アメリカの家電ショー「CES2013」に合わせて発表されたコンパクトデジタルカメラで、ローパスフィルターを廃した機種が目立ちます。
個人的には、コンパクトカメラについてはソニーRX100で満足しているので、買う気はないのですが、ローパスフィルターをやめることで、どの程度画質がアップするのかに興味があります。
◇ニコン
ニコンは、Nikon 1シリーズの新モデル「Nikon 1 J3」と「Nikon 1 S1」を発表。
レンズ交換式デジタルカメラの2012年ランキング(BCN)で、ミラ―レス一眼カメラの販売台数シェア トップになったのが「Nikon 1 J1」。
これに気をよくして、Nikon 1シリーズの拡充に力を入れているようです。
「Nikon 1 J3」(10倍ズームキット)=写真はフリー画像。ちょっとレンズが大きめのですが、何かカッコいいですね。
Nikon 1シリーズは普通のコンパクトデジタルカメラより大きめの1インチのセンサー(CXフォーマット)を使用しています。
「J1」、「J2」(1015万画素)より、「J3」(1425万画素)は画素数がアップ、好感度域も広がって、センサー自体の性能が良くなっているようですが、さらに、ニコンのHPによると『光学ローパスフィルターを搭載しないことで、解像感がさらに向上しています。』と明記。
ミラーレスのエントリー機という位置づけの「Nikon 1 S1」についても、同様にローパスフィルターがないことが、ニコンのHPで明らかです。
ローパスフィルターがないと(あるいは無効化すると)、解像感が良くなるのはすでに先行のニコンD800Eや富士フイルムのX-PRO1などで証明済み。
さて、どんな絵が出てくるのでしょうね。
半面、心配なのはローパスフィルターで防いでいたはずのモアレや偽色の発生という問題。それをどういう風にクリアしているのかが、気になります。
◇富士フイルム
富士フイルムは、人気を博した「X100」(APS-Cサイズ)の後継機「X100S」(1630万画素)と、「X10」(2/3型)の後継機「X20」(1200万画素)を発表しました。
どちらも独自のカラーフィルター配列のセンサー「X-Trans CMOS II」を使用、ローパスフィルターを使わない高画質がウリです。
こちらは、センサーのカラー配列の特性上、モアレについては心配しないでよさそう。
外見的にクラシックなスタイルを堅持する一方、画質の面でもプレミアム感を打ち出そうという狙いのようですね。
ローパスフィルターについては、写真家の那和秀峻さんがブログ「徒然なるままに」で詳しい解説を何回も書かれています。(ブログ名が似ていますが、当ブログが真似したわけではありません、念のため)
那和さんとしては、『ローパスフィルターは一般的にはやはり必要だ』という見解のようです。くわしくは那和さんのブログをお読みください。
しかし一方では、ローパスフィルターをなくした新機種が相次いでいるのも事実。
“ローパスフィルターレス”が、もはや後戻りできない、デジタルカメラのひとつの流れになっていくのでしょうか…