福島の小6と園児 復興に一役
東京電力福島第一原発事故で福島県南相馬市から文京区に避難している小学生と幼稚園児の姉妹が、文京シビックホール(文京区春日)で6日に上演される震災復興コンサートに出演する。プロの俳優やダンサーらと登場し、一緒に「野原の生き物の春夏秋冬」を歌と踊りで表現する。サマーキャンプで都内を訪れている福島の子どもたちも招待され、ステージで歌を楽しむ予定で、主催者は「被災した子どもたちに笑顔を取り戻してもらいたい」としている。
主催者の特定非営利活動法人「Hana World」(三鷹市)は、障害者と健常者、年齢差といった垣根を越えて総合舞台芸術を創造している。理事長で音楽家兼舞踊家のCOCO華(はな)(本名・西村博子)さんが、詩人・工藤直子さんの「のはらうた」をモチーフに、舞台用に構成した「のはら・ら・ら・ら」を上演する。
出演するのは福島県南相馬市の小学6年生、藤木明日香さん(11)と妹で幼稚園児の千尋ちゃん(6)。東日本大震災を機に、都内に避難している被災地の子供を対象に出演者を公募したところ、2人が手を挙げた。明日香さんは地元の小学校で合唱部に所属していたが、原発事故の影響で合唱大会が中止に。「小学校生活の最後だから舞台で歌わせてあげたい」と考えた母親の和代さん(37)の勧めでコンサートに応募したという。
舞台では、明日香さんは子役として歌を披露。千尋ちゃんは「雨粒」役に抜てきされ、カスタネットをたたいたり、踊ったりする。
その他の出演者は、同区や三鷹市の小学生や知的・視覚・聴覚障害者、年齢も幼児から60歳代までと様々。「お日様」役のフラメンコダンサーや、「木」を演じるパントマイム役者、「キツネ」役のプロの俳優など、要所要所をプロが引き締める。
コンガなどのパーカッションやギターなど音楽部門や、照明、衣装担当もそれぞれが専門家。5月から続けてきた練習では、こうした経験者たちがタップダンスや振り付けなどを細部にわたって指導し、時には緊張感も漂う。
COCO華さんは「ミュージカルとも違う、ちょっと変わったコンサートですが、十分楽しんでいただけると思う」と自信を見せる。
◇
開演は6日午後4時半。入場料は3500円、小学生以下は2000円。会場では募金も行われ、チケットや関連グッズ売り上げの収益とともに、義援金として福島県に送られる予定。
(2011年8月6日 読売新聞)
東京電力福島第一原発事故で福島県南相馬市から文京区に避難している小学生と幼稚園児の姉妹が、文京シビックホール(文京区春日)で6日に上演される震災復興コンサートに出演する。プロの俳優やダンサーらと登場し、一緒に「野原の生き物の春夏秋冬」を歌と踊りで表現する。サマーキャンプで都内を訪れている福島の子どもたちも招待され、ステージで歌を楽しむ予定で、主催者は「被災した子どもたちに笑顔を取り戻してもらいたい」としている。
主催者の特定非営利活動法人「Hana World」(三鷹市)は、障害者と健常者、年齢差といった垣根を越えて総合舞台芸術を創造している。理事長で音楽家兼舞踊家のCOCO華(はな)(本名・西村博子)さんが、詩人・工藤直子さんの「のはらうた」をモチーフに、舞台用に構成した「のはら・ら・ら・ら」を上演する。
出演するのは福島県南相馬市の小学6年生、藤木明日香さん(11)と妹で幼稚園児の千尋ちゃん(6)。東日本大震災を機に、都内に避難している被災地の子供を対象に出演者を公募したところ、2人が手を挙げた。明日香さんは地元の小学校で合唱部に所属していたが、原発事故の影響で合唱大会が中止に。「小学校生活の最後だから舞台で歌わせてあげたい」と考えた母親の和代さん(37)の勧めでコンサートに応募したという。
舞台では、明日香さんは子役として歌を披露。千尋ちゃんは「雨粒」役に抜てきされ、カスタネットをたたいたり、踊ったりする。
その他の出演者は、同区や三鷹市の小学生や知的・視覚・聴覚障害者、年齢も幼児から60歳代までと様々。「お日様」役のフラメンコダンサーや、「木」を演じるパントマイム役者、「キツネ」役のプロの俳優など、要所要所をプロが引き締める。
コンガなどのパーカッションやギターなど音楽部門や、照明、衣装担当もそれぞれが専門家。5月から続けてきた練習では、こうした経験者たちがタップダンスや振り付けなどを細部にわたって指導し、時には緊張感も漂う。
COCO華さんは「ミュージカルとも違う、ちょっと変わったコンサートですが、十分楽しんでいただけると思う」と自信を見せる。
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開演は6日午後4時半。入場料は3500円、小学生以下は2000円。会場では募金も行われ、チケットや関連グッズ売り上げの収益とともに、義援金として福島県に送られる予定。
(2011年8月6日 読売新聞)