ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

職場の障害者虐待、15年度は倍増の970人

2016年07月30日 04時28分18秒 | 障害者の自立

厚労省まとめ

 職場で雇用主や上司らに虐待された障害者が2015年度に507事業所で970人に上り、14年度の約2倍になったことが26日、厚生労働省のまとめで分かった。賃金不払いなど経済的虐待が算出方法の変更で大幅に増え、ほかの種類の虐待も増加。厚労省は「12年に施行された障害者虐待防止法が浸透し、通報などが増えたことが要因とみられる」としている。

 1926人について通報や届け出があり、労働局が立ち入り調査などで970人を認定。

 種類別(一部は重複)では、経済的虐待が855人と最多だった。従来は賃金不払いに障害者以外も含まれている場合は、虐待として数えていなかったが、今回から計上したことで前年度の419人から倍増。そのほかは心理的虐待が75人、身体的虐待73人、性的虐待10人などだった。

 障害の種別では、知的障害が553人と最も多く、身体障害209人、精神障害202人など。業種別では製造業が最多で、中小の事業所が大半を占めた。労働局は978件の是正指導などを行った。

2016年07月28日    佐賀新聞


都知事選 障害者の望みは… 心のバリアフリー進めて

2016年07月30日 04時16分44秒 | 障害者の自立

 東京都内では六十四万人が障害者手帳を持つ。耳が聞こえない。目が見えない。でも、都知事選の候補者の言葉を聞き逃すまい、見逃すまいとしている。「私たちのために、どんな政策を用意しているのですか」と問い掛けながら。 (都政取材班)

 「障害者も人間として生きている。障害者なりの楽しみがある。『いなくなればいい』というのは、おかしい」。相模原市の障害者施設殺傷事件で逮捕された植松聖(さとし)容疑者(26)の差別に満ちた供述を知り、都聴覚障害者連盟の越智(おち)大輔事務局長(59)=板橋区=が憤る。

 都知事選の最中に事件が起き、障害者の人権がクローズアップされた。「都には手話言語条例もない。私たちへの理解はまだまだ足りないんです」

 安心して手話を使えるようにと、普及を目指す手話言語条例。都道府県では八県が制定したが、都にはない。連盟などが、連絡先の分かる都知事候補五人に条例制定の是非を問うアンケートを送ったら、答えたのは二人だけだった。

 六歳の時に聴覚を失った。困るのは、買い物や外出先のトラブル時。筆談やジェスチャーで意思が通じるはずなのに、面倒くさそうにする健常者がいる。

 「それが悲しい。障害者が暮らしやすいハード面の整備も必要だが、心のバリアフリーが必要。条例があれば、都民の認知度が違ってくるはずだ」

 約二十年前、二歳だった次女が本棚の角に頭をぶつけ、耳から出血した。タクシーで病院に運んだが医師の説明が分からず、心配でならなかった。

 今は救急車はメールで呼べるが、病院で医師と意思疎通ができない状況は変わらない。都は今月、都立施設などにタブレット端末を設置し、画面を通して手話通訳する事業を始めた。ただ、当面の設置場所は六カ所に限られ、対応も昼間だけ。「夜中は通訳が手配できない。すべての病院や交番に、二十四時間体制のシステムを広げてほしい」

 障害者団体「きょうされん」の調査では、福祉施設に通う障害者の八割が年収百二十二万円以下だ。日本障害者協議会の藤井克徳代表(67)=小平市=は「障害者の暮らしは、本人の我慢と家族の犠牲の上に成り立っている」と指摘する。

 藤井さんは全盲で、通勤の際は娘や、職場の経費で頼んだ介助者が付き添ってくれた。「でも介助や支援がないため、就職を断念する障害者が少なくない」

 都はかつて、重度障害者の作業所や障害児の学童保育の助成など、国に先駆けた施策を打ち出した。二〇〇〇年代に入ると、そうした支援は財政難などを理由に後退した。「国の制度からこぼれた人を助ける『すき間福祉』。それを、都知事が打ち出してほしい」

都政に望む障害者支援について、手話で語る越智大輔さん

(東京新聞) 2016年7月29日 


「障害者に人格はあるのか」にどう答えるか 相模原・障害者施設殺傷事件

2016年07月30日 04時09分12秒 | 障害者の自立

神奈川県相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で起きた、戦後最悪の大量殺傷事件。私たち1人ひとりの、障害者のとらえ方が問われる事件と言えるだろう。

