ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

障害者向けに著作物の変換認める「マラケシュ条約」ネットで絶賛…日本でも必要?

2016年07月16日 20時12分44秒 | 障害者の自立

視覚障害者などえが著作物に触れることができるよう、出版物を点字やオーディオブック、電子書籍といったフォーマットに変換して提供することを著作権保護の例外とする「マラケシュ条約」が9月30日に発効する。

 世界知的所有権機関(WIPO)によると、条約の発効には20カ国が批准が必要だったが、6月30日にカナダが批准したことで条件が整った。日本はまだ条約を批准していないという。

 ネット上では、「素晴らしい規制緩和」「情報格差を埋める取り組み」など絶賛する声が相次いだ。一方で、「日本の現状はどうなっているのか」と、日本における障害者向けの著作物の取り扱いを気にする声もあった。

 「マラケシュ条約」が発効することにはどんな意義があるのか。日本では、出版物などを点字、オーディオブックなどに変換して公表することは、著作権法上どのように扱われているのか。著作権の問題に詳しい雪丸真吾弁護士に聞いた。

 ●日本では、障害者のために著作権を制限することが既に実現

 「日本はまだマラケシュ条約を批准していませんので、条約が発効することが、直ちに日本に影響を与えることはありません」

 雪丸弁護士はこのように述べる。日本の法制度の現状はどうなっているのか。

 「実は日本の著作権法には、現状既に第37条及び第37条の2という条文が用意されており、障害者の方のために著作権を制限することが実現されています。

 たとえば、37条3項では、視覚障害者の方が利用できるように、公表された著作物の文字を音声に変更したり、『利用するために必要な方式により、複製し、又は自動公衆送信(送信可能化を含む)を行うことができる』と定められています。37条の2は聴覚障害者の方のための規定です」

 障害者が利用できるように著作物をオーディオブックや点字に変換することは、著作権の侵害にはならないということだ。すでにこうした法整備がされているということは、日本がマラケシュ条約を批准する必要がないということだろうか。

 「そうとは言い切れません。

 マラケシュ条約では、視覚障害者に加えて、身体障害で読書をするために書籍を保持したり、手で扱うことができなかったりする人や、目の焦点を合せたり、目を動かすことができなかったりする人も保護の対象に含まれています。

 現行著作権法よりも保護対象が広く、この点に改正の必要性を見出すことはできるでしょう。

 ただ、日本は2009年の改正で大幅な拡充がなされた経緯もあり、今般のマラケシュ条約発効を受けて同条約の批准や、著作権法の改正が急ピッチで進んだりするといった情勢ではどうもなさそうです。

 なお、2010年には、関係当事者間の合意で『図書館の障害者サービスにおける著作権法第37条第3項に基づく著作物の複製等に関するガイドライン』(http://www.jla.or.jp/portals/0/html/20100218.html)が作成されました。

 この別表1※では、著作権法第37条3項により複製された資料を利用できる『視覚障害者その他視覚による表現の認識に障害のある者』として、次のような方たちが広く含まれることになっています。

こうしたことからすれば、日本では、マラケシュ条約を実質的に既に実行していると評価することも可能かもしれません」

雪丸弁護士はこのように述べていた。

※別表1

視覚障害、聴覚障害、肢体障害、精神障害、知的障害、内部障害、発達障害、学習障害、いわゆる「寝たきり」の状態、一過性の障害、入院患者、その他図書館が認めた障害

 (弁護士ドットコムニュース)


障害で「命の差別」しないで 死亡逸失利益巡る裁判が本に

2016年07月16日 04時02分05秒 | 障害者の自立

 障害者施設内の事故で亡くなった知的障害のある少年が、「将来得られる利益はゼロ」と算定されたのは「命の差別」だとして遺族が訴えた裁判の記録が本になった。逸失利益約七百七十万円を賠償金に盛り込むことで成立した和解から四年余り。「障害者の命の価値を巡る状況は、残念だが今も変わっていない」と、家族と担当弁護士は訴える。

 本のタイトルは「晃平くん『いのちの差別』裁判」(風媒社)。執筆者の一人で、裁判を担当した岩月浩二弁護士は「お金を稼げるかどうかで命が判断される。そんな差別が公然と行われていることを、記録として残す意味がある」と話す。

 少年は、重度の知的障害があった名古屋市守山区の故伊藤晃平さん=当時(15)。名古屋市北区の短期入所施設に宿泊していた二〇〇七年十二月二十二日早朝、階段を下りようとして転落、頭を打って死亡した。

 施設側は管理体制の過失を認めたが、施設が保険に加入していた損害保険会社が算出した賠償額は約千五百万円。同世代の健常者の四分の一だった。障害のため、晃平さんが将来働いて得るはずだった収入を意味する「逸失利益」をゼロと見積もったためだ。

 遺族は施設側に逸失利益四千万円を含む約七千六百万円の損害賠償を求めて名古屋地裁に提訴。一二年三月、施設側が約三千七百万円を支払うことで名古屋地裁で和解が成立した。「就労の可能性はあった」として、障害年金一級の受給額を算定基礎とする逸失利益七百七十万円に、慰謝料などを加えた額だった。

