年々増加傾向を示す発達障害児者のルポを通じ、家庭や教育現場、社会が直面する課題について1月から始めた長期連載や関連記事で報道してきた下野新聞社「発達障害取材班」は、一人一人の個性を認めともに歩む社会の実現に向けて、「本人や家族はまず障害があることに気付き、受容する」「障害の特性を認め、本人や家族がためらわずオープンにできる環境をつくる」の2つを提言する。
取材班は2005年の発達障害者100+ 件支援法の施行や、発達障害を対象に加えた07年の特別支援教育の導入などを受け、障害への一般の理解は着実に広がりつつあることを実感した。一方、「真実性の担保や多くの共感を得るには実名報道が不可欠」との基本姿勢で取材相手に協力を求めたが、「世間の偏見が根強い」などを理由に実名がかなわなかったケースもあった。
外見からは分かりにくい障害が偏見を助長している側面が強く、「親のしつけが悪い」「愛情不足が原因」などの誤ったとらえ方をされ傷付く保護者も少なくない。
障害の「見えにくさ」は、身近な家族にとっても受容の妨げとなる。わが子に障害があることを認めたくないのは親心。見た目で分からなければ、なおさらだ。
発達障害は先天性の脳機能障害とされ、早い段階から支援を受ければ、多くの場合、社会に適応していける。
取材に協力してくれた多くの保護者らは「社会の側が発達障害者100+ 件にすべて合わせてくれることはあり得ない。当事者側もできることで歩み寄り、社会のルールと折り合って生きていかなくてはいけない」と強調する。
まず社会が発達障害を包み込んでいくことが求められる一方、当事者側も社会の一員になることを目指す姿勢が必要だ。
当事者側が障害に気付き、受容することと、社会がオープンにしやすい環境を整える。両者がともに歩んでいければ、教育や就労の場の課題も一つ一つ解消されるだろう。
下野新聞
取材班は2005年の発達障害者100+ 件支援法の施行や、発達障害を対象に加えた07年の特別支援教育の導入などを受け、障害への一般の理解は着実に広がりつつあることを実感した。一方、「真実性の担保や多くの共感を得るには実名報道が不可欠」との基本姿勢で取材相手に協力を求めたが、「世間の偏見が根強い」などを理由に実名がかなわなかったケースもあった。
外見からは分かりにくい障害が偏見を助長している側面が強く、「親のしつけが悪い」「愛情不足が原因」などの誤ったとらえ方をされ傷付く保護者も少なくない。
障害の「見えにくさ」は、身近な家族にとっても受容の妨げとなる。わが子に障害があることを認めたくないのは親心。見た目で分からなければ、なおさらだ。
発達障害は先天性の脳機能障害とされ、早い段階から支援を受ければ、多くの場合、社会に適応していける。
取材に協力してくれた多くの保護者らは「社会の側が発達障害者100+ 件にすべて合わせてくれることはあり得ない。当事者側もできることで歩み寄り、社会のルールと折り合って生きていかなくてはいけない」と強調する。
まず社会が発達障害を包み込んでいくことが求められる一方、当事者側も社会の一員になることを目指す姿勢が必要だ。
当事者側が障害に気付き、受容することと、社会がオープンにしやすい環境を整える。両者がともに歩んでいければ、教育や就労の場の課題も一つ一つ解消されるだろう。
下野新聞