一宮市千秋町塩尻字花ノ木にある障害福祉サービス事業所「あおぞら」の障がい者らが手がける自転車のリサイクル事業が軌道に乗り始め、注目を集めるものとなっている。障がい特性に合わせて分担している作業に慣れ始めたことに加え、専用機械の導入や、回収自転車の全体量の増加もあり、収益が上がり始めたという。
「あおぞら」は、多機能型事業所として、生活介護・訓練を行うほか、就労継続支援B型事業所として機能している。プラスチック製品やペットボトルのラベルはがし、アクリル板分別といった作業や、ビン・缶・ペットボトルの回収・選別・納品までを行うリサイクル事業を手がけるほか、室内作業としてペットフードの計量・袋詰め・シール貼り・検品といった製造に関わる仕事や自主製品の開発・製造も進めている。
これらとともに、近年力を入れているのが、自転車リサイクルだ。不要になった自転車や処分される車椅子、放置自転車などを引き取り、解体して、鉄やアルミ、ゴムなどに分類し、収益につなげている。
当初は回収自転車の量も限られていたが、口コミで利用者が増加し、最近ではほぼ毎日のように、一宮市周辺の自転車店や放置自転車の処理に苦慮しているマンションの管理事務所、大手スーパーマーケットなどから依頼を受けているという。時には100台を超える大口の引き取りを行うこともあり、昨年は初めて年間1万台を突破するまでになったそうだ。
解体して回収した金属類は、同市内の業者に買い取ってもらっている。またゴム部品は細かく粉砕し、製紙会社に燃料として提供。無駄なくリサイクルを行っている。今年の夏には、競輪事業の振興活動などを展開する公益財団法人JKAの支援で、ゴム部品を自動で粉砕する専用機械を導入することができ、これによって作業効率が改善したほか、重度の障がいがある人も作業に加わることが可能となった。
回収量・リサイクル量が増えたことで作業にも慣れ、収益もアップ。スキルややりがいの向上と工賃アップにつなげられるようになっている。「あおぞら」では、引き続き回収依頼を積極的に受け、安定的に作業を行っていきたいとしている。
2014年10月25日 14:00 障害者雇用インフォメーション