障害への理解進めたい
「ポテト」の愛称で知られる旭川ケーブルテレビ(尾崎吉一社長)の番組「手話タウンあさひかわ」が2月で放送1年を迎える。旭川市の手話言語に関する基本条例制定に合わせて制作を開始、番組を見て手話に興味を持ったという声も寄せられているという。制作を担当する田中光さん(33)は「番組が手話を広めようと頑張っている人の一助になればうれしい」と話している。
条例は2016年7月に施行。市が手話の普及を図り、使用しやすい環境をつくる施策を進める一方で、市民には市の施策に協力することを求めている。
番組は、旭川ろうあ協会の協力で制作し、17年2月6日に放送開始。放送時間は15分で、前半は同協会の橋本由美事務局長(43)による手話講座、後半は各地の手話サークルの活動や関連イベントを紹介。1日2、3回放送し、毎月第1月曜日に内容を更新する。
「手話は表情が命。緊張しないで」。16日、市障害者福祉センターおぴったで行われた「中央手話の会『ともだち』」(森山由香里代表)の収録では、田中さんと棟方康好さん(28)が和やかに撮影を進めた。
手話講座では基本的なあいさつに加えて、北彩都ガーデンや旭山動物園なども訪れ、花や動物の手話も紹介してきた。2月は平昌(ピョンチャン)冬季五輪の開催に合わせ、ウインタースポーツをテーマにする予定だ。
橋本事務局長は「長く番組を続けることで、旭川近郊で暮らす人々の日常生活にまでテーマを掘り下げて紹介できる」と歓迎。条例制定後は手話講座の依頼も増えているといい、「手話だけでなく、聴覚障害者が何に困っているのかなど障害そのものへの理解を進めていければ」と期待する。
ポテトの視聴エリアは旭川、当麻、愛別、比布、鷹栖、東川の1市5町。2万2774世帯(昨年12月末現在)が契約している。