 植松聖容疑者は事件の起きた施設に勤務していたが、今年2月に衆院議長に「障害者は安楽死させるべきだ」との内容の手紙を渡している。施設でも同様の発言を繰り返したことで退職。「そう病」と診断されて措置入院をしたが、「他人を傷つけるおそれがなくなった」とされ、3月に退院していた。

 今月28日には、入院中に「ヒトラーの思想が降りてきた」と話していたことが明らかになっている。

 

障害者殺戮の背景にある「ヒトラーの思想」

容疑者のいう「ヒトラーの思想」とは、「ドイツ民族を世界一の民族にする」という名目で行われた、ナチス・ドイツの優生政策にあたると考えられる。1939年以降、約7万人の障害者が安楽死させられ、その後のユダヤ人大虐殺へと繋がっている。

 今回の事件の容疑者が衆院議長あてに書いた手紙には、「重複障害者に対する命のあり方は未(いま)だに答えが見つかっていない所だと考えました。障害者は不幸を作ることしかできません」とある。「重複障害者」とは、身体障害や知的障害など、複数の障害を持つ障害者のことで、介護の負担が大きいのも事実だ。

 この手紙には、犯行を計画した動機として、「保護者の疲れきった表情、施設で働いている職員の生気の欠けた瞳」を指摘。「障害者は人間としてではなく、動物として生活を過しております」と記している。

 この施設にいた障害者は、働くことが難しく、会話もままならない重度の障害者が多かった。なかには、「強度行動障害」があり、周りや自分に危害を加える障害者もいたという。こうした障害者の、人間としての尊厳をどうとらえるかが問題になるだろう。

  

障害者には人格があるのか

目に映る障害者の姿だけを見ていては、答えを出すのは難しい。

 しかし、「障害があっても魂は完全」という考えに基づき、障害児支援に取り組む一般社団法人ユー・アー・エンゼルの理事長である諏訪裕子氏は、このように語る。

 「障害者に人格があるのは当然です。彼らにも心があり、まわりで起きたことを感じ取っているし、『思い描く』という創造活動をしています。その思いを、言葉として引き出す支援方法も、障害児支援の世界にはあります。

目に見える行動を取り上げて、内面もそうだろうと結びつけてはいけないんです。内面は豊かでも、それがうまく表現できないだけなんです」

 一般的に、幼児の頃に障害を負うと、知能の発達は止まったままだとされている。しかし、それはどうやら事実ではないと分かってきた。

 1歳10ヵ月で寝たきりになり、体のどこも自由に動かすことができず話すことも全くできなくなった少年が、17歳の時、スイッチワープロによって引き出された言葉は非常に高度な内容のものだった。

 「苦労をかけて母さんには本当に申し訳ないです。わたしたちにも言葉があるとなぜ分かったのですか」「どうしてみんな分かっていると思われないのかとても歯がゆい思いをしてきましたが分かってもらえて幸せです」(『障害児をはぐくむ魔法の言葉 ユー・アー・エンゼル!』より。原文ひらがな)

 このように、言葉をつづる障害者の多くが、まず家族への感謝を表そうとするという。周囲の人への感謝の思いを持つことは、健常者も見習うべき高い精神性であることは言うまでもない。こうした事実を知ってなお、「障害者は役に立たないので迷惑をかける」と断じることができるだろうか。

 見る目が変わると行動が変わる

さらに、周囲の人々の障害者への見方を変えると、本人の行動が変わる例も珍しくないという。

 「ユー・アーの活動に参加する障害児の皆さんには、『自傷行為がなくなった』『会話できるようになった』『歩けるようになった』『文字を書けるようになった』などと、奇跡的なことが起きることも珍しくありません。でも、それは子どもが進歩したというよりも、もともとそうだったことを、まわりが発見できるようになったということなんです。変わったのは本人ではなく、まわりの見方の方なんです。まわりの見る目が変わると、内面を表現しやすくなるのだと思います」

 逆に言えば、「障害者はこちらの言っていることが何も分からない」「幼児くらいの知能しかない」という目で見ることは、障害者本人の自尊心を傷つけ、実態と合わない支援を押し付けることになりかねないということでもあるだろう。

 「肉体が全て、と考えるよりも、魂が肉体に宿っていると考えた方が実態に近いし、結果的に子供が伸びるんです」(諏訪氏)

