NPO法人「障がい児・者地域サポートふれあい」(足寄町旭町1、藤原茂理事長)が今年、設立10周年を迎えた。障害者に寄り添い、安心して暮らせるための就労支援や健常者との交流を図ってきた。20日午後6時から、町内の飲食店「熊の子」で記念式典を開き、節目を祝うとともに障害者福祉の担い手としての思いを新たにする。
同法人は2004年4月、町が町生涯学習館(旧足寄東小)に開設した地域共同作業所「ふれあいホーム」が前身。同ホーム利用者の保護者会が運営していたが、06年6月にNPO法人の認証を受け、翌7月に法人登記した。
同年11月、役場新庁舎の供用開始に合わせて、1階に障害者が働く店「喫茶きらり」を出店、09年には就労継続支援B型事業所となった。11年には道の駅あしょろ銀河ホール21北側の多目的観光交流施設内に福祉の店「ゆめ風ひろば」を開店。両店とも健常者との交流の場となっている。
現在、20~63歳の23人(定員20人)が登録。生涯学習館や町子どもセンター、町児童館などの清掃、犬用おやつや町産おが粉を使った着火材の製造・販売、古紙回収などを行っている。このうち、着火材は町内の林業グループ「あしょろ岐志会」やペレットストーブ販売のマルショウ技研(菅原智美社長)が開発に協力するなど支援の輪が広がっている。また、障害児・者の家族の就労支援や介護の負担軽減を目的とした地域生活支援事業所「えくぼ」(登録者14人)を運営し、利用者の日中一時預かりも行っている。
法人の役職員はパート職員を含め12人。藤原理事長(68)は「行政や民間の理解と協力で就労場所や利用者が増え、順調に10年を迎えることができ感謝している。今後も障害者の生活を支えていきたい」と話している。
障害者が働く「喫茶きらり」(役場庁舎1階)。役場職員や来庁者に利用されている
2016年7月12日 十勝毎日新聞