ゴエモンのつぶやき

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障害者雇用:来月から雇用率アップ 17年連続黒字企業の場合、特効薬は「会話」 /大阪

2013年03月28日 01時08分53秒 | 障害者の自立
 障害者雇用促進法が定める障害者の法定雇用率が4月から引き上げられる。民間企業は2・0%となるが、府内では現行の1・8%すら半数以上の企業が達成できていないのが現状だ。空調機器大手・ダイキン工業の特例子会社で、積極雇用を進める「ダイキンサンライズ摂津」(摂津市)を訪ね、障害者が輝ける職場づくりの鍵を探った。

 同社は93年に設立され、従業員114人のうち101人を障害者が占める。元々は肢体不自由者だけだったが、現在は聴覚障害者、知的障害者、精神障害者などさまざまな障害を抱える社員が共に働く。一方で、17年続けて経常黒字を計上する優良企業でもある。

 「要はコミュニケーションですよ」。後藤金丸(きんまる)工場長(72)は強調する。工場内を歩いて社員に声を掛け、元気のない従業員がいれば、1対1で面談。「眠れてるんか」「薬は増えてないか」。世間話を交えながら生活の変化を確認する。「話すだけで全然違う。30分話せば、たいてい笑顔が出る」。深刻な場合は福祉関係者や医療機関と連携して対応する。

 95年に工場長に就任してからは、試行錯誤の連続だった。98年に聴覚障害者の採用を始めたが、職場になじめず短期間で次々と退職。聴覚障害者たちと面談すると、生産ラインを指揮する「リーダー」と呼ばれる社員が、肢体不自由者で占められていることが不満だったことが分かった。勤務歴を重視した登用が、聴覚障害者には「差別」と映っていた。ほどなくして、聴覚障害者もリーダーに登用した。

 採用後に障害が重くなる社員も現れた。筋力が徐々に低下する難病「筋ジストロフィー」を抱える谷口勲さん(38)は00年ごろ、腕が上がらなくなり、ライン作業ができなくなった。すぐさま、取引先との連絡役に配置転換。今はパソコンと携帯電話をタッチペンで巧みに操作しながら、納期などを調整している。谷口さんは「周囲に支えられながら働くことができてうれしい」と笑顔を見せた。

 一方、障害者が安心して働ける環境づくりも強化。きっかけは、障害者の逃げ遅れが課題となった東日本大震災だ。淀川などの洪水を想定し、1階にいる障害者をリフトで2階に引き上げる訓練を毎月1回実施している。

毎日新聞 2013年03月27日 地方版