜本見直しを検討。今国会に提出された改正案では、1割負担の規定を撤廃し、利用者の収入に応じる「応能負担」を原則とすることを明確化した