二〇二〇年の東京パラリンピックに向け、障害者スポーツへの理解を深めてもらおうと、東京都内で三月に行われる「パラ駅伝in TOKYO 2017」。県内から唯一出場する陸上チーム「熱いぜ!!埼玉」のメンバーが、上尾市の県立スポーツ研修センターで、今年初めての練習を行った。さまざま障害を乗り越え、一本のたすきをつないで走り抜けようと、メンバーは楽しみながら練習に励んだ。 (牧野新)
「パラ駅伝~」は日本財団パラリンピックサポートセンターが主催し、一五年に東京都世田谷区の駒沢オリンピック公園で初めて開催された。視覚や知的障害者、義足の走者など障害者六人と健常者二人の計八人がそれぞれ約二・五キロを走る。二回目の今回も、同公園に十四都県の十七チームが集い、チームや個人の記録を競う。
「熱いぜ!!埼玉」のメンバーは、県障害者陸上競技協会に選ばれた十四~五十三歳の八選手と、監督やサポートスタッフの計十四人。前回も出場したが、メンバーが大幅に変わったため、実質的に初めての顔合わせとなった。
この日行ったのは、たすきを受け渡す練習。大会では、駅伝用の一般的な肩掛けたすきが使われるが、車いすの車輪にたすきが絡まると動かなくなるなど、問題も見つかった。
メンバーらは試行錯誤しながら、たすきの端を太ももで挟む方法を提案。車いす走者の馬場みなみさん(18)=越谷特別支援学校高等部三年、さいたま市緑区=は「これなら安心して走れる」と笑顔を見せた。
左足を切断し、義足で走る八潮市の会社員手塚圭太さん(53)は「大会を機に障害者スポーツへの理解が深まってほしい。一生懸命練習したい」と意気込んだ。
今後、大会までに練習を重ね、前回の六位を上回る三位以内を目指す。
監督を務める同協会理事の大木好則さん(49)=美里町=は「いろんな障害がある人や健常者がチームを組むことで理解が深まる。互いへの尊敬の気持ちを込め、たすきをつなぎたい」と話した。
大会に向けで意気込む「熱いぜ!!埼玉」のメンバー
2017年1月11日 東京新聞