今月26日で旧ソ連(ウクライナ)のチェルノブイリ原発事故から26年となるのに合わせ、宇部市の市民グループが被曝(ひばく)者の現状を伝えるDVD(124分、2000円)を製作した。原発に近いプリピャチ市出身者でつくる互助団体の支援が目的。29日に宇部カトリック教会で開くバザーで販売する。
市民団体は市内外の主婦らを中心に1985年に結成された「えんどうまめ」(約50人)。DVDでは、▽病気や障害者の家族を抱えてわずかな年金で暮らしている被爆者らの窮状▽原発事故で夫を亡くした女性たちの集いの場の提供などに取り組む互助団体「ゼムリャキ」の活動――などを、インタビューや映像で紹介している。
撮影は、えんどうまめの石川悦子代表(56)の知人のフリーカメラマン、字幕はNPO法人の現地駐在員らに依頼。幼子の難病が手術を繰り返しても治らない母親が苦悩したり、事故で夫を亡くした同じ境遇の女性たちが「互いに慰め合い希望が持てる」などと語ったりしている。
えんどうまめは、92年から約20年間、会員らの寄付金のほか、支援コンサートやバザーなどで得た収益金で、被曝したウクライナの子どもらに医薬品を届けたり、日本に招待したりしてきた。今回のDVDは、2006年から行っているゼムリャキ活動支援の一環で、500枚製作。現在、販売中でバザーでも売り出す。
29日のバザーでは、午前11時から石川代表が現地報告。食器や衣類のほか、手作り菓子、うどんや炊き込みご飯なども販売するため、石川代表は家庭で眠る日用品の提供を呼びかけている。
石川代表は「ゼムリャキには、行政の財政支援がなく、事務所も幼稚園の一室を間借りしている。事故を忘れないことが被曝者の希望になる」と話している。問い合わせは事務局(0836・21・3613)へ。
(2012年4月20日 読売新聞)
市民団体は市内外の主婦らを中心に1985年に結成された「えんどうまめ」(約50人)。DVDでは、▽病気や障害者の家族を抱えてわずかな年金で暮らしている被爆者らの窮状▽原発事故で夫を亡くした女性たちの集いの場の提供などに取り組む互助団体「ゼムリャキ」の活動――などを、インタビューや映像で紹介している。
撮影は、えんどうまめの石川悦子代表(56)の知人のフリーカメラマン、字幕はNPO法人の現地駐在員らに依頼。幼子の難病が手術を繰り返しても治らない母親が苦悩したり、事故で夫を亡くした同じ境遇の女性たちが「互いに慰め合い希望が持てる」などと語ったりしている。
えんどうまめは、92年から約20年間、会員らの寄付金のほか、支援コンサートやバザーなどで得た収益金で、被曝したウクライナの子どもらに医薬品を届けたり、日本に招待したりしてきた。今回のDVDは、2006年から行っているゼムリャキ活動支援の一環で、500枚製作。現在、販売中でバザーでも売り出す。
29日のバザーでは、午前11時から石川代表が現地報告。食器や衣類のほか、手作り菓子、うどんや炊き込みご飯なども販売するため、石川代表は家庭で眠る日用品の提供を呼びかけている。
石川代表は「ゼムリャキには、行政の財政支援がなく、事務所も幼稚園の一室を間借りしている。事故を忘れないことが被曝者の希望になる」と話している。問い合わせは事務局(0836・21・3613)へ。
(2012年4月20日 読売新聞)