◇分からなかったから産めた 疲弊する医療現場、限界も
� 「出生前診断の連載をするなら、障害者20+件自身や家族の気持ちをもっと取り上げてほしい」。さいたま市緑区の小野水晶(みあき)さん(43)は訴える。小野さんには1歳4カ月のダウン症の長女瑞月(みずき)ちゃんがいる。心疾患があり病院通いが続いたが、先月心臓の手術を終え、来月から保育園に通う予定
小野さんも、最初から瑞月ちゃんの障害を受け入れられたわけではない。出産後に医師からダウン症と伝えられ、心疾患でNICU(新生児集中治療室)のある別の病院に搬送された時には、驚きとショックで涙にくれた。しかし、障害の有無に関係なく命の誕生を喜ぶ家族や産婦人科のスタッフらに支えられた。特にNICUで初めて瑞月ちゃんに対面した夫(47)が、小野さんに「こんな可愛い子を産んでくれてありがとう」と言ってくれたことが忘れられないという。
周囲の理解には恵まれたものの、情報がないことが一番つらかった。障害のある子どもを受け入れ可能な保育園などについて一元的に把握している窓口はなく、情報は保護者が自力で探さなくてはいけない。「どう育てればいいか分からないことが、育児を、ひいては障害のある子を産むことを不安にしていると思う。妊娠・出産・育児にまつわるさまざまな問題点を、社会がもっとサポートしてほしい」と訴える。
口蓋裂の長女にミルクを飲ませる東京都の女性会社員と夫。「親としてできることをしてあげたい」=東京都内で2012年4月
毎日新聞 2012年04月18日 東京朝刊
� 「出生前診断の連載をするなら、障害者20+件自身や家族の気持ちをもっと取り上げてほしい」。さいたま市緑区の小野水晶(みあき)さん(43)は訴える。小野さんには1歳4カ月のダウン症の長女瑞月(みずき)ちゃんがいる。心疾患があり病院通いが続いたが、先月心臓の手術を終え、来月から保育園に通う予定
小野さんも、最初から瑞月ちゃんの障害を受け入れられたわけではない。出産後に医師からダウン症と伝えられ、心疾患でNICU(新生児集中治療室)のある別の病院に搬送された時には、驚きとショックで涙にくれた。しかし、障害の有無に関係なく命の誕生を喜ぶ家族や産婦人科のスタッフらに支えられた。特にNICUで初めて瑞月ちゃんに対面した夫(47)が、小野さんに「こんな可愛い子を産んでくれてありがとう」と言ってくれたことが忘れられないという。
周囲の理解には恵まれたものの、情報がないことが一番つらかった。障害のある子どもを受け入れ可能な保育園などについて一元的に把握している窓口はなく、情報は保護者が自力で探さなくてはいけない。「どう育てればいいか分からないことが、育児を、ひいては障害のある子を産むことを不安にしていると思う。妊娠・出産・育児にまつわるさまざまな問題点を、社会がもっとサポートしてほしい」と訴える。
口蓋裂の長女にミルクを飲ませる東京都の女性会社員と夫。「親としてできることをしてあげたい」=東京都内で2012年4月
毎日新聞 2012年04月18日 東京朝刊