つれづれ写真ノート

   カメラと写真 そして世の中の色々なこと---

東京散歩 PartⅡ

2012年12月08日 | 日記

東京のイルミネーションの中でも毎年好評なのが、カレッタ汐留。

今年は10周年を迎え、例年のLEDによるイルミネーションに加え、3Dプロジェ
クションマッピングを取り入れた「リュミエの森」(11/15~12/25)というイベントが見もの、ということで行ってきました。

カレッタ汐留のカレッタプラザ。

 

デートコースですね。

 

ツリ―での記念撮影は順番待ち。

 

青いLEDが幻想的です。

 

こういうのを撮りたかったんです。

 

ただ、これまで撮影された写真などから、一面に光の海が広がっているかと思っていたのですが、それほどではなく、少し「?」という感じ。例年よりLEDの面積自体は減っているのではないでしょうか。もっともっと光り輝く世界を見たかったですね。

ネットでもそんな感想がチラホラ。

 

「リュミエの森」はきれいでした。

建物の壁や窓などの形に合わせて、様々な映像が投影されます。

ビル壁面が巨大なクリスマスプレゼントになったかと思うと、お菓子の家が現れる「子供たちの夢」、王子様との恋を夢見る「乙女の夢」へ。さらに「美しい生物たちが宿る夢の森」と展開していきます。

「リュミエの森(子供たちの夢)」。

 

「リュミエの森(乙女の夢)」。つまりシンデレラですか…

 

映像を楽しむ一方、ここで食事もしてきました。

地下2階にある「鼎泰豐(ディン・タイ・フォン)」。

台北に本店がある超人気店で、ショウガ入りのたれで食べる、肉汁スープたっぷりの小龍包は本当に美味しかったですね。

食べるのに気を取られて、料理の写真を撮るのは忘れてしまいました…

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撮影カメラ   ソニーRX100

 


ボケてもズレても…

2012年12月08日 | カメラ

リコーの新技術

デジタルカメラ関係の情報を見ていると、時々面白いものに出くわします。

日経BP社の「Tech-On!」に「被写界深度3倍カメラと6色認識カメラをリコーが披露、産業向け」というニュースが出ていました。

『リコーは、開発を進めている2つの産業用カメラを「国際画像機器展2012」(12月5日~7日にパシフィコ横浜で開催)に出品した(ブース番号62)。一つは通常に比べて被写界深度が広いカメラ。もう一つは通常に比べて多数の色を識別できるカメラである。』

へえ~ 面白いじゃないですか。画像機器メーカー関係の方はすでにご存じでしょうが…

 

これ以上の詳しい記事は、会員登録をしないと読めないようになっていますが、リコーのページを見れば内容が出ています。

さらにデジタルカメラの未来を予想させるようなことも書かれていました。

 

「リコーの技術/イメージング/デバイス」のページによると、

被写界深度拡大カメラとは

『専用レンズと画像処理内蔵の専用カメラから構成されています。一般的なカメラでは絞りを絞ることにより被写界深度を伸ばせますが、画像が暗くなってしまいます。本カメラでは明るさを維持したまま被写界深度を伸ばすことができます』とのこと。

つまり明るいパンフォーカスですね。産業的には、バラバラな位置にある製品のQRコードを一度に読んだり、斜めになった文書をOCRで読み取ったりという例が紹介されています。

一方、マルチスペクトルカメラは、

ちょっと専門的で難しいのですが、カラーフィルタを内蔵したレンズ+複数の分光情報をセンサ画素に振り分ける「マイクロレンズアレイ」+「画像処理部」からなっていて、たとえば普通のカラー画像では分からない塗装の色検査、果物の糖度や鮮度、医学的な疾患重症度などを測定できるそうです。

人間の目を越える色の認識ということでしょうか。

 

発想の転換

この背景にある「JOIPO(Joint Optics/Image Processing Optimization)」というリコー独自の技術が、示唆に富んでいて面白いです。

リコーのページから引用させてもらうと、

『従来の設計手法では、高画質のレンズ光学設計と高品質のデジタル画像処理を別々に設計し、画像システム全体を構成する方法でした。それに対してJOIPOでは、デジタルセンサー上に一時的に形成される中間の光学画像は人間ではなくコンピュータが“見る”に過ぎないので、光学センシングの段階では画像は“美しく見える必要はない”という気付きから生まれたものです。このことによって、より自由で大胆な発想で設計することが可能となり、従来の設計手法による画像システムの限界を超えることが可能になります。』(下線部は当ブログ付加)

つまりレンズからセンサー上に投影される画像は完成品でなくていいというのです。

 

これまで、とくにフイルムカメラ時代は、高品質なレンズによってフイルム上にシャープな像を結ぶことを至上命題として、レンズとカメラの開発が進められてきました。

ザイデルの5収差、色収差を可能な限りなくすために、非球面レンズ、蛍石レンズ・異常分散(特殊分散)レンズなど、とかく高価な材料のレンズを組み合わせてきたのがこれまでのレンズの歴史です。

ところが、リコーの技術では、レンズの収差つまりボケやズレなどが残っていてもOK、それはデジタル画像処理で直せる、というわけです。

 

これによって何が素晴らしいかというと、レンズ構成が簡単になること。

リコーのページには、

『JOIPOを用いて設計した画像システムでは、従来のシステムよりレンズ枚数を少なくすることができます。なぜなら、収差・ボケ等の画像劣化を高コストなレンズ光学系だけで吸収する必要がなく、後のデジタル画像処理で修復可能だからです。レンズ枚数が少なくなることで、光学系を格段に小さくすることができます。』とあります。

当面は産業用でしょうが、これって、レンズとセンサーが一体になっているリコーのデジタルカメラ「GXR」のユニットに使えそうではありませんか…

JOIPOの設計手法はアメリカ発。2005年末頃、米Silicon ValleyにあるRicoh Innovations Inc.(RII)で開発されたそうです。

 

デジタルカメラの世界はハード面より画像処理に重心が移っていくのかもしれません。

キヤノンのEOS 5D MarkⅢと同時期に出たDPP新バージョンの機能「デジタルレンズオプティマイザ」も、レンズの設計上、対処が難しい収差や小絞りによる回折現象、 ローパスフィルターの影響を画像処理で補正するものです。

(個人的には、この機能を適用することで、並のレンズが高級なLレンズになったような印象を受けましたね。)

 

リコーの設計手法をキヤノンやニコンがもっと進めてくれれば、あのでっかく重い大口径レンズや望遠レンズを振り回さなくてもよくなる時代が来るかも、と夢想したりもします。

ただ、フイルムとの完全決別、レンズでもうけられなくなるという経営上の問題も出てくるでしょうけど…