ゴエモンのつぶやき

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障害者の進学 割れた大学の判断 1校合格、2校が難色

2016年07月04日 11時04分11秒 | 障害者の自立

両手の杖で体を支えながらキャンパスの坂を上り、講義へ向かう男子学生=4月26日、東北地方の国立大

 障害を理由にした差別を禁じる「障害者差別解消法」が施行された今春、障害を持つ男子学生が、国立大学に進学した。大学の支援を受け、医療工学の研究を志して学んでいるが、受験時に別の大学から入学に難色を示される経験をした。大学の判断はなぜ分かれたのか。

脳性まひで足に障害

 東北地方の国立大キャンパス。1年生の男子学生(19)は両手の杖で体を支え、下半身を振り出すように歩き、講義へ向かっていた。生まれた時の脳性まひにより体幹機能の障害がある。足が不自由で、支えなしで立つことが難しい。

 4月、生まれ育った和歌山県を離れ、大学の寮で一人暮らしを始めた。

 「いろんな刺激を受けて成長してほしい」という両親の思いで、幼い頃から水泳や将棋に挑戦した。小学4年生の時、脳性まひで成長が遅れた両足の腱(けん)の手術のため3カ月入院。「なんでこんな足で生まれたんや」。母親に大声を出したこともあった。

 小6のころ、「自分の障害を治さないまま死にたくない」と思うようになった。公立高校で科学部の部活動に打ち込み、浪人して、医療工学を学べる国立大の生命科学系学科に合格した。

 国立大側は昨年春、障害者差別解消法の施行に備え、障害のある学生の支援室を設置。入試前に試験時間の延長など男子学生への配慮を話し合った。入学後も専任教員が定期的に面談し、学内の段差の舗装や学食での配膳の補助などの支援を続けている。

 学部長は「誰でも入試に合格すれば、大学で勉強する権利がある。設備や実習にどんな配慮が必要か、相談しながら私たちも学びたい」と話す。

 4月末の数学の講義後、他の学生が帰った教室で、男子学生は教員に30分近く質問を続けていた。「自分の障害のこと、もっと知りたい。そのために大学院へ進んで研究をがんばる」

■受験に壁 「実験で劇薬使う」「共に学ぶ学生へ配慮」

 男子学生が受験を相談した中には「就学は難しい」と答えた大学もあった。

 ログイン前の続き男子学生は1月16、17日の大学入試センター試験自己採点し、志望先を変更。多くの大学は障害のある受験生に事前の相談を求めている。男子学生は別の公立大に電話で問い合わせ、診断書などを送った。公立大と両親らは3日間電話でやりとりをした。

 公立大や母親によると、担当者は「劇薬や病原性微生物を扱う実験があり、細かい手技も求められるため、就学は難しい」と出願の再考を求めた。後日、大学が送った通知文にも「就学及び卒業は難しい」「本人及び共に学ぶ学生への配慮でもあります」とあった。

 公立大では25日に学部内で協議し結論を出したという。学部長は取材に「自分で実験することに価値を見いだす学部で、実験ができなければ本人が満足できるか不安があった」と言う。副学長は障害者差別解消法が大学側に求める「合理的配慮」について、「配慮することは基本だが、どんな配慮ができるか判断する時間がなかった。断ったわけではなく言葉足らずだった」と説明した。

 男子学生はこの公立大をあきらめ、同30日、前年も受験した別の国立大に連絡したが、今年は就学に難色を示された。受験の出願締め切りは2月3日だった。

 入試課長は取材に、障害がある受験生の相談期限を過ぎていたとし、「就学上の課題を議論する時間がなかった。課題がクリアできる前提で受験してもらうべきだと判断した」と話す。

 男子学生は「断られたことに腹は立つけど、今は大学に通えているから考えない」と言う。母親は「障害のために他の受験生と同じ機会がなかったことは残念。今通う大学の支援には、本当に感謝しています」と語る。

 文部科学省の担当者は「大学が、求められた配慮について具体的に一つずつ検討することが法の趣旨だ。意欲と能力がある学生には、様々な支援をするのが望ましい」と話す。(玉置太郎)