 すべての人が生きる意味を持っている

諏訪氏は「最初は不幸の種と見えていた我が子の障害が、幸福の種に変わっていったという方も数多くいらっしゃいます」という。障害があるから本人も家族も不幸である、という見方もまた、一方的な決めつけであるということだ。

 「障害者をどうとらえるか」ということは、この世に生きるすべての人に関係がある。自分や家族が、事故や病気で突然、障害者になることがないとは言えないからだ。また、高齢になって身体機能が衰えたり、認知症を患うことがあれば、一人で生活するのは難しい。

 競争社会で認められるか否か、という物差しだけでしか自分を捉えられず、自分自身の存在価値を見失う人も少なくない。「愛」や「魂の救済」の本当の価値を、障害者はその姿で教えてくれている。

2016.07.28   The Liberty Web


措置入院後の支援体制検討=障害者殺傷事件受け-政府

2016年07月30日 04時00分30秒 | 障害者の自立

 政府は28日、相模原市の障害者施設で入所者が殺傷された事件を受け、首相官邸で関係閣僚会議を開いた。逮捕された容疑者が殺人をほのめかし2月に措置入院していたことから、再発防止に向け、退院後の患者の支援体制の在り方などを検討していくことを決めた。

 安倍晋三首相は会議で「事件を徹底的に究明し、再発防止、安全確保に全力を尽くしていかなければならない」と強調。その上で、「施設の安全確保の強化、措置入院後のフォローアップなど必要な対策を早急に検討し、できることから速やかに実行に移してほしい」と指示した。
 措置入院は、精神保健福祉法に基づき、精神疾患で他人に害を及ぼすなどの恐れが生じた場合、都道府県知事が強制的に入院させる制度。治療で症状がなくなれば、退院させなければならない。厚生労働省によると、2013年6月末時点で1663人が入院している。 
 事件では、「容疑者の措置入院解除後のフォローアップが十分でなかった」との指摘が出ている。政府は今後、措置入院と解除の判断の在り方、退院後の継続的な支援体制に加え、警察や関係団体との情報共有、施設の安全確保策などについて検討する。
 関係閣僚会議は首相、菅義偉官房長官のほか、塩崎恭久厚労相、河野太郎国家公安委員長らが出席した。自民党も近く厚生労働部会などの合同会議を開き、対応策を検討する方針だ。

障害者施設の殺傷事件に関する関係閣僚会議で発言する安倍晋三首相(左から2人目)=28日午後、首相官邸 

障害者施設の殺傷事件に関する関係閣僚会議で発言する安倍晋三首相(左から2人目)

(2016/07/28-時事通信


今だから知っておきたい 4月施行「障害者差別解消法」が目指す社会

2016年07月30日 03時39分59秒 | 障害者の自立

 7月26日、神奈川県相模原市の知的障害者施設で19人の入所者が殺害される痛ましい事件が起こりました。逮捕された容疑者は、障害を持つ人に対する偏った思いを犯行動機に挙げています。
 
 実はこの4月から、障害を理由とした差別の解消推進を目的とした「障害者差別解消法」が施行されています。この新しい法律は、障害の有無で分け隔てられることなく、互いに人格と個性を尊重しながら共生する社会の実現を目指して制定されました。いったいどんな法律なのでしょうか。

「理由のない差別」を禁止 「合理的な配慮」を義務化

  「障害者差別解消法」は(1)障害を理由とした差別的な取り扱い、権利侵害の禁止、(2)社会的障壁を取り除くための「合理的な配慮」、(3)国が差別や権利侵害を防止するための啓発・知識を広めるための取り組みを行わなければならない、などと定めています。

 具体的には、「聴覚障害者が病院を受診する際に、筆談の時間が確保できない理由で診察拒否に合う」、「盲導犬を連れた人がレストランの入店を断られる」といった行為が、心身の機能障害、あるいは障害に関連したことを理由とした排除・制限となり、(1)の不当な「差別的取り扱い」にあたります。

 また「知的障害の人にるびをふったり、わかりやすい言葉で書いた資料を提供する」、「精神障害がある職員の勤務時間をラッシュ時の満員電車を利用しなくてよいよう変更する」といったサービスやルールの変更、「車椅子利用者のために建物入り口のスロープ設置」などの設備変更、「視覚障害の職員用のパソコンに音声読み上げソフトを導入する」補助器具の導入等が、(2)の「合理的な配慮」になります。

