ゴエモンのつぶやき

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みつばちビレッジ:障害児の将来願う母親プロジェクト 広がる活動の輪 /鹿児島

2011年08月07日 01時06分57秒 | 障害者の自立
 ◇「安心できる施設」建設へ--鹿児島

 「養護学校へ通う子供たちが将来も笑顔でいてほしい」

 そんな障害児を持つ母親なら当たり前の願いを実現しようという活動が、母親の手で始まっている。「みつばちビレッジ」プロジェクト。障害者が安心して暮らし働きながら、必要な身体ケアも受けられる総合福祉施設を目指す試みだ。母が子を思う一心で、少しずつ活動の輪を広げている。

 同プロジェクト実行委代表の原田真琴さん(38)=鹿児島市皷川町=は、01年10月30日、予定日より約4カ月早く長男の雄羽(ゆう)君と次男の翔生(いしょう)君の双子を出産した。体重は2人ともわずか700グラム前後。鹿児島市立病院に長期の入院を余儀なくされた末、雄羽君は1歳10カ月で亡くなった。一方、翔生くんは脳内出血など幾度となく生死の境に直面したが乗り越えた。発達遅滞と足に障害を持ち、今は養護学校の小学部4年生だ。

 だが、養護学校高等部の卒業後を考えると、不安は大きい。「学校では子供たちの能力を伸ばしてくれる。でも福祉の中で生きる卒業後は、果たして必要なサポートを受けられるのか」

 卒業後、就職できる子どもは限られている。ほとんどが障害者施設に通所または入所する。ただ、多くの施設では空きがなく、毎日別の施設を転々とするケースもある。さらに、人手不足から食事や排泄の世話など必要最低限の世話にとどまり、「ただそこで過ごすだけの場」になってしまっている場合も多いという。例えば、オムツ着用を求められ自力でできた排せつもできなくなってしまう。「それでは大切な命の可能性を摘み取ることになる。できることはやらせてその子らしく生きていける施設を」。やがて想いを同じくする母親らが集まり始めた。

 実行委員の福森由紀さん=同市東坂元3=もその一人。長男(9)は足が動かないなどの障害がある。翔生君と同級生で「福祉は手薄で、ニーズに追いついていない。多くの人が知るきっかけにもなれば」と活動に参加している。

 みつばちビレッジは、グループホームや入所施設に工房、菜園、カフェなど働く場を併設し、リハビリや心身のケアの看護体制も充実させる構想。コンサートやバザーを開いて開放型とし、障害の有無を超えた交流の場を目指す。実行委員は県内に住む母親ら17人。昨秋から準備を進め、今年5月に立ち上げイベントを開いた。雑貨店など9店舗が並び、収益の一部を建設資金として積み立てている。

 「資金や土地の確保など、現実的なところはまだまだ。でも、みつばちのように元気に飛び回りたい」と原田さん。組織をNPO法人化し、今後も精力的に活動する方針だ。実行委はカンパや協力者を募っている。問い合わせは(050・1337・0930)へ。

毎日新聞 2011年8月6日 地方版


焼きドーナツ開発着々 聴覚障害者支援施設と水戸女子高

2011年08月07日 01時04分35秒 | 障害者の自立
パンなど製造・販売の聴覚障害者就労支援施設「工房ふくろう」(五十嵐めぐみ施設長)と、水戸女子高(鈴木康之校長)の異色のコラボレーションによる新作の「焼きドーナツ」の開発が着々と進んでいる。同高の生徒4人が1日、水戸市双葉台2丁目の工房を訪れ、生徒が自ら考えた新作の試作品作りが行われた。

工房はNPO法人「ふくろう」が運営。聴覚障害者の自立を支援する県内唯一の授産施設として、30種類以上のパンやクッキーを製造、販売している。

一方、同高では鈴木校長が2010年6月、ギフト用商品の開発を提案。同年9月からフードデザインの授業の中で、さまざまな商品を試作してきた。

そこで浮上したのが両者のコラボ。工房が同高で月2回パンを販売している縁も手伝って実現した。ちょうど工房で焼きドーナツを開発する予定があり、工房用とギフト用をそれぞれ2種類試作することに。工房はプレーン味とコーヒーかココア味の2種類で決定。同高では工房から基本レシピの提供を受け、ちょっぴり凝った商品の開発に着手した。

東日本大震災の影響で開発は一時ストップしたものの、5月から再開。マナーライフ部の2、3年生を中心にアイデアを出し合い、甘納豆味など6種類の試作品を完成させた。7月にかけて試作と試食を繰り返し、バナナとレーズン味の2種類の商品化で固まった。

この日は部員4人が工房を訪れ、スタッフや利用者の助けも借りて、2種類の試作品を焼き上げた。全員で試食した結果、バナナ味とレーズン味の人気は二分。部長の園部真帆さん(3年)は「上出来です。アイデアは出たが、焼いてみたらうまくいかず工夫した。自分たちで考えたので、完成が楽しみ」と笑顔をみせた。


【写真説明】水戸女子高と工房ふくろうのコラボで開発が進む焼きドーナツの試作会=水戸市双葉台の工房ふくろう

茨城新聞

「知的障害者に理解を」牛久8団体、交番訪問や身元メモ配布

2011年08月07日 01時01分27秒 | 障害者の自立
牛久市内の身体的、知的障害者などの8団体でつくる「牛久市障害者連合会」(桜井勝利会長)は、警察官に知的障害者を理解してもらう活動「警察プロジェクト」を牛久警察署に働き掛けている。会員の知的障害者の個人情報が記載されたメモを配布したり、同市内の交番や駐在所の訪問など連携を図っている。同会は「警察に自分たちを知ってもらうメリットは大きい」と知的障害者が安心して暮らせる地域社会を目指す。

同プロジェクトは、白梅学園大学(東京)の堀江まゆみ教授らが社会に知的障害者の理解を広めようとする活動の一環。

きっかけは約3年前だった。同市内の路上で、知的障害者の男性が下校途中の女子中学生に手招きした。女子中学生は男性を不審者と勘違いして帰宅後、家族に報告。母親から学校を通じて市教委に伝わり、「不審者情報」として市に広報メールで一斉に送信されてしまった。メールを見た男性を知る住民からは「(不審者情報は)誤報だ」と同市に指摘があり、同市の担当者が同会に再発防止の相談をすることがあった。

「警察に知的障害者を理解してもらい、味方につけるのが一番」と2009年度から同プロジェクトを始動させた。市民に接する機会が一番多い地域警察官に理解を深めてもらおうと年1回、市内の4交番・駐在所を訪問。その場で知的障害者の対応などをまとめた冊子を渡す。また、同署生活安全課員との意見交換会なども行っている。

知的障害者は警察に保護された場合、警察官とのコミュニケーションがうまくとれず、警察が身元を把握できないケースが多いという。09年11月にこの解決策として、会員から「警察に当事者を登録できないか」との意見が出た。これを受けて昨年10月、同会は知的障害者の会員の個人情報が記載されたメモ「障がい者カード」を作成し、市内の4交番・駐在所と同署に配布し始めた。メモには氏名や顔写真、緊急連絡先などが記され、身元が分かるようになっている。まだ実例はないが、現在は17人が登録している。

同会の山下隆さん(62)は「地道な活動だが、障害者の権利を守り、少しでも安心して安全に暮らせるように活動したい」と話す。

茨城新聞