 《障害のある子どもの進学を支援する「DO―IT Japan」代表の近藤武夫・東大准教授の話》 大学は当事者と対話して個別の配慮を考えるべきで、最初から負担が重すぎて無理だと判断するのは、教育の機会を奪うことになる。理系の実験に補助者を付ける例はあり、海外では差別的な対応への不服申立機関を設ける大学も多い。大学が個別の配慮を模索することで、その配慮が当たり前になる。そんな態勢づくりが一層求められる。

 《障害者差別解消法と大学》 4月施行の障害者差別解消法は、障害者への不当な差別的取り扱いを禁じ、障害者が壁を感じずに生活できるよう、負担が重すぎない範囲の「合理的配慮」を公的機関に義務づけた。文部科学省は昨年11月、各大学に指針を通知。禁止の例として「障害のみを理由とした受験や入学の拒否」を示し、配慮の例に「理工系の実験ができない学生に個別の実験時間を設けたり、アシスタントを付けたりする」を挙げた。

 全国の約60大学は2014年に支援協議会を設立。支援室を設ける大学も増えている。日本学生支援機構によると、全国の大学・短大・高専に通う障害のある学生は14年度に約1万4千人。5年前の倍になったという。

  写真・図版 

両手の杖で体を支えながらキャンパスの坂を上り、講義へ向かう男子学生=4月26日、東北地方の国立大

 http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/

朝日新聞デジタル   朝日新聞


選手団のボランティア養成本格化 障害者スポーツ大会

2016年07月04日 10時57分28秒 | 障害者の自立

 10月開催の全国障害者スポーツ大会に出場する選手らの出迎えや介助、誘導などを担う選手団サポートボランティアの養成講座が1日、盛岡市菜園の盛岡社会福祉専門学校(久保栄子校長)で開講した。同校で17の協力校全てが出そろい、今後総勢1270人の学生ボランティア養成が本格化する。日ごろ学んだ知識と技術を生かし、選手に一番近い存在として来県から離県まで最長6日間選手に寄り添い、心身両面で全力プレーをサポートする。

 同日は同校の学生84人が受講。県の大会実行委の佐藤秀雄主任が、昨年のわかやま大会の映像を使って障害者スポーツやボランティアの内容を紹介した。

 学生ボランティアは車いすの移動経路の確認や練習時の飲み物の準備、当日の応援や写真撮影など、大会が円滑に進むようきめ細かくサポートする。選手の出迎えから見送りまで選手と共に行動し、競技の喜びや悲しみを共に味わう。

 同実行委はボランティアに協力する県内の17校に同様の説明会を開催。大会本番に向けて各校が自主研修を積み、個人6、団体7競技の選手団約5500人を迎え入れる体制を整える。

【写真=ボランティアの役割を学ぶ学生】

(2016/07/02)  岩手日報

(6)障害者福祉 「65歳問題」向き合って

2016年07月04日 10時50分47秒 | 障害者の自立

◆社会福祉法人理事長・町田初枝さん

 「政治の力は大きいと思いますね」。川越市で障害者のために作業所やグループホームなど生活の場をつくり続けてきた社会福祉法人「皆の郷」理事長の町田初枝さんは言う。

 町田さんは一九七九年に養護学校(現特別支援学校)が義務教育化される前から、重度の障害がある長男のために他の母親たちとバスを連ねて県庁へ陳情に通うなど、障害児の就学運動に取り組んできた。「当時の畑和(はたやわら)県政は義務化に合わせて、他県にはないところもあった高等部をつくってくれた」

 しかし、高等部を卒業すると重度の障害児を受け入れてくれる作業所は当時なく、町田さんは「十八の春」を迎えて行き場のない子どもたちを持つ母親たちと奔走。八七年、皆の郷の前身となる無認可の小規模作業所開設にこぎ着けた。

 今では入所施設や生活支援センター(訪問介護など)のほか、六つのグループホームや作業所・福祉の店六カ所を運営し、障害者約二百人が働く。利用者の親らでつくる「支える会」が、チャリティーコンサートや物品販売で年約一千万円を集め、法人に寄付する。「そこまでやらないと、私たちが必要と考える支援ができないんです」という。

 障害者への福祉サービスの提供を一元化する目的で二〇〇六年、障害者自立支援法(現障害者総合支援法)が施行された。サービス利用者に負担を求めることになったが、障害が重いほど負担が大きくなることが問題となり、集団訴訟などを経て負担の軽減が進んだ。

