ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

納税者になるために

2015年09月08日 01時40分50秒 | 障害者の自立

残暑お見舞い申し上げます。これからお彼岸にかけて、厳しい暑さも少しずつやわらいでいくことと思います。今年の夏は前半こそ体にこたえる猛暑がつづいたものの、お盆から後半は極端な暑さが少なく、わりとしのぎやすかった印象がありますね。でもまあ、最高気温が30度で(過ごしやすい)と感じるほうがおかしいのかもしれませんが……。

就活のピークも過ぎ、学生ボランティアさんも続々と内定をもらっているようです。今年は企業の選考時期が後ろ倒しになり、「オワハラ」という聞きなれない言葉が社会問題として取り上げられました。一体、誰のための就職協定なのか。改善すべき点はまだまだありそうです。

マイペースな僕でも、就職が決まって社会へ巣立っていく学生さんを間近に見ていると、多少の焦りを感じたりもします。それまではコンスタントにボランティアにきてくれていた学生さんが就活で疎遠になると、(またこの季節がやってくるんだな)と、取り残されたような気分になるものです。けれど結局は、物書きとしての目標があるからいいかと自分を納得させてしまうのですが。

障害の有無にかかわらず、就職は人生の大きなターニングポイントです。ただ、障害者はさまざまな制約がある分、就職にあたってはまだまだハードルが高いのが現状です。

障害者の労働形態には大きく(一般就労)と(福祉就労)の2つがあります。(福祉就労)はさらに、就労支援施設A型と就労支援施設B型にわけられます。ひとつずつ見ていきましょう。

一般就労とは読んで字のごとく、障害者が一般企業に就職し、社員として働くことです。この場合、ほとんどは障害者雇用促進法の枠内での採用となります。

雇用促進法制定当初は、一般就労は能力の高い一部の障害者にかぎった話でした。中途障害で後遺症も軽く、少しの配慮があれば健常者と同じように働ける。そういう人たちにとって、雇用促進法はひとすじの光明となり得たのです。

時は進んで、雇用促進法もかなり整備され、重度の障害をもつ人にも一般就労の門戸は開かれてきました。知り合いにも、筋ジストロフィーの女性で大手の一般企業で働いている人がいます。彼女の内定の報告を聞いた時、障害者の就職も遠い夢ではないんだなと、少しだけ希望を感じたものです。

就職へのハードルは、障害の種別によっても違います。車椅子ユーザーの場合は社内のバリアフリー化が必須条件ですし、体力面でハンディがあるのなら勤務時間や業務内容の調整といった配慮が必要になります。精神疾患の人は段差等は問題になりませんが、そのかわりに症状が悪化した時の対応やカウンセリングの充実、予期せぬ欠勤の場合の対処方法などを話し合うことが大切です。

(何でもいいから働きたい!)というだけでは就職先の会社が困りますし、結局は自分もつらくなってしまいます。一般就労ではとくに、障害特性と能力適性をよく見きわめたうえで職種を選ぶ必要があります。

テレビのドキュメンタリーで、大型スーパーで働く自閉症の青年の様子が紹介されていました。彼は人とのコミュニケーションは苦手ですが、記憶力と空間認識にすぐれているという特徴を活かし、商品の棚卸から陳列、欠品チェックまでをまかされているそうです。

人を仕事に合わせるのではなく、仕事を人に合わせる。ひとりひとりの特性に合わせて仕事を細分化すれば、障害によるハンディは克服できるのです。商品を並べていく彼の生き生きとした表情が印象的でした。

福祉的就労は、作業所(昔の呼び方です)などに通い、作業の対価として一定の賃金を得ることです。障害者の働き方というと、こちらのほうをイメージする方も多いのではないでしょうか。福祉就労の形態としては、先ほど御紹介した就労支援施設A型とB型があります。

この2つの最大の違いは、雇用として見なされるかどうか、という点です。

就労支援施設A型の場合、事業者と利用者は雇用契約で結ばれ、最低賃金に基づいた給料が支払われます。雇用関係が安定している分だけ求められる業務はやや複雑になり、比較的障害が軽度で能力の高い人が多いのが特徴です。

一方のB型は、いわゆる作業所のことです。これらの施設での活動は労働とは見なされず、あくまでも社会的トレーニングの一環として位置付けられています。そのためA型とは違い、最低賃金規定の対象外となっています。

B型では、毎月の給料は工賃というかたちで支払われます。その金額を見ると、全国平均で2000円~3000円程度。利益率のよいところでも1万円を超えるのが精一杯、という現状のようです。時給にすると100円以下。これでは、自分でお金を稼いで自活する、というのも夢物語ですよね。

