日経トレンディネットに、ニコンの低価格フルサイズ一眼「D600」の詳しいレビューが出ていました。
連載:落合憲弘の「へそ曲がりデジカメ生活」のうち、
『ニコン「D600」、コレさえあれば「D800」はもういらない!?(前編)』
『ニコン「D600」(後編)、お手軽ズームレンズのクセを解消する妙案』
の2本の記事で、10月31日に前・後篇が完結。
落合氏は、『D300×2台、D700×1台、D5000×1台、DXのズームレンズ×2本(16-35mmと初代の18-200mm)を手放して、D600ボディーをほぼトントンで(追い金なしで)ゲットした』
とのことで、それほどD600に魅力があったんでしょうね。
◇まず結論から…
詳しくはレビュー記事を読んでいただきたいのですが、シャッターの感触が良く、5.5コマ/秒の連写という軽快さがD600の一番の魅力のようです。
『ひとことで言って、D600はとてもよくできている中級フルサイズ機だと思う。』と結論付けています。
◇画質について
ただ、記事はベタ褒めでもありません。
画質については
『色再現性や細部の描写は、D800に酷似。もちろん、解像度の違いは歴然としているのだが、オートホワイトバランスのコントロールを含め、絵作りはとてもよく似ているとの印象だ。』としています。
全体的にはD800に迫る品質のようですが、「解像感はやはりD800のほうがかなり上なんだ」とも思わせる表現です。
実写例も添えられています。ズームレンズで撮った画像を拡大した印象では、確かに、あのD800ほど際立った解像感はありません。ウ~ンいまひとつキリッとしないな… という感じ。
ただし、単焦点レンズで撮った画像はきれいです。
どうもズームレンズが良くないのかなと、気になります。
さきの雑誌「カメラマン」の特集「フルサイズ選択会議」では、キットレンズAF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR を酷評していました。
これに対して落合氏は『安心して使えるキットレンズ』と評価する一方、『中間焦点距離域で、周辺画質に少々、落ち着きのなさを感じることもある』とコメントしたり、
『「やっぱりD600には小さな単焦点レンズがお似合いだなぁ」とつくづく思わされる。装備重量が軽くまとまるってのも魅力なんだけど、それよりナニより写りがやっぱりぜんぜん違う。』と書いています。
本当のところ、どうなんでしょう。
カメラ店でもらったD600のカタログを改めて見直すと、下のすばらしい写真が、そのズームレンズAF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VRで撮られているのに気付きました。こうしてみると良いレンズに思えるのですが…
D600のカタログ写真。解像感が素晴らしく、豊かな階調。
撮影データは以下の通り
画質モード:14ビットRAW(NEF) 撮影モード:絞り優先オート、1/800秒、f/8 ホワイトバランス:晴天 ISO感度:100 ピクチャーコントロール:風景 ©Florian Schulz AF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR 使用
下はカタログのもう一つのすばらしい写真。これはD800に迫るシャープな画質!だと思いました。
以下は撮影データ。
画質モード:14ビットRAW(NEF) 撮影モード:マニュアル、1/160秒、f/3.2 ホワイトバランス:晴天 ISO感度:100 ピクチャーコントロール:ポートレート ©湯浅憲之
これはさすがに単焦点レンズAF-S NIKKOR 85mm f/1.8Gを使用していました。
できれば単焦点レンズを使うと、D600の良さが引き出せそうですね。
◇AFなどについて
落合氏の記事で、AFについての部分は以下の通り。
『AFモジュールは、一部ブラッシュアップされてはいるものの、基本はD7000と共通のようで(このあたりにもコストダウンの影を見ることができる)、フルサイズの視野内では測距点の分布が中央に寄りすぎているとの印象が強い。実際に使い始めてみると、思ったほど気にならない分布ではあるのだが、多くの人は測距点がもう少し周囲に広がっていたほうがありがたいとの思いを抱くんじゃないだろうか。
動体に対するAFのデキはなかなか優秀だ。軽快なシャッター感触&5.5コマ/秒の連写能力も相まって、動きモノを思いのほか気分良く追い回せる。しかし一方、フトしたときにシングルAFでちゃんとピントを拾ってくれないことがあったりもする。このあたり、「暗さと低コントラストにはチョイと弱い」なんて単純に言い切ることができない、ちょっとザラッとした印象なのだが…。』
このほか高感度性能も高く評価していました。
さて、総合的に見てD600は「買い」なのでしょうか?
優柔不断な私としては、まだ判断しかねています…