 当時は青森、札幌両地裁で知的障害者の逸失利益を認める判決と和解が相次いでいた。ただ、弁護を担当したもう一人の中谷雄二弁護士は「先の二例は重度の障害者だったが、晃平君は最重度。その点で画期的な和解だった」と振り返る。

 社会的にも注目を集めた和解。だが、四年以上が経過した今も、障害者を巡る状況は改善したとは言い難いという。岩月さんは「晃平君以降、障害者の逸失利益を認めた例はない」と首を振る。

 収入を基に逸失利益を算出する考え方は一九六〇年代、交通事故の損害賠償額を求める方法として定着。今でも主流だが、主婦や年収が低い人の賠償額が低く抑えられ、平等をうたう憲法の理念とは矛盾する。

 障害者権利条約が二〇一四年に批准され、障害者差別解消法も今年から施行された。両弁護士は「人間は金を稼ぐだけの存在ではない。障害者の人権を認める動きはあり、少しずつでも前進したい」と話す。

◆「重度だって働ける」

 事故から九年。晃平さんの母、啓子さん(58)は「いま生きていたら二十四歳。きっとどこかで働いていたと思う。障害が重くても、できることがゼロなわけではない」と話す。

 晃平さんは二歳半のときに障害があることが分かった。会話に難はあったが、特別支援学校の中学部で、作業実習を通して成長。「将来、知らない人とも過ごせて社会に出られるように」と啓子さんは考え、通わせるようになった施設で事故が起きた。

 裁判を起こした理由は「命の差別が許せなかった。健常者も障害者も一人の人間なのに」。遺骨は今も自宅にあり、誕生日の一月二十二日は毎年、きょうだいら家族全員でしのぶ。「事故を風化させたくない。二度とこういう事故は起きないでほしい」。啓子さんは願う。

晃平さんの遺影を手に裁判を振り返る伊藤啓子さん

2016年7月15日    中日新聞


当別の家具職人・須田さん製作 木の車いすかっこよく 来年公開の映画に登場 社会参加願い改良続く

2016年07月16日 03時40分45秒 | 障害者の自立

【当別】町内東裏の旧東裏小で「家具工房旅する木」を経営する須田修司さん(46)が、「木の車いす」の製作に取り組んでいる。強度や機能性を改良し、これまでに3台を作った。「障害のある人が、人に見せたくなるようなかっこいい車いすに乗り、積極的に社会参加してほしい」。そんな願いを込め、さらなる進化を目指して試行錯誤を重ねている。

 「障害者やお年寄りにとって、車いすは体の一部。それなのに、街で見かけるのは金属製の味気ないデザインしかない。自分が乗ってみたい車いすを作ろう」

 家具職人として独立した10年前、目標のひとつに掲げた。経営が軌道に乗り始めた2009年から、知人の介護福祉士の協力を得ながら設計を始めた。

 金具とタイヤ、座面以外はすべてウォールナットを使った木製。後輪のホイールや前輪キャスターなど丸みを帯びた部位が多かったが、「木工技術者としてレベルを上げるには最適な材料」(須田さん)。木をなめらかに曲げる「曲げ木」の技術を駆使し、何度も失敗を重ねながら14年に1号機が完成した。

 足置きを左右に開閉できるようにしたり、ブレーキをつけたりして改良を重ね、昨年6月までに3号機まで作った。今年2月には、岩見沢の障害者施設で3人に試乗してもらった。「座面が高く、乗り降りが不安」などの声を参考に、6月から4号機の製作に取りかかっている。

 デザイン性も高く、映画関係者が注目した。来年公開の降旗康男監督、岡田准一さん主演の映画「追憶」(東宝)で小道具としても使われることになった。助監督の加藤卓哉さん(37)=東京=が、須田さんの家具を愛用していることから実現した。安藤サクラさん演じる「涼子」が乗り、重要なシーンで何度も登場するという。

 加藤さんは「障害のある人がそれをマイナスと捉えず、胸を張って乗れるような車いすを作りたいというコンセプトに共感した。木製の車いすを使えば、何か特別な感情を表現できる気がした」と語る。

 須田さんは「映画の公開に合わせて、販売できるように精度を高めたい。使う人も周りも、生き生きとした表情になる車いすを作りたい」と話す。

木の車いす作りに取り組む須田修司さん。(右から)1号機、2号機、3号機

07/14    北海道新聞


「ヘルプマーク」って知ってる? 障害のある人が周囲に理解や支援を求めるためのカードについて知っておこう!

2016年07月16日 03時22分14秒 | 障害者の自立

電車内や街の中に障害を持った人がいて、困っていればできる限り手助けしたいもの。しかし、サポートを必要としていることが、なかなかわかりづらい場合もあります。

そんなときのための「ヘルプカード」というものを、皆さんはご存じでしょうか?

