ゴエモンのつぶやき

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発達障害、本社取材班二つの提言 「障害への気付きと受容」「オープンな環境をつくる」

2011年06月20日 00時26分55秒 | 障害者の自立
 年々増加傾向を示す発達障害児者のルポを通じ、家庭や教育現場、社会が直面する課題について1月から始めた長期連載や関連記事で報道してきた下野新聞社「発達障害取材班」は、一人一人の個性を認めともに歩む社会の実現に向けて、「本人や家族はまず障害があることに気付き、受容する」「障害の特性を認め、本人や家族がためらわずオープンにできる環境をつくる」の2つを提言する。

 取材班は2005年の発達障害者100+ 件支援法の施行や、発達障害を対象に加えた07年の特別支援教育の導入などを受け、障害への一般の理解は着実に広がりつつあることを実感した。一方、「真実性の担保や多くの共感を得るには実名報道が不可欠」との基本姿勢で取材相手に協力を求めたが、「世間の偏見が根強い」などを理由に実名がかなわなかったケースもあった。

 外見からは分かりにくい障害が偏見を助長している側面が強く、「親のしつけが悪い」「愛情不足が原因」などの誤ったとらえ方をされ傷付く保護者も少なくない。

 障害の「見えにくさ」は、身近な家族にとっても受容の妨げとなる。わが子に障害があることを認めたくないのは親心。見た目で分からなければ、なおさらだ。

 発達障害は先天性の脳機能障害とされ、早い段階から支援を受ければ、多くの場合、社会に適応していける。

 取材に協力してくれた多くの保護者らは「社会の側が発達障害者100+ 件にすべて合わせてくれることはあり得ない。当事者側もできることで歩み寄り、社会のルールと折り合って生きていかなくてはいけない」と強調する。

 まず社会が発達障害を包み込んでいくことが求められる一方、当事者側も社会の一員になることを目指す姿勢が必要だ。

 当事者側が障害に気付き、受容することと、社会がオープンにしやすい環境を整える。両者がともに歩んでいければ、教育や就労の場の課題も一つ一つ解消されるだろう。

下野新聞

あすなろカフェ:自衛隊内の障害者喫茶、横須賀であすオープン /神奈川

2011年06月20日 00時22分58秒 | 障害者の自立
 ◇喜ばれる接客を

 横須賀市の知的障害者授産施設「あすなろ学苑(がくえん)」が20日、海上自衛隊横須賀地方総監部(横須賀市西逸見町)に、喫茶店「あすなろカフェ」をオープンすることになった。授産施設が自衛隊施設内に出店するのは全国初。開店にこぎつけるまでの準備段階では、苑生や職員が試行錯誤を繰り返す並々ならぬ苦労があった。

 同総監部には自衛隊員4000人以上が勤務。利用者は主に陸上勤務の隊員だが、既存の食堂は1カ所しかなく、約40席の店は営業時間(午前11時~午後2時)に相当な混雑が予想される。隊員を飽きさせないため、カレーやドライカレー、パスタ、うどんやそば、中華丼や牛丼、3種のランチ、弁当、パンのほか、季節ごとや日替わりなどの豊富なメニューを用意。デザートや喫茶も充実させた。三浦麻矢苑長(37)は「『味よし量よし』にこだわり、喜ばれるメニューを考えました」と話している。

 細かな調理、仕込みは早朝から学苑で済ませ、営業中は主に配膳、接客業務を中心に行うよう作業工程を工夫。接客が初めてとなる障害者2人と職員1人のスタッフは、5月のゴールデンウイーク明けから20日間以上、注文が殺到するなどいろいろな場面を想定した研修を重ね、ほかの苑生を客に見立てた実習もこなした。

 スタッフとして働く障害者の岩堀修さん(37)は「ご飯の量を計ったりするのが忙しいけど、これも仕事。最初は大変かもしれないけれど、慣れてくれば大丈夫」と自信を見せた。また職員の森田弘美さん(36)は「隊員のお客さまを待たせない、笑顔を絶やさないことを心がけ、喜ばれる接客を心がけたい」と抱負を語った。

毎日新聞 2011年6月19日 地方版