◇地域の人への施術が人気
大阪市住吉区の府立視覚支援学校では授業のある日、はりとマッサージの施術を一般の人も受けられる。ケアするのは、同校専修部ではり師やあん摩マッサージ指圧師の国家資格取得に向け勉強する学生ら。心のこもった施術と手軽さが人気で、学校と地域との懸け橋になっている。
1914年設立の「私立大阪訓盲院」が前身で、幼稚部から高等部と、専修部に計約130人が在籍。主に府南部の視覚障害者が通うが、職業訓練を担う専修部(3年制)には中途失明した働き盛りの世代も多い。
古本祐介さん(専修部1年)は先天性白内障が悪化し、高等部から同校に転入した。「あん摩マッサージ指圧師の資格を取って周囲に迷惑かけず自立して生きたい」と指を鍛える毎日。解剖や生理学などの専門知識を覚える苦労も、「とにかくたくさん読んで書くだけ」と意に介さない。
指導する坂本好昭教諭(53)は「卒業後は自力で道を切り開かねばならない。資格を取って開業しても、無資格で安価なマッサージサービスとの競争もある。その時に支えとなる技術や考え方を伝えたい」と語る。
専修部には声楽やピアノの腕を鍛える音楽科もあり、近くのホールや商業施設で開くコンサートが評判だ。辻下順一校長(58)は「コミュニケーション能力を培うのが何よりも大事」と心している。
はりは予約制で大人500円、子供250円。平日午前10時40分からと、11時40分から。マッサージは火木曜で、希望者が多いため午後1時に抽選。予約・問い合わせは同校(06・6693・3471)。
毎日新聞 2011年8月27日 地方版
大阪市住吉区の府立視覚支援学校では授業のある日、はりとマッサージの施術を一般の人も受けられる。ケアするのは、同校専修部ではり師やあん摩マッサージ指圧師の国家資格取得に向け勉強する学生ら。心のこもった施術と手軽さが人気で、学校と地域との懸け橋になっている。
1914年設立の「私立大阪訓盲院」が前身で、幼稚部から高等部と、専修部に計約130人が在籍。主に府南部の視覚障害者が通うが、職業訓練を担う専修部(3年制)には中途失明した働き盛りの世代も多い。
古本祐介さん(専修部1年)は先天性白内障が悪化し、高等部から同校に転入した。「あん摩マッサージ指圧師の資格を取って周囲に迷惑かけず自立して生きたい」と指を鍛える毎日。解剖や生理学などの専門知識を覚える苦労も、「とにかくたくさん読んで書くだけ」と意に介さない。
指導する坂本好昭教諭(53)は「卒業後は自力で道を切り開かねばならない。資格を取って開業しても、無資格で安価なマッサージサービスとの競争もある。その時に支えとなる技術や考え方を伝えたい」と語る。
専修部には声楽やピアノの腕を鍛える音楽科もあり、近くのホールや商業施設で開くコンサートが評判だ。辻下順一校長(58)は「コミュニケーション能力を培うのが何よりも大事」と心している。
はりは予約制で大人500円、子供250円。平日午前10時40分からと、11時40分から。マッサージは火木曜で、希望者が多いため午後1時に抽選。予約・問い合わせは同校(06・6693・3471)。
毎日新聞 2011年8月27日 地方版