 法律の対象は、国の行政機関、地方公共団体、個人事業者を含む民間事業者です。例えば、同一の民間事業者が、繰り返し障害を理由とする差別を行い、自主的改善が期待できない場合、事業者の所管の大臣が、報告を求められるほか、助言・指導、勧告を行うことができます。虚偽の報告や報告を怠った場合罰則(20万円以下の過料)が課せられます。ただ「合理的配慮」については、民間事業者は「努力義務」にとどまっています。また、個人的な関係で障害のある人に接する場合は、対象になっていません。

 このほか、国と自治体に義務付けた差別解消の取り組みとして、相談窓口や紛争解決機関になる「障害者差別解消支援地域協議会」の設置を可能にしています。

この協議会は地域の保健所、福祉事務所といった既成の機関のほか、各協議会が必要と考えた学識経験者やNPO法人なども構成員に盛り込むことが出来ることになっています。「制度の谷間」や「たらい回し」が起こることのない関係ネットワーク機関の構築を目指しているのです。

国連の障害者権利条約批准に向けた動きがきっかけ

 そもそも、この法律はどうして設けられたのでしょうか。
 2006(平成18)年、国連で障害者の権利に関する条約(障害者権利条約)がつくられました。条約は、障害者も社会の一員として尊厳をもって生活することを目的とし、障害に基づく差別をなくすことが原則のひとつに盛り込まれました。欧米など海外では、既に多くの国が障害者の差別を禁止し、日常生活・社会生活を送る機会の平等を保障する法律がありました。

 日本も翌2007(同19)年、障害者権利条約に署名をしました。ただ国内には、「身体障害者福祉法」など障害者の福祉に関する法律はありましたが、批准に向け、差別を禁止した法律をつくることと、障害の有無に関わらない社会参加の平等を盛り込んだ法整備を進める必要がありました。そのため、「障害者基本法」の改正、「障害者総合支援法」成立など制度改革をすすめ、ようやく2013(同25)年に「障害者差別解消法」が成立、本年度施行の運びとなったのです。ちなみに「障害者差別解消法」成立の翌2014(同26)年、日本は、障害者権利条約の140番目の締約国になりました。

 あくまで、障害者権利条約も障害者差別解消法も、障害者のための新たな権利を作ることや、優遇することを目的としたものではありません。障害にかかわらず、勉強や社会参加で平等な機会を保障するため、何が差別か判断できる“ものさし”になることも期待された法律です。そのため、障害者差別解消法は、施行から3年後には内容見直しを行うことも決まっています。

障害者の団体からは事件に関する声明が

こうした障害の有無に関わらない共生社会を目指した法律施行が実現したにもかかわらず、凄惨な事件が起きました。NPO法人DPI(障害者インターナショナル)国際会議や、知的障害者とその家族でつくる「全国手をつなぐ育成会連合会」など、障害者団体が相次ぎ、声明を出しています。全国手をつなぐ育成会連合会が27日「障害のあるみなさんへ」発表した声明の全文は以下のとおりです。

津久井やまゆり園の事件について
(障害のあるみなさんへ)

7月26日に、神奈川県にある「津久井やまゆり園」という施設で、
障害のある人たち19人が 殺される事件が 起きました。
容疑者として逮捕されたのは、施設で働いていた男性でした。
亡くなった方々の ご冥福をお祈りするとともに、そのご家族には お悔やみ申し上げます。
また、けがをされた方々が 一日でも早く 回復されることを 願っています。

容疑者は、自分で助けを呼べない人たちを 次々におそい、傷つけ、命をうばいました。
とても残酷で、決して 許せません。
亡くなった人たちのことを思うと、とても悲しく、悔しい思いです。

容疑者は「障害者はいなくなればいい」と 話していたそうです。
みなさんの中には、そのことで 不安に感じる人も たくさんいると思います。
そんなときは、身近な人に 不安な気持ちを 話しましょう。
みなさんの家族や友達、仕事の仲間、支援者は、きっと 話を聞いてくれます。
そして、いつもと同じように 毎日を過ごしましょう。
不安だからといって、生活のしかたを 変える必要は ありません。

障害のある人もない人も、私たちは 一人ひとりが 大切な存在です。
障害があるからといって 誰かに傷つけられたりすることは、あってはなりません。
もし誰かが「障害者はいなくなればいい」なんて言っても、
私たち家族は 全力でみなさんのことを 守ります。
ですから、安心して、堂々と 生きてください。

平成28年7月27日
全国手をつなぐ育成会連合会  会長   久保  厚子