 精神障害があり、昨年から作業所に通う飯島あやこさん(43)=仮名=は「通う前は家に一人でいられなかったが、今は気持ちが安定して生活が百八十度変わった」という。ただ、夫に収入がある飯島さんの場合、今の制度では施設利用料や給食費の軽減が受けられず、報酬をもらっても毎月一万円強の赤字になる。「障害者年金から利用料を払っている。利用料や給食費を皆と同じにしてほしい」と訴える。

 町田さんが今、頭を悩ませているのは、グループホームの増設や「六十五歳問題」。「アパートを貸してくれるという人がいるが、市街化調整区域にあることから市の許可がなかなかおりない」という。自立支援法施行で六十五歳以上の障害者は介護保険制度に移行しなければならなくなった。「皆と一緒に働きたいのに、デイケア施設に移行した仲間がいる。せめて自分で制度を選べるようにできないでしょうか」

「入所者の場合、外出の移動支援が使える市と使えない市があり、自治体によってサービスに違いがある」とも語る町田初枝さん

2016年7月3日   東京新聞


埼玉の障害者就職3539件で最高 27年度 6年連続で更新

2016年07月04日 10時44分31秒 | 障害者の自立

 県内のハローワークを通じた平成27年度の障害者の就職件数は前年度比12・2%増の3539件で、6年連続で過去最高を更新したことが2日、埼玉労働局のまとめで分かった。増加率が全国平均(6・6%)を上回るのは24年度以来3年ぶり。

 同局によると、就職件数の内訳は、精神障害者1558件(同21・6%増)▽身体障害者1051件(同5・8%増)▽知的障害者831件(同3・2%増)▽発達障害など、その他の障害者99件(同30・3%増)-だった。

 産業別では、「医療・福祉」が1190件で全体の33・6%を占め、「製造業」510件(14・4%)▽「卸売業・小売業」483件(13・6%)▽「複合サービス事業、サービス業」480件(同)-と続いた。

 新規求職申込件数は精神障害者が同15・9%増の4073件、その他の障害者は同21・6%増の372件で増加が顕著だった。

 障害者雇用促進法に基づく民間企業(従業員50人以上)の法定雇用率は2・0%となっており、同局は「達成に向けた企業の動きが進んでおり、理解も深まっている」との見方を示した。

2016.7.3  産経ニュース


義足ジャンパーのレーム、五輪断念「時間と政治的事情」

2016年07月04日 10時37分16秒 | 障害者の自立

 男子走り幅跳びで8メートル40の障害者世界記録を持つ義足のマルクス・レームドイツ)が8月のリオデジャネイロ五輪出場を断念した。国際陸上競技連盟との1日の話し合いで、レームが希望を取り下げた格好になった。自身のウェブサイトで「時間と政治的な事情」を理由に挙げた。

 国際陸連は昨年、選手自身がカーボン製の義足に優位性がないと証明することを参加条件に設定。レームは専門家の協力を得て、義足の優位性を否定する科学データを今年5月末に公表した。研究チームに加わった産業技術総合研究所の保原浩明研究員は「助走で不利、踏切で有利の要素があるが、現時点で有利とはいえない。ただどちらに重みがあるかは分からない」と話していた。短距離などの周期運動に比べ、複雑な動きが絡み合う走り幅跳びの研究は少なく、国際陸連は6月の理事会で「証明は十分ではない」と結論を持ち越していた。

 レームは今後、義足の優位性の有無を検証する作業部会のメンバーとして、来年の世界選手権に向けたルール改正の協議に加わる。

 レームの出場断念について、同じ走り幅跳びの義足選手で日本記録保持者の中西麻耶は「五輪で活躍する姿を見たかった。時間的な制約からパラリンピックに集中するために下した判断だと思う」と思いやった。

 中西自身は大分県内の競技会で健常者とともに戦い、刺激を受けてきた。それだけに「パラアスリートが健常者により近い場所で戦いたいと思うのはごく自然なこと。そのために規定を作り、明確な形で出場できる道を示して欲しい」。

 保原研究員は「データに対する国際陸連の判断が示されていない」と指摘しつつも、「規定を作るための作業部会に競技者が入ったのは公平性を保つ意味で悪いことではない。将来の(義足選手の)五輪出場への可能性を残したという点では一歩前進と言えるのではないか」と話した。

写真・図版 

チェコで行われた「ゴールデン・スパイク」に出場したマルクス・レーム=AP

2016年7月2日   朝日新聞デジタル