このように極端に低い賃金になっているのは、第一に仕事の受注がうまくいっていない、という背景があります。多くの作業所は企業などから手作業でできる仕事を受注するのですが、不景気がつづくと肝心の仕事そのものがまわってこなくなり、結果として施設の実入りが少なくなるという悪循環が生じてしまいます。

作業をして生み出した商品も順調に売れるとはかぎりません。商品が売れなければ、施設の収入は減ってしまう。収入が減れば、利用者ひとりひとりの賃金が減る。毎日作業所に通ってもやるべき仕事がなく、やむを得ず労働に結びつかない単調な作業をあてがわれている……これは、作業所に通っていた同級生のお母さんから聞いた話です。

片方は雇用で、片方は社会的トレーニング。労働としての拘束時間はそれほど変わらないはずなのに、この違いはなぜ生まれるのでしょうか。

その原因は制度をつくる側の意識にあると、僕は考えています。(障害者は働かなくていい)という発想が根底にあるから、作業所での活動を労働と見なさず、賃金体系の見直しもいつまでも行わないのではないでしょうか。

しかし、状況は変わりはじめています。まばらではありますが、施設の利益率を向上させ、毎月の賃金が1万円を超える事業所が注目されています。

利益率向上のキーワードは(付加価値)。「障害者がつくった商品」というイメージではなく、それ以上の付加価値を商品そのものにつけていく。大ざっぱに言えば、(ここでしかつくれない!)というものを何かひとつ見つけ、武器にしていくのです。

それはまさに、ビジネスの発想ですよね。これまでは、福祉とビジネスはあまり相性が良くありませんでした。福祉をビジネスにと言えば、(障害者を食い物にするな!)と批判されたほどです。

けれど、時代は確実に動いています。福祉の世界だからこそ、ビジネスの発想が必要なのです。市場原理を上手に取り入れ、消費者のニーズにこたれられるように努力をしていくべきなのです。

多少値段が高くても、魅力的な付加価値のついた商品なら必ず売れます。そうして全体の収入が増えれば利用者の賃金も増える。賃金が増えれば労働意欲が高まって、さらに生産性を上げることができる……理想論かもしれませんが、この好循環がひとつのモデルケースとして広がっていけば、福祉就労のかたちも変わっていくはずです。

(人はどうして働くのだろう)

就活のニュースが出るたびに、僕は考えてしまいます。

お金がほしいから?

それもひとつのこたえでしょう。けれども仮に、とてつもない金額の宝くじにあたって、もう一生働かなくていい生活になったとして、それが本当に幸せなのかというと、うーん、と首をかしげてしまいます。

社会とつながっていたいから。

これが今のところの結論です。第一線で働いていた女性が専業主婦になった途端に孤立感を深めるのは、仕事を辞めたことで社会とのつながりが断ち切られたような感覚になるからではないでしょうか。

障害者も同じです。責任をもって働いているかぎり、人は社会人としての自覚をもつことができます。そしてその自覚は、人間が生きていくうえで絶対に必要なものなのです。

最後に、どうしても言っておきたいことがあります。

(障害者を働かせないのは、社会にとっての損失である)

障害者が納税者になれば、国の収入も増える。悪いことは何もありません。

そのためには、障害者のほうにも知恵と工夫が必要です。あらゆる手段で、(こいつは戦力になりそうだ)と企業に思わせるのです。その努力をやめないかぎり、障害者が当たり前に働ける社会は遠い夢物語ではありません.

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立石芳樹 (たていし・よしき)

1988年、神奈川県生まれ。生まれてすぐに脳性マヒ(CP)と診断される。中学校の頃から本格的に創作活動を始める。専門はショートショート。趣味は読書と将棋。ツイッター(@dupan216)も始めました。座右の銘は「一日一笑」。

 ・ より良い世界へ希望を込めて アピタルコラムの筆者、立石芳樹さん


障害ある作家の創造性あふれる世界 「生の芸術」裾野広がる

2015年09月08日 01時31分34秒 | 障害者の自立

 フランス語で「生(き)の芸術」を意味し、美術の専門教育を受けていない人たちの作品を指す「アール・ブリュット」への関心が都内でも広がり、中野区などに続いて、十月に立川市で初めて作品展が開かれる。アール・ブリュットの作家は障害のある人が多く、「自立の道が広がれば」と関係者は期待を寄せている。(加藤健太)

 アール・ブリュットは、歴史や流行に左右されず、沸き上がる衝動のままに作家が表現している点が特徴だ。「裸の大将」といわれた画家山下清さんもその一人とされる。人間の可能性を伝える芸術として近年、国内外で作品展が増え、都内では社会福祉法人愛成会(中野区)が二〇一〇年から毎年、JR中野駅一帯で開催。品川区では区が主催し今月十六日から十月十二日まで、しながわ水族館で開かれる。

 多摩地区で初開催となる立川市では、障害のある子を持つ親たちが中心となって市民有志が実行委員会をつくり、今年三月から多摩地区に住む作家に出品を依頼してきた。プロではないが、アート活動として取り組んでいる人たちだ。

 知的、視覚障害のある十四人と四つの作業所が、絵画や陶器などの六十点を出品する。目の見えない作家が感触だけで魚やパイナップルをかたどった焼き物や、ごま粒のような小さな色紙で花々を描いたちぎり絵など、創造性に富んだ作品ばかりだ。「純粋な気持ちの表現が、見る人を感動させる」と、実行委員長の松嵜(まつざき)ゆかりさん(55)はアール・ブリュットの魅力を語る。

 展示を通して作品を知ってもらうだけでなく、作家の自立につなげようと、実行委は企業回りもし、地元の三十九社などから協賛を得た。芸術作品をTシャツやマグカップにデザインするなど、企業と手を組んで商品化していきたいと考えている。

 立川市社会福祉協議会の近藤忠信事務局長は「優れた才能があっても、障害のある作家が自立するのは容易ではない」と指摘する。

 松嵜さんは「作家を知ってもらえば新たな就労につながるはず。アール・ブリュットや一般の公募展などで入賞する実力者も出品しているので魂のこもった数々を見に来て」と呼び掛ける。十月十四日~十八日に伊勢丹立川店で開催。入場無料。

◆五輪向けた都指針でも着目

 二〇二〇年東京五輪・パラリンピックに向けて都が今年三月に策定した文化施策の基本指針「東京文化ビジョン」もアール・ブリュットに着目し、障害者アートへの支援を盛り込んだ。昨年から国のモデル事業も始まり、本年度は全国七都道県で行われている。

 関心の高まりとともに、作品の著作権など作家の権利保護などが課題となり、社会福祉法人愛成会では関係者を対象にした勉強会など開いている。

「作品の放つ力を感じて」と話す松嵜ゆかりさん

2015年9月7日    東京新聞


愛知)発達障害の子、努力ほめよう NPOが講習会

2015年09月08日 01時26分11秒 | 障害者の自立

 発達障害者を支援する名古屋市西区のNPO法人が、子育てに悩む保護者らのための講習を全国に広げる取り組みを続けている。子どもの行動をほめることで成功体験を重視し、子どもと前向きに向き合う好循環を生み出す試みだ。

 「家で気づいたことをどんどん挙げて」。名古屋市内の会議室。中京大の辻井正次教授(臨床発達心理学)の問いかけに、母親らが2人一組になり、子どもとの日常で気づいた点をメモする。辻井教授が代表のNPO法人「アスペ・エルデの会」が主催する講習「ペアレントプログラム」だ。

 この日は13人が参加。「朝なかなか起きない」などと、困りごとばかりこぼす参加者も、子どもとの向き合い方を教わり、実践するうちに前向きになる。

 5歳の男の子の母親(45)は「本人なりに努力していることが分かったし、頭の中が整理できて感情をコントロールできるようになりました」と話した。

 変化を導くポイントは「行動でとらえること」。「だらしがない」と言う代わりに「服を脱ぎっぱなしにする」などと、行動の問題点を子どもに理解しやすくする。そして、「ほめること」。子どもにとって苦手なことでも、努力することをほめ、「次もできる」という気持ちにさせる。成功体験を重ねることで、気持ちを落ち着かせ、次のステップへの意欲を持たせる効果があるという。

■全国レベルの活動に

 アスペ・エルデの会が考案した「ペアレントプログラム」は、苦手なことを叱って無理にやらせるのではなく、努力をしている行動をほめることで子どもの良いところを認めるという「認知の切り替え」が目的だ。孤立しがちな母親らが同じ悩みを抱える仲間と相談しあえる環境にもなる。

 厚生労働省などからの補助も受け、県内だけでなく、避難生活などで子育てが困難な福島県など東日本大震災の被災地でも実施した。今は静岡、鳥取、鹿児島など全国レベルでの活動となっている。発達障害が理解されず、虐待を受けていた子どもを預かる里親も対象にしている。

 「子育てに悩む保護者の抑うつ症状の程度が軽くなる効果も見られた。このプログラムならば、どこでも利用できる」と辻井教授。「発達障害に限らず、子育てに苦しみ、悩む保護者にも広く役立つはず。全国に広げていきたい」と話す。厚労省に対し、国の子育て支援策に盛り込むよう働きかけている。問い合わせは同会のホームページhttp://www.as-japan.jp/別ウインドウで開きますのセミナー申し込みサイトで。

 〈発達障害〉 対人関係などに困難がある「自閉症スペクトラム障害」や計算や読み書きなど特定分野に極端な問題がある「学習障害(LD)」、落ち着きがない「注意欠陥多動性障害ADHD)」などの総称。生まれながらの脳の機能障害が原因とされる。自閉症スペクトラム障害には、自閉症や広汎(こうはん)性発達障害、アスペルガー症候群などが含まれる。理解不足によって当事者だけでなく、周囲の人が傷つく場合もあり、障害の早期発見や支援の充実が課題。

写真・図版

ペアレントプログラムを受講する母親と会話する辻井正次教授(左)

2015年9月7日    朝日新聞


「手話言語法の制定を」 ろう者らが都内でパレード

2015年09月08日 01時15分22秒 | 障害者の自立

 ろう学校での手話教育導入などを規定する手話言語法の制定を求め、全日本ろうあ連盟は8月28日、東京・日比谷公園をスタート地点として霞が関や永田町を練り歩くパレードを行い、約1000人が参加した(写真)。

 手話言語法の制定を求めるパレード

 連盟は、障害者総合支援法が手話通訳者を派遣できる範囲を市町村にゆだねているなど、既存の法律では情報保障が不十分だと主張。2013年10月から手話言語法制定を求める意見書の請願運動を始め、15年6月30日までに地方議会の99%が意見書を採択した。

  14年1月に日本が批准した障害者権利条約は、手話を言語だと規定。障害者基本法を改正した際にも手話を言語に含むとするなど、日本語を学ぶのと同じように手話を学べるようにしようという気運は高まっている。

  自治体レベルでは13年10月の鳥取県の手話言語条例制定を皮切りに、今年8月までに18の自治体が手話に関する条例を施行。また、全国市長会は6月、全国都道府県議会議長会は7月にそれぞれ手話言語法制定を国に提言している。

  連盟はパレード前日の27日、文部科学大臣、厚生労働大臣にそれぞれ法制定を要望。28日午前に参議院議員会館で開かれた決起集会では約20人の国会議員があいさつし、「文部科学省が後ろ向きなら、超党派の議員立法でやろう」といった声も上がった。

2015年0907日     福祉新聞編集部


泉崎で「災害弱者」避難訓練

2015年09月08日 01時10分44秒 | 障害者の自立

 大きな災害が起きた際に自力での避難が難しい体が不自由な高齢者や障害者などを、自治体や地域の住民などが協力して避難させる訓練が6日、泉崎村で実施された。県などの主催で、今後、喜多方市や平田村でも実施される。

 高齢者や障害者には自分で車の運転ができない人がおり、体が不自由な人も少なくない。全員を救急車や救助隊が運ぶことは難しいため、自治体があらかじめ避難で支援が必要な人を把握しておき、近くの住民らが付き添うなどして体が不自由な人でも生活しやすい介護施設や養護学校に案内することが県の指針などで定められている。介護施設などは「福祉避難所」に指定されており、県によると、指定は今年3月末時点で47市町村の320施設に上るという。

 訓練は、台風の大雨の中で震度6弱の地震が起き、土砂崩れ発生の恐れがあるため避難が必要になったとの想定で実施された。泉崎村関和久で一人暮らしする美馬幸子さん(80)宅には午前9時頃、村職員から避難の準備を促す電話が入り、美馬さんの避難支援を担当する近所の下重勝男さん(75)の車で近くの集会所へ。さらに福祉避難所に指定されている村保健福祉総合センターに移動した。

 美馬さんは「車の運転ができず1人では避難所まで行けないので、迎えに来てくれる人がいると安心です」と感謝し、下重さんは「日頃から住民同士の連絡を密にして、災害時に決められた行動ができるようにしたい」と話していた。

警察官らに付き添われて避難所に向かう美馬さん(左)(6日、泉崎村で)

警察官らに付き添われて避難所に向かう美馬さん(左)

2015年09月07日 Copyright © The Yomiuri Shimbun