ヘルプカードは、障害のある人などが災害時や日常生活の中で困ったときに、周囲に自己の障害への理解や、支援を求めるために作られたものなのですが、「このカードの存在を知らずとても後悔した」という体験談を描いた漫画がTwitterに投稿され、反響を呼んでいます。

【ヘルプカードって?】
ひとことで「障害」と言っても、さまざまな種類があります。たとえば、聴覚や視覚、また心臓や呼吸器などの身体機能(内部障害)や、知的障害など、外見からは障害者とはわからない方が支援を求めるとき、ヘルプカードはとても有効だといえます。

また「助けが必要なことが他人に伝えられない」「本当は助けが必要であっても、自分では分かっていない」という状態に陥っている場合にも、ヘルプカードが役立ちます。

東京都福祉保健局によると、ヘルプカードが実際に役に立った事例も報告されているそうですが、いっぽうでその存在を知らず、お互いつらい思いをした経験を持つ人も。

【あの時すでに知っていたら】
Twitterアカウント「ぷちめい‏@puchimei333」さんは、イラストレーター・漫画家であるご自身の体験談を漫画にし、Twitterに投稿しています。

その漫画によると、ぷちめいさんが電車で座っていたとき、目の前につり革につかまりながらものすごい汗をかいている男性が立っていたそう。車内は満員で、その人のカバンにはヘルプカードがついていたそうです。

その意味を知らなかったぷちめいさんが不思議に思っていたところ、次の瞬間、男性はその場に倒れこんでしまったそう。

「大丈夫ですか?」と矢継ぎ早に声をかける乗客たちを、男性は「大丈夫です、大丈夫です!」とかたくなに拒否。席をゆずろうとしたぷちめいさんには「私にかまわず座りなさい! ここは健常者のための席でしょう!?」とすごい形相で怒鳴ったといいます。

その様子から、彼にはなんらかの障害があり、とても切羽詰まっている状態だったのだとぷちめいさんは察したそう。

あとでヘルプカードについて調べたぷちめいさんは、「あの時すでに知っていたら」と、とても後悔したと作品の中で語っています。

【Twitterに漫画を投稿】
この投稿には、現在5万件を超えるリツイートがされ、次のようなコメントが寄せられています。

・知らないのも無理も無いと思います。まず、あまりメディアで紹介されないのと公共施設での告知が無い。あるとしても、大きい病院の片隅にポスターが貼られてるぐらい。 これじゃ、誰もわからないですよね…
・身体じゃないですが、いわゆる発達障害の者です。見た目にはわからないし、数々の誤解を受けてきてます。健常者の人と同じように働けないとか、悔しくて情けなくて、このヘルプカードの方の気持ちが痛い程よくわかります。
・こうして絵にして頂けることで、一助あると思います。落ち込まないで下さい。とても素敵です。
・私もヘルプカードの存在を知らずこの漫画で学ぶことができました。描いて下さってありがとうございます。私も広場恐怖症があるので特定の場所や人ごみに近づけません…ぷちめいさんは後悔と言われますが偏見を持たず学ぶ姿勢が素晴らしいと思います

これほど多くの反応があったということは、それだけヘルプカードの存在を知らない人が多かったこと、ヘルプカードへの理解が得られず、つらい思いをした人がいたということなのかもしれません。

【標準様式を決めて都内で統一に】
これまで各区市町村においてヘルプカードのほか、SOSカードや防災手帳など、地域の実情に応じたさまざまなカードや手帳があったそうですが、東京都では都内で統一的に使えるよう標準用式を策定したそう。今後、ますますの周知や理解が広がっていくことを期待したいですね。

また、東京都保健福祉局では広報用のDVD映像をYouTubeに公開していますので、詳しく知りたい方は参照元から動画をご覧ください。

手助けの仕方としては、ヘルプカードを提示されたら裏面の記載内容に沿って支援をするというもの。特に難しいものではなく、「ちょっとした配慮と手助けが、障害のある人の安心につながります」と動画の中ではアナウンスしています。



参照元:Twitter‏ @puchimei333、YouTube、東京都保健福祉局

Pouch[ポーチ]   7月14日

 


会話支援アプリ、店舗で活用 京都銀行

2016年07月16日 03時14分38秒 | 障害者の自立

 京都銀行は、訪日外国人や聴覚障害者との会話を支援するアプリを搭載したタブレット端末を京都市内17店舗で21日から導入する。多言語の自動翻訳や音声を文字化する機能を生かし、多様な来店客のニーズに対応する。

 アプリは関西学術研究都市の情報通信研究機構(NICT)が開発した。金融機関での活用は全国初。本店営業部(下京区)や京都駅前支店(同)、東山支店(東山区)など観光地や繁華街に近い店舗で運用し、導入先を今後拡大する。

 多言語音声翻訳アプリ「ボイストラ」は、英語や中国語、フランス語など29言語に対応する。日本語で話せば自動で翻訳し、音声と文字で案内する。外貨両替や道案内の相談に訪れる外国人旅行者は年々増えており、観光支援にもつなげる。

 聴覚障害者向けアプリ「スピーチキャンバス」は、音声を認識して文字表示する。指で画面に文字や絵をかいて伝えることもでき、耳が聞こえにくい高齢者との会話にも活用する。

訪日外国人との会話支援に向けて導入する多言語音声翻訳アプリ。増加する外貨両替や道案内などのニーズに対応する

2016年07月14